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中華 状元への道

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2007年 05月 12日

パナマ帽の男

昨日は海外からのお客さんを連れて工場に行く用事があった。

彼とは初対面なので朝ホテルで予定通りに落ちあえるか
不安だ。

ロビーに着くとソファーには白人が一人と東洋人が二人。
目指す相手は西洋人なので、白人の方をよくみるといかにもそれっぽくない。我々の業界によくいる生真面目な会社員に見えないのだ。

パナマ帽を目深にかぶりサングラスをかけ
ダークスーツで足を組み英字新聞を大きく広げるガタイのよい銀色の短髪。
なんか南国の植民地を闊歩する英国人みたいな感じ。
年齢は50代後半かな。
パナマ帽の男_d0018375_23291579.jpg

おおキザなおっさんだなあ。奴ではないだろう。
フロントで確認するとたった今チェックアウトしたばかりだとのこと。ということはあいつかよ。

恐る恐る声をかけると図星であった。
かなり手強そうだ。一日彼の通訳をしなきゃならないと思うと気が重くなる。

工場に着き、打ち合わせの始まるころ上着を脱ぐとホワイトシャツに真っ赤なサスペンダーをしている。
日本でこのカッコはコメディだ。

正午ごろ彼はある書類を要求した。
それを探すのは時間がかかるので
とりあえず昼食にしようと声をかけると
俺は昼飯は食わない。このまま会議をつづけようという。

仕方がないので書類をとりにいってもらうよう私が依頼し
担当者が席をたつとすぐ後に彼はいった。
「さあ飯にしよう!」

なんだこいつは!
なめてる。
こちらを揺さぶろうとしている。

まあ年は私の父の世代、大先輩なのでここは大目に見ようと
食事に向かった。

工場の食堂は西洋人が好みそうなものはないので
事前にお客さん用スペシャルランチを用意しておいた。
すると彼はうどんがよかったと言い出す。
もしうどんがいいなら手配しますよというと
席についてスペシャルランチを食べだした。

昼食中は彼の自慢話を拝聴。
なんでも最近東京にマンションを買ったらしい。それも現金で買ったと。
でもお国にも家があるらしくそのメインルームは東京のマンションのすべての部屋をたしたものより大きいのだと。
うるせーよ、おっさん。とは言わず。
自国の家の庭にはジャングルがあるらしくマンゴーやパイナップル、グレープフルーツがなり
窓の大きい部屋でジャングルをみながらグレープフルーツの実をくりぬいて飲むウォッカは最高だぜ状元くん!

リッチですねえ。
まあな昔はリッチだったよ。今は引退したも同然だからな。あっはっは。

なんて話をしながら午後の部に突入。
午後もハラハラしながらなんとか予定の仕事を終える。
結果は思いのほか良いものだった。
そして飛行機の予約をしてあげてタクシーを呼んでグッドバイ。

ああやっと終わったと思うと安心すると、どおっと疲れがこみ上げてきた。

会議室にもどると、なんとまあ彼が忘れ物をしていた。

まじかよ。また彼と話さなきゃなんない。
と携帯に電話をかけてその旨を伝えると

その返事より先に言われた。
状元君、君ドライバーにタクシーチケット渡してないだろ!
おかげで自分で払ったじゃないか!terrible!

この一言でさらにつかれ倍増。後味の悪い1日になった。

やっぱりお金持ちはこうでなきゃ。
無駄な金は一切使わない。
他人に払わせるものはきちっと払わせる。

俺もいつかジャングルでウォッカカクテル飲むぞー!
パナマ帽かぶってさ

以上


by zhuangyuan | 2007-05-12 23:29 | 生活


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