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2017年 03月 12日

「大きい歴史、小さい歴史」海賊か皇帝かはたまた密輸人か?

中国語原書会に参加しました。


最近、中国語の勉強が少ない私はこの原書会に申込むことで締め切り効果を持ってして原書を読む仕組みとしているのです。

会に参加した多士済々に私が紹介したのは

「“小的”台灣史」
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夏休みに家族と行った台南歴史博物館で購入しました。

台湾の歴史というと複雑でオランダやら明やら清やら日本やら、はたまた化外の地であったりつながったものはない。そこで歴史とは何を指すのか?

副題にはこうあります。
「從早期社會市井人物的角度,重現十九世紀台灣的社會實況」

早くから移民した市井の人々から見た19世紀の台湾社会

大きな歴史が国家のものだとすれば小さな歴史は人々のもの。もちろん真実の歴史は人々の歴史の積み重ねであるわけですが、実際に歴史と呼ばれているものは時の為政者が過去を都合よく綴った物語であるわけです。この本は過去の文献から人々の暮らしを紡ぎ出していくのです。

「蕃薯也好賺 渡海走私賣蕃薯」
(サツマイモだって儲かるよ。海を渡って密貿易)

こう題する章に登場するのは密輸を企む仲間たち。

当時の台湾は肥沃な土地に恵まれ農産物が豊かでありました。つまり安い。一方工業は発展しておりませんので手工業品は高いのであります。安く買って高く売るのは商人の常。そこに商材があれば商売につなげるのです。ただし国家というややこしい存在ができますと、利権はすべて国家の下にあります。管理の枠を外れるとそれはすなわち密輸。中国語で言うと「走私」と書きます。

小舟から荷下ろしをしているところを捕まえられた4人組は、その背景には別の首謀者がいるといいます。つまり船の持ち主。裏で糸を引く人間は危険を犯しませんので自分で海峡を渡るなんて事はしないのです。もちろん下手人が見つかってしまったらさっさとどこかへ行方をくらまします。トカゲの尻尾切りはいつに世でも。さらにはこの小舟は実は大船と一緒に来たわけですがおおむねの仲間たちは危険を察知するとさっさと逃げてしまったんです。そして捕まったは彼らはどうなったか?黒竜江省に流されて奴隷にされちゃったそうです。サツマイモを売って奴隷にされちゃったんじゃ割が合わない。

ほんとに儲かるところは国家が牛耳っています。国家と言うのは元はと言えば武装した集団であって海賊みたいなものです。日本にいて万世一系とか言う島国にいますと想像できないかもしれませんが大陸の国家なんてものは取ったとられたの繰り返し、今の国家すなわち政府はただ一番強かったものの末なのであります。

「海海人生」には国家になりきれなかった海賊王の話が出てきます。略奪を繰り返すうちに強大な勢力になった彼は百隻の船を引き連れ、2万人を支配下集め自ら王と名乗ります。ただひとたび勢力が落ち目になると、手下から裏切り者が相次ぎみるみる力をうしなっていくのです。最後の海戦の時、砲弾が尽きかけ、彼が弾薬の代わりに使ったのは「番銀」。番=野蛮人。野蛮人のお金つまり外国貨幣です。国は強大だがいつ果てるとも限らない。国の貨幣より野蛮人と蔑む外国の貨幣を信頼し海賊が使うお金としたのです。最後の闘いではその権力の証しの貨幣すらなげ出してしまうのがなんとも象徴的。

海面上除了砲火,還有不少蔡船施放的「番銀」,
外國銀元滿天飛舞的情況

そして本当の王になれなかった彼らは国家から略奪者の名称を与えられるのです。本当の王になれて国家を作れれば彼ら国家の売買行為は貿易と名付けられるのです。中国の皇帝なんてものはみんな最初は略奪者。民から召し上げる金だって税金と言う名に変わるのです。「中国の大盗賊」オススメ。

