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中華 状元への道

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2010年 12月 11日

ドイツ語+フランス語=英語!?

先日、日本語の成り立ちについて記事にしましたが
英語もけっこう面白い。

ちょっと前に英会話教室で個人レッスンをうけていました。
先生はスコットランド出身の弁護士でした。

インテリの彼は会話だけでなく文化の話もしてくれます。
この単語はFrench由来だとかGerman由来だとか。
英語はフランス語とドイツ語からできていると聞いてびっくりしました。

最近ドイツ語入門みたいな本を買ってながめていますが
英語とそっくりな単語が想像以上に多いです。

come - kommen
house-Haus
mother-Mutter
night-Nacht
book-Buch
good-gut


そのヒミツは英語の歴史にありました。
英語の歴史

今のイギリスがあるブリテン島、
そこではもともとケルト系の言葉が使われていた。

5世紀にゲルマン民族がやってきてゲルマン系の言葉を話すようになる。
これがドイツ語由来の言葉の起源。

しばらくして今度は11世紀にノルマン民族に征服される。
ノルマン人はフランス語を話した。
これから英語に大量のフランス語が流入したと。

支配階層がノルマン系で平民がゲルマン系となった。
基礎単語がゲルマン系で増えてゆく語彙はノルマンが多くなっていったそうです。

先日紹介したこの本にも面白い話が載っていました。

わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

ロンブ カトー / 筑摩書房



英語には子牛、豚、雄牛をあらわす単語が二つずつ存在すると。

動物そのものを表す場合はこう

子牛 calf
豚 swine
雄牛 ox

これはどれもドイツ語とそっくり

ドイツ語では

Kalb
Schwein
Ochs

でこれが肉になるとどうなるか?

子牛 veal 
豚 pork
雄牛 beef

こっちはフランス語っぽいのです。

veau
porc
boeuf


つまり家畜そのものを扱ったのは平民であるゲルマン系で
その肉を食べたのは支配階層であるノルマン系だったというわけです。

面白すぎる。

ヨーロッパ言語はみんなこうして入り組んでいるわけですね。
どおりでヨーロッパ人はみんな英語がうまい。
半分同じなんだからね。

でもドイツ人で堪能でフランス語が全くわからない人が
ロンドンに行ったら、交通整理の警官の言葉ばほとんどわかったけど
教会での説教は全くわからなかったそうです。

ドイツ人は庶民の英語はわかるけど
支配階層の英語はわかならない。

なぜなら支配階層の言葉はノルマン系だから。

これはある意味、日本語と中国語にもいえるかも

北京で少し学校に行ったとき華僑の子息たちは日常会話は
ほぼ問題なく理解できた。
ところが閲読の授業になって時事解説なんかがでると全く理解できない。

私はその逆。

時事問題なんかに使う単語はほとんど明治以来の日本で作られた熟語です。
今の日本語と語彙が共通しています。
だから簡単なのです。

突然みんなの私を見る目が変わりました。


以上

by zhuangyuan | 2010-12-11 22:16 | 文化、歴史


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