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中華 状元への道

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2006年 01月 25日

文房四宝 これって水墨画?

 文房四宝といって昔から書斎に備えるものとして筆、墨、紙、硯があります。
恥ずかしながら、私の部屋には一つもありません。

 ところが先日、中国のお客さんに硯をもらってしまいました。苴却砚といって四川省のもので
、この硯について書かれた記事を集めた分厚い冊子までついていました。曰く、清朝末期にはパナマの博覧会に出展され、また2004年は全国文房四宝芸術博覧会で金賞を受賞しているとのこと。
文房四宝 これって水墨画?_d0018375_21555942.jpg

龍の彫り物がしてあっていかにも高級そうです。

ただ残念ながら墨も筆もない私には宝の持ち腐れになってしまう。
観賞用でもいいのでしょうがなんとももったいない。
私は飾りたいのですが我が家のボスが家の雰囲気に合わないということで
中国系のものは全て却下されます。
ブログ写真「福」の字の切り紙も机の上で静かにしてます。

そこで祖母にあげることにしました。
祖母は83歳にしてなおも前向きにいろいろチャレンジしてまして、
最近まで水墨画を習っていました。今は書に変えたらしいです。

 そこで以前も北京の琉璃厂で筆のセットをお土産に買ってあげました。
狼毛(イタチの毛)で出来た筆が最高級だと店のあんちゃんに薦められ買っちゃいました。
なかなか腰が利いていて書きやすいとの評価をもらいました。

 筆があるのだから硯もと思いプレゼントしました。
ちょうど少し前に高級な墨も買ったばかりだったそうで喜んでくれました。

 普段は100円ショップで買った墨を使っていたらしいのですが、良い墨を試したくなり
一万円もだして購入したそうです。

 二つの墨でそれぞれ同じ水墨画を書いて比べたものを見せてくれました。
一万円の墨で15分ですったものは紙がぴたっとまっ平ら。
100円ので一時間くらいですったのは同じ黒く塗りつぶした部分がぼこぼこになっていました。

 水墨画というのは山水画と勝手に思い込んでいた私は祖母の絵をみて
度肝を抜かれました。
文房四宝 これって水墨画?_d0018375_22105663.jpg

うますぎる。黒いところも全て自分で塗ったらしい。
東大寺にある広目天立像という仏像の写真を小さな模写したそうです。
文房四宝 これって水墨画?_d0018375_22122048.jpg


 せっかくならった水墨画をなんでやめたのか聞くと、草花ばかり模写してつまらなかったと。
書きたいものを書かせてもらえなかったらしい。でも自分では続けるとのこと。

 テーブルの横には鳥の羽がありました。
文房四宝 これって水墨画?_d0018375_22254256.jpg


 これを使って水墨画を書くと筆では表現できない線が描けるとのたまっていました。
こうした独創心はすごい。

 祖母は油絵なんかも結構いけていまして区長賞なんかを地元でもらってましたが、自分の独創性のなさを感じて壁にぶつかっているそうです。わたしのような凡人には到底感じることの出来ない世界です。

 最近は書をやっているのですがこれも様になっていました。
テキストは唐詩を筆で書いたものですが、意味をたずねるとしらないとのこと。
そこで唐詩を書くなら意味をしらないとイカンと唐詩300選をすすめました。

 するとすぐに古本屋でゲットしてきて読んでいました。
昨年は高齢者センターで卓球を習い始めたそうです。
老いてなお矍鑠(カクシャク)。

でもあまり無理せずにお願いしたいものです。

以上

by zhuangyuan | 2006-01-25 22:22 | 文化、歴史


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