私も貿易の仕事に携わっていますが、出張で海外を訪れると確かに国家は利権集団だということがよくわかります。例えばマレーシア。近年のエネルギー価格の暴落で財政困難に陥った政府は利益の出ている企業を訪れ徴税に行きました。私の取引先に来た国税局の人間は武装した兵を連れてきたそうです。お前の金は俺の金。隠すやつは許さんぞ。インドは最近高額紙幣を使えなくしました。もちろん銀行に行けば高額紙幣の小さな体に変えてくれる。では何のためにそんなややこしいことをするのだろうか。それは利益を上げているブラックマーケットのお金をあなたにあぶり出すこと。銀行に両替に来たところで収入を記録する。つまり納税せざるを得ない資産を把握するのです。インドは人口がたくさんいますが納税しているのはわずか3%だと聞きました。85パーセントの人たちは納税できないほど貧乏だと言いますが15%の人たちが沢山資産を持っているのです。つまりそれを表に出す。お前の金は俺の金、国家がそう言っています。もちろん国家が厳しくすればするほど密輸の旨味は増すんですけどね。古くは禁酒法時代のアル・カポネだったりメキシコ密輸カルテルだったりね。

閑話休題。
生活のため家族のために海を渡ろうした市井の人々も国家の利権を少しでも冒すと犯罪者にされてしまいます。大きな歴史に振り回される小さな歴史上の人々。この後20世紀が近づくとこの大きな歴史に日本が登場していくわけです。日本時代の小さな歴史の物語もぜひ読んでみたいものです。

原書会に参加の皆さんの小さな歴史にも興味津々。巡り巡って地球の片隅で中国語原書を通して世界を覗いてる。なんかワクワクするでしょ?言葉ってほんと楽しい。

以上

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by zhuangyuan | 2017-03-12 23:31 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)
2016年 08月 11日

華語がゆれてるグローバルな世界の片隅で中国語原書を読む私たち

Ayumi Chinese book Cafeさんの主催する中国語原書会に参加しました。

Ayumiさんの積極的な投稿を見て久しぶりに中国語熱が戻ってきましてつい参加表明しちゃいました。仕事では経済方面の中国語ニュースなんかは継続的に読んでますが文化系の読み物はご無沙汰していました。最近はフランス語はじめちゃったので余計に時間が取れません。


ということで私が選んだのは『文化苦旅』余秋雨著。中国の各地を旅するエッセイです。


余秋雨の文化苦旅―古代から現代の中国を思考する

余 秋雨/阿部出版

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ずっと積ん読してました。すみません。

でも全部読むのは大変なので一編を。

华语情结』国語コンプレックスとでも訳せばよいのかな。

中国語原書会ですから華語に関わる話はもってこいでしょう。


そもそも中国人にとって国語って何よ?

ここが問題。

地方地方で音が違う。漢字が言語の基本。

でもその漢字も簡体字が出来て分裂しちゃってる。

日本の漢字もちょっと違うしね。


今回せっかく読んだのだから備忘録として内容まとめておこう。


著者は栄華をきわめた唐朝をふりかえる。

世界の中心であった中国にはシルクロードからペルシャ人がやってきたり

日本人がやってきたり、様々な地域から多様性のある人たちが集まっていた。

その中心には華語があった。外国人たちも華語を話していた。


玄奘三蔵法師がインドから経典を持ち帰っても仏典は華語にしちゃった。


ところが明清の時代になると次第に西洋が優勢になると華語は落ちぶれてゆくのです。

科学の発展時代に成長の足かせのひとつが漢字だっていうのはずっと信じられてきた。

華語を捨てなきゃきけないんじゃないか?


近代から現代にいたると西洋化傾向はさらに強まり、現代の中国では若いエリートは外国語を知らない人の方が少なくなったと。外国語への憧れと傾倒が進みます。


確かに私が中国に仕事で行きだした90年代は国営企業のエリートでも英語はまるっきしダメでした。でも今は全く違います。若い人達ペラペラです。


親も必死になって子供に外国語を勉強させる。留学させる。はたまた移民させちゃう。親も自分が行きたいしね。

名前すらも漢字でつけなくなってしまう。

顔は中国人なのにジャクソンだとかマクスウェルだとかどうなっちゃってるのって。

捷克 、麦克斯韦尔 こうした外国語の漢字表記はしっくりこない。


中国人が作った移民国家シンガポールの例も出てきます。

シンガポールには福建や広東からの移民が多かった。

ある劇団はこんな話劇を演じてます。

時代の変化によって1代目は福建語を話し、2代目は規範華語(普通語)を話し、3代目には英語が中心になってしまった。すると世代間のコミュニケーションが難しくなり、家庭内の隔たりが大きくなり、笑い飛ばせない状況になっていると。


