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中華 状元への道

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2007年 11月 03日

隣国 ソ連

スターリン暗殺計画
桧山 良昭 / / 双葉社

以前どこかで絶賛されていたのでずっと読みたかったのですが
古本屋で見つけて読みました。
あとがきを見ると私が大好きな開高健も激賞したとのこと。

内容はミステリーですので種明かしはまずいですから読んでいただくとして
この時代のソ連と日本というのはすごく身近にいて、すぐに感じられるほどの
脅威の対象であったということがわかります。まあフィクションなんですけど。

明治期のロシアの脅威は司馬遼太郎なんかが再三かいてますけど
昭和のソ連は満州と陸続きなわけで、しかもその満州はすぐ前まではロシアの権益
であったんですから当然といえば当然。

この小説に出てくる満州は中国の存在はほとんど感じません。
舞台は中国大陸ですけど登場人物はソ連と日本。
謀略につぐ謀略。あげくはスターリン暗殺を計画。

ソ連やロシアってのはやっぱりなんか違和感があって恐怖の対象です。
現代では北方領土があるものの直接身近に脅威を感じることはないのですが
やっぱりなんか不気味です。

なんで怖いのか?やっぱり未知の存在だからだと思います。
顔も体も目も髪もまったく違う。冷戦時代の小説にでてくるKGBのイメージが鮮明で
なかなか冷静に見れない。

今も資源ブームで力を盛り返してきて経済も好調で接点も出つつありますが
やっぱり未知の怖さがあります。
エリツィン以後のマフィアのイメージもそれに拍車をかける。
商売でみそをつけて黒海に沈められたトレーダーの話や
ビルから投げ落とされて自殺に見せかけさせられた商社マンの話なんかが
まことしやかに話されてさらに怖くなります。

先日ソ連時代に駐在だった方に話を聞きました。
電話はすべて盗聴され行く場所は全部チェックされてたそうです。
恨まれて車に爆弾仕掛けられて、危うくセーフだったが
その日のフライトで日本に逃げ帰った人もいたそうです。

スパイ行為をしろとか言われませんでしたか?と問うと
「言われましたよ」とあっさり。
「OKしたんですか?」
「もちろんですよ。ほかに選択肢がないですから。」

ある日警察に呼び出され、前の週に立ち入り禁止区域をドライブしたことを追求され
情報提供することを条件に許されたとのこと。

でも幸いソ連末期の時期でまもなく体制が崩壊したため
実際には情報提供する機会がなかったとのこと。まあそれは本人のみ知ることです。

体制崩壊後は情報員の大量失業があったそうです。
すべての外人の電話を盗聴するわけですからそれだけ語学の達人が雇われていたわけです。
体制崩壊で盗聴する意味がなくなり失業。
今はNOVAのとかで教えていたりして。
ここでも失業じゃちょっとかわいそう。

以上

by zhuangyuan | 2007-11-03 20:31 | 中国関連DVD、本


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