シンガポールは飲み水のない場所だった。そこで移民してきた華人が井戸を掘り当て、牛を引いて水を四方に運び発展していったという。その場所は牛車水と呼ばれ今はチャイナタウンとなっている。「水!」と華語で呼びかけながら地域をめぐり土地と民を潤していった。しかし今は古き良き時代はとうに忘れられ、華語によるふれあいのない殺伐とした誰もが他人である現代都市に変わってしまったと。


そんなシンガポールで出会った老人はある政治家の話をしてくれたそうだ。自分たちは英語を最も重視してきた。これがシンガポール発展のキーだった。おかげで世界有数の先進国となった。でもそれを変えなきゃいけないという。ですが今になって気づいたんです。英語がいくらうまくなっても英国人やアメリカ人にはかなわない。一方で自分たちがこれまで培い受け継いできた華語という母語文化が失われ、もうもはや取り戻せない段階になるのではないかと心配しているのです。100年後にシンガポールはまだあるのかと。そこでリーダーは華語の復活を唱えたのです。


リー・クアンユーのことですね。華語復活のためには「李光耀」と書かなくちゃいけない。昨年亡くなった彼の葬儀にはシンガポール中から弔問の列が出来て、十数時間並んでしたのです。ふだん政治に興味のなさそうな私の知人も参列したそうです。


ちなみに私も追悼本買いましたよ。

「光耀一生」

ちらりと見てみると確かに載ってますね。華語力低下への懸念が。

亡くなる直前には最大の関心事だったようです。

発展は成し遂げたけれど歴史との連続性を分断してしまう恐れを抱いていたんでしょう。

逝死前数月仍挂心双语教育
亡くなる数ヶ月前までも両言語教育が気がかりであった

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でもシンガポールのグローバル化は世界とともにどんどん進んでしまい政策の変化が趨勢を止められるのだろうか?

言葉って重要ですよね。歴史が凝縮されている。グローバル言語がブロークンイングリッシュのグロービッシュだとしてもビジネス上の会話だけなら浅薄です。そこには文化的香りがしない。そこいくと母語のある国は母語を大事にした方がよい。さらに日本語の場合は漢語文化を引き継いでいる。中国語四千年の歴史は漢字でアーカイブされています。ネットの共通語は英語かもしれないが、漢字のストックにアクセスできるのは漢語文化圏の我々だけなんです。その意味だけでも中国語を学習する価値があるよね。


そして今、現代日本の神保町の喫茶店で原書好きが集まって中国語原書を語り合ってる。まだまだ大丈夫だよ華語文化。なんかロマンチックに思えてきた。神保町って場所もいいね。漢字アナログデータが日本で一番ストックされてる場所じゃないかな?もしかして世界一?


当日参加の皆様の濃厚なオススメ本は主催者Ayumiさんがまとめてくれたのでリンク貼っておきます。

第10回中国語原書会・開催報告


ぺりおさんの強烈なご本はこちらです。

中国語で本を読むよ


おそらく語学の大天才であろう稲村文吾さんのブログはこちら。

浩澄亭日乗

ご著書ありがとう。

ぼくは漫画大王

ぼくは漫画大王

胡 傑/文藝春秋

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まずは息子に読ませて夏休み感想文宿題の題材に。


以上










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by zhuangyuan | 2016-08-11 20:18 | 学習 | Comments(0)
2014年 10月 08日

西村京太郎が描く アイヌ、沖縄と出雲を結ぶ線

西村京太郎記念館で先生のお話を聴ける機会がありました。
著作540冊以上、累計発行部数2億冊以上。
超人です。
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十津川警部トラベルミステリーで有名ですが昔は社会派ミステリーも書いていたことを知りました。
この機会を前にいくつか社会派も読んでみました。

「殺人者はオーロラを見た」(1973)
「汚染海域」(1971)

前者はマイノリティ問題、後者は公害問題を扱ってます。

「オーロラ」のほうは題名からは想像できませんがアイヌ問題を扱っています。70年代初めにどの程度のリアリティがあったのか?アイヌの青年がアイヌモシリの復活を目論み、和人から北海道を取り返そうとする。事件を追いかけるものアイヌの血をひく大学教授。

舞台は北海道から沖縄、アジアまで、時代は縄文、古代から現代まで、地球規模の気象現象まで盛り込んだスケールの大きな作品です。アイドル歌手や経営者、政治家までを巻き込んで読者サービスもOK。

私はこういうの大好き。

アイヌは日本列島の先住民だった!?
北海道のみならず沖縄まで。
その痕跡がいまでも地名に残ってるって。

東京にだってありますよ。

日暮里=ヌップリ(山の意味)
五反田=コタン(集落)
信濃町=シ ナイ ノ(大きい谷と水のある土地)

出雲は大和朝廷との戦いに破れたといわれてますが
この出雲族もアイヌだったんじゃないかと。

大国主命(オオクニヌシノミコト)はアイヌの神オオキリムイ、
アイヌ語にはオオクンネヌウシなんて言葉もあるんだって。

島根はシユマネ(岩のあるところ)
出雲はエツモイ(岬のかげの静かな海)

もうこれは間違いない。
そこにも住んでたんです。

いま、その出雲に皇族が嫁ぐ。

じゃあなんでアイヌは出雲や沖縄までわたったの?
それは氷河期があったから。
ツンドラ状態で獲物を求めて南下したって。

でもそんな昔じゃないよ。
日本書紀にもオーロラがでたって記載があるらしい。
でもって題名は「殺人者はオーロラを見た」とつながるわけです。

ミステリーですから
たくさん殺人もおこるし
アリバイトリックだって奇想天外。

若き日の西村京太郎。
熱がこもってます。
もうこれは読むしかないよね。

以上
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by zhuangyuan | 2014-10-08 21:17 | 文化、歴史 | Comments(0)
2014年 07月 14日

世界はブラジルに凝縮される

ワールドカップブラジル2014は南米大陸の新参者、ドイツの優勝で幕を閉じました。

開催地ブラジルについて
読書ブログに書きました。

汗牛充棟 読書ブログ(引っ越しました)
世界はブラジルに凝縮される
↑クリックしてね。

以上

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by zhuangyuan | 2014-07-14 07:32 | 文化、歴史 | Comments(0)
2014年 06月 28日

故宮の財宝を守れ!誰から? 

シリーズ 故宮 第1回 流転の至宝
NHKスペシャル。

北京の紫禁城に憧れて、初めて故宮に行ったときに言われました。
故宮行ってもつまんないでしょ?
中身はなんもないからね。
全部蒋介石が持ってちゃったから。
台湾にはただ逃げ込んだんだと思ってましたので、そんなお宝までたくさん運んでたとは想像を超えていました。

北京にあった財宝は台湾に渡るまえに中国各地を転々としています。日本軍から守るために。台北の故宮博物館websiteに経緯が詳しく日本語で載ってます。
故宮博物院簡史
台湾に渡る当時の激動の様子はここにも描かれています。

台湾海峡一九四九

龍 應台/白水社

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南京の埠頭。ここでは故宮の陶磁器や書画、中央博物院の文化財、中央図書館の書籍、中央研究院歴史研究所の資料と収集物が合計五千五百二十二箱、船上に積み込まれた。
殺戮と逃亡で怒涛のような混乱のなか、故宮の文物を運びだすのは、やはり歴史の後継者としての自負のせいなのか?はたまた軍資金のためか?
番組では歴史の文化物は破壊されては元に戻らないから守りぬくといった話がありました。
日本軍はともかく、文革のときに北京にあったらヤバかったかも。

美術品の奪い合いといえば、ミケランジェロプロジェクトという映画を観ました。

こちらはドイツ傀儡政権化のフランスのお話。美術品がナチスによって奪い去られている。文化まで奪われてはならないとアメリカ軍特殊部隊が送り込まれて、見事お宝を取り返す。
取り返されそうになったナチは火炎放射器で美術品焼いてたけど、これって史実なのかな?
歴史は常に勝者によって描かれますが、美術品の収集所有も常に持ってる側が正当性を主張する。大英博物館は正当なのか?
まあともかく誰が所有してようがお宝には違いない。
歴史がぎっしり詰まった財宝が日本に来ているんだから観に行かなきゃね。
特別展 台北 国立故宮博物院
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ところで国立ってどこの国?
以上



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by zhuangyuan | 2014-06-28 22:37 | 文化、歴史 | Comments(0)
2013年 01月 03日

2012年ブック ベスト10

あけましておめでとうございます。

このブログもすっかり更新が滞ってしまい
開設以来初めて一ヶ月ゼロ記事にしてしまい、とうとう広告がトップにでるようになってしまいました。

2012年のことは昨年やっとかなくてはなりませんが
なんだがばたばたしており、掃除なんかも今年に入っても引き続きやっています。

本の整理はなんとか12/31に終えました。

49冊をブックオフに持っていき、
29冊は処分に。

古い本や書き込みした本は処分。
ブックオフは思い切って新しい本も持っていったおかけで
49冊中48冊に値段がつき、過去最高額4570円也。
最近は一冊5円なんて値もあるんですね。

ちなみに年末まで買取特別週間で900円分の割引券もらっちゃいました。
400円分はすぐに使っちゃいましたけど。整理にならない。

では2012年読んだ本からベスト10を選びます。
順番は読んだ順。

ちなみに読んだ本は90冊。冊数が激減しました。
なんか頭がいつもいっぱいで余裕のない一年だったような。

舟を編む

三浦 しをん / 光文社


こちらの記事参照
辞書を作るって?

ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕 (文春文庫)

田原 総一朗 / 文藝春秋



田原総一朗おそるべし。
1980年に書いたものの復刊。
国家と政治の中で、東電の巨大さを改めて感じます。
福島は歴史の必然か?

アヘン王国潜入記 (集英社文庫)

高野 秀行 / 集英社



今をときめくミャンマーに、
誰もが入れないときに潜入しアヘン栽培までやってしまったお話。
ミャンマーの奥地で明朝の末裔がアヘン作ってる?

原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―

安冨 歩 / 明石書店


題名がうまい。広告で見て即買い。
恐ろしいほどの事務能力と邪悪な心を持つ東大学者たち?

一週間

井上 ひさし / 新潮社


こちらを参照。
まじめなことをゆかいに シベリヤ抑留

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

與那覇 潤 / 文藝春秋



中国化とはグローバル化。
漢字は世界最古にして最強のモジュール製品だって。

サクリファイス (新潮文庫)

近藤 史恵 / 新潮社


自転車レース小説。
青春、愛憎、嫉妬、サスペンス。
でも爽やか。
自転車を知らなくてもレースの醍醐味を堪能できる。

敗北を抱きしめて〈上〉―第二次大戦後の日本人

ジョン ダワー / 岩波書店


こちらを参照。
1950s 混沌と芸術

気になる部分 (白水uブックス)

岸本 佐知子 / 白水社



翻訳家の柴田元幸氏が面白い人だと著者を紹介していた。
さらに白水uブックスのエッセイが面白いと本で読んだ。
期待通りにチョー面白かった。
翻訳家の文章はわかりやすくて奥が深い。
岸本さんの翻訳も読まなくては。

ブラジル宣言 (ラテンアメリカ・シリーズ―コレクション・ブラジル)

港 千尋 / 弘文堂



骨太ブラジルガイドの翻訳。
管啓次郎氏訳。
先日「翻訳という怪物」という鼎談を聞きに行き、その中で紹介していました。

子どものころブラジルが一番行って見たい国だった。
アマゾンの探検に行きたかった。
ペレの国だし。

曽祖父はヨーロッパ視察の帰り、船を間違えたといつわり
貨物船でブラジルにわたった。
そんな逸話も憧れを強くした。

でも遠すぎて現実感がなく、いつの間にか忘れてた。
一番近づいたのはグアテマラまで行った時でした。

ブラジルの混沌雑多パワーがあふれ出してくるような文章でした。
行きたい。行きたい。

頻繁に出てくるポルトガル語も魅力的。
ひどい歴史と差別を表す言葉が邪悪なオーラを出している。

ところで国旗に書いてある文字の意味知ってます?
ORDEM E PROGRESSO  「秩序と進歩」
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ジョークでしょ?

ブラジルってのは触れて感じないとわからないんだろうな。

そういや次のワールドカップは...。

以上
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by zhuangyuan | 2013-01-03 21:46 | 中国関連DVD、本 | Comments(2)
2012年 10月 28日

今どきの少年サッカー

小3の息子を学校のサッカーチームに入れて、
昨日は初めての練習試合。

私も審判を手伝いました。
試合前に相手校のコーチさんより確認あり。
「今日は審判ライセンスをお持ちの方は何人いらっしゃいますか?」

小学校のサッカーはいつの間にこんなに本格的になっちゃたの?
東京都のリーグ戦だとライセンスを持つ審判が一緒でないと試合ができないとのこと。
キャプテン翼が小学生の時代とは隔世の感が。
ということで私も今度4級ライセンスを取得することになりました。

とはいえ私も小学4年から大学まではサッカーをやってきましたので
小学生の練習試合の主審くらいできるでしょとトライしました。

ボールがサイドラインを出るとお父さん副審のフラッグの指す方向が何度も変わるので
逡巡していると、「毅然として!」などと声をかけられてしまいました。
試合の流れに関係のない位置でもオフサイドもとってしまい、
「慣れてないからしょうがない」と慰められる始末。

それにしても相手チームの審判はかっこよかった。
ウェアもシューズも時計も本格的。
笛の吹き方、ジャッジのポーズも決まってた。
毅然としてる。

今は得点が入っても笛を吹かないんですね。
見ててすごく違和感がありましたが家に帰って調べてみると
今は吹かないルールになっているそうです。
細かいルールもいろいろ変わっているみたい。
もう一度勉強しないと。

肝心の試合はというと6年生が一人しかいないこちらのぼろ負け。
結果はしょうがないとしても、ちょっと元気がなさすぎる。

声が全然出てない。
抜かれても追いかけない。
バックラインの押し上げがない。
などなど。

試合中は黙っていられず、昭和風に外から声をかけ続けました。

ところがハーフタイムも試合がおわっても指導なし。
監督コーチを差し置いて、アレコレというわけにもいかず、選手に声かけするにとどめました。

ただ試合後、応援にきて、茶色い声援をおくっていた昭和育ちのお母さん軍団からは
「お父さん達が気合いを入れてあげてください」と声をかけられました。

でもそんこと言っても相手は平成のしかも20年代の子供達。
厳しく言ったらすぐやめちゃいそう。
会社の若手だって軟弱すぎてすぐ凹んじゃうんですから。
褒めながらシャキッとさせる。難しそう。

とりあえず現代のサッカー動向と指導のイロハでも学ぼうかなと
Amazonで書籍を購入。

サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法 (edu book)

池上 正 / 小学館



サッカーを100倍楽しむための審判入門

松崎 康弘 / 講談社



サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本

西部 謙司 / 毎日コミュニケーションズ



ジュニアサッカー―小学生の練習メニュー

横浜マリノス / 池田書店



以上
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by zhuangyuan | 2012-10-28 20:09 | 生活 | Comments(6)
2012年 09月 17日

スペイン領サハラってどこ?

中国語早朝学習会を続けていますが
今読んでいるのは「撒哈拉的故事」(三毛著)

大陸生まれの台湾人女性三毛(sanmao)とその旦那ホセ(スペイン人)が
サハラで暮らすハチャメチャ生活を描いたものです。
1970年代の話です。

中国語の勉強にサハラの話を読んでもしょうがないかなと
ずっと前に紹介されてからよんでいませんでしたが
これがチョー面白い。

奔放な三毛と純粋一途なホセとの異国の地でのドタバタが次から次へと繰り広げられる。
そこにさすが小説家三毛がインテリとして中国歴史の小話をさらっといれてくる。
この夫婦どちらも魅力的。

今度出てきたのは当時の時事ネタ。

サハラにいるうちに運転免許を取ろうとする話に出てきます。
サハラで免許を取るのは天国へいくより難しいとされ
そこへ至る道が「天国への階段」と呼ばれています。

在摩洛哥国王哈珊来,"西属撒哈拉"喝茶以前,我得把这个天梯爬到顶,现在我爬到了。
"魔王"还没有来。

(モロッコ国王ハッサンがスペイン領サハラにやって来てお茶を飲む前に、
私はこの天国への階段を登り切らなくてはならず、今それができたのです。)

当時、三毛たちが暮らしていたのはスペイン領サハラで運転免許は
スペインの法律に基づいて発行されます。
なぜモロッコ王ハッサンがくる前に免許を取らなきゃならないの?

ちょっと調べてみました。
まずびっくりしたのはこのスペイン領サハラは現在西サハラと呼ばれていますが
未だに帰属がはっきりしていないのです。
スペインは早々に領有権を放棄してますが、
モロッコと亡命政権サハラ・アラブ民主共和国がお互い領有権を主張していると。

確かに家の風呂に貼ってある子ども用世界地図を見ても
西サハラ部分は、サハリンと同じく、白く塗ってあり、国名がない。
全然知らなかった。

さて、時代を三毛の頃に戻すと
当時はスペイン領有時代の末期であったことがわかります。
領有は1844-1975まででありスペイン帝国最後の植民地とされます。
フランコ将軍が亡くなるまで続いた。

ではハッサンとは何者?
モロッコ国王ハッサン二世。独裁的で二回も暗殺未遂されたっていうから
相当なツワモノでしょう。
国内の不満をそらそうとしたのか知りませんが
歴史的にみた西サハラの領有を主張しスペインにプレッシャーをかけています。

そしてこの後一世一代の大仕事をするのです。
緑の行進。
モロッコの非武装民間人を35万人も集めて、西サハラまで行進させたのです。
撃てるものなら撃ってみろと。
空軍機で護衛したと言いますが独裁者でないと思いつきません、こんなこと。
35万人は当時の西サハラ住民より多かったと。
サハラ・アラブ民主共和国
恐ろしい人です。でもこれもあってスペインは撤退。


三毛が自動車学校に通ってた当時は、スペイン領時代の末期で
当時はモロッコだけでなく国連からも圧力がかかり、撤退はすぐそこって感じだったんでしょう。
そうなると早く免許とっておかないと苦労は水の泡。
免許証が無効になるだけでなく、そこにもいられなくなるでしょうから。

でもこの小説はそんな国際関係の緊張を感じさせないおおらかな二人と
現地人サハラウィ人との素朴で粗野な触れ合いせめぎ合いを描いてて楽しいです。
大陸系台湾人の三毛ですから台湾問題も意識しながら、あえて国際政治を外におきつつ
人々の生活に焦点をおいて、シニカルに国のエゴを批判してるのかも。

ちなみにスペイン人ホセはリン鉱石の採掘会社に勤めてます。
おそらく西サハラをみんなで取り合うのはこの利権が目当てでしょう。
でも石油じゃなくてリン鉱石ってとことが中途半端で未だに雌雄を決しないのでしょう。

以上
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by zhuangyuan | 2012-09-17 17:34 | 中文練習 | Comments(0)
2012年 05月 20日

まじめなことをゆかいに シベリヤ抑留

一週間

井上 ひさし / 新潮社



井上ひさしの没後に出た本。
シベリヤ抑留のお話です。

帯には「吉里吉里人」に比肩する面白さとありますが、
いくら井上ひさしの本でも捕虜収容所での一週間なんかを書いた本ですので
暗くて重いんだろうと、読み始めるのを逡巡してました。

いやいやどうして、やっぱり面白い。
氏のお言葉通りです。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことはあくまでもゆかいに」


元共産党員の主人公のおちゃらけ度合いがいい。
極寒のシベリヤが少し和らぐような。

それにしても日本軍ってのはどうしようもない。
捕虜の強制労働はソ連建設に利用されるわけですが
関東軍参謀は日本兵の使役を申し出たとか。

「内地における食料事情および思想経済事情を考えるならば....」

とんでもない。

中国本土でも軍隊をそのままあげちゃったってのがありましたが
軍人幹部は下級兵士のことなんてなんとも思ってない。

さらにひどいのは楽土を求めて渡ってきた庶民たち。

劣勢になったって最後は最強軍団関東軍が守ってくれると思いきや。
敗戦間際には、満州を捨てて朝鮮を守れってことになったと。

そこで関東軍司令部の高級軍人は家族を逃がし
さらには全満州の軍人家族、満鉄幹部家族、大使館関係を輸送避難させる。
一般庶民には手が届かず。

私の祖母も全満州に散らばる軍人家族に当たったから
私がこの世にいるのであまり言えませんが。

そうと知ってみると知り合いで満州帰りの家族というのも
満鉄幹部だったり、高級軍人だったり。
これって偶然?必然?そういう人しか帰りついていないのかな?

こんなこと書いてますと
ほんとに面白いのかしらといぶかるむきもあるかもしれませんが
ご安心ください。かなり笑えますこの小説。

奇想天外な展開で
最後の皇帝溥儀なんかも出てきちゃいます。
溥儀が編纂させたという満州の民謡集も面白い。


以上

こちらもどうぞ。

天才 井上ひさし
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by zhuangyuan | 2012-05-20 21:56 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)
2012年 04月 30日

ものの値段 辞書を買う

小学校三年生の息子が辞書を買ってくれと言う。
学校の授業で使うとのこと。
使うというより引き方を習うようです。

「家にあるものを持って行きなさい」というと
「広辞苑がいい!」と

なんでも、でかい辞書をもっていって学校で自慢したいからだそうです。
ランドセルに入らないとおもいますけど。

そこで家にある国語辞典をチェックしてみると
一つはこれ。

例解学習国語辞典 ドラえもん版

金田一 京助 / 小学館



もう一つは新明解国語辞典。
これは私が学生時に使っていたもの。

奥付をチェックするとなんと1982年12月印刷のもの。
おそらく中学校入学(1983)にもらったものでしょう。
つまり私は中学入学以来一度も国語辞典を買わなかったわけです。

じゃあまあこれを機会に広辞苑を買うとするかと決心。

広辞苑 第六版 (普通版)

新村 出 / 岩波書店



子供用に8400円は高い。
しかも必ず乱暴に使われるし落書きもされる。
それならいつものブックオフで。

ということでブックオフ行脚を始めました。

一番近くの店舗では第六版が4000円。
ブックオフでこの価格は高すぎ。
しかも半額という安易な価格設定が駄目。
パス。

次の店舗。
第四版が3250円。1994年物。
これはバカにしてる価格設定。
しかも表紙が少し痛んでる。
仕入れは100円とかにしてんだろうな。

本は買った時点で減価される。
本の価値=内容+装丁は原価に占める割合は半分以下といいます。
あとは書店の利益と流通費など。

ですから古本屋に売ると安くなる。
でも売ってる値段は結構高い。
売れ残りリスク代かな?

今回の目標購入価格は1500円。
ということでさらにいくつか回りついに候補が見つかりました。

第五版 800円 表紙に痛みあり。
第五版 1900円 かなりキレイ。
第四版 100円 痛みあり。

第四版は前の店舗で3250円だったのと同じ1994年もの。
まずこの店舗の良心的な価格設定を評価。

でもこの一冊しかなかったら恐らくもっと高く設定するんだろうな。
ほかに選択肢があるとかなり見劣りする。

第五版は1998年もの。
古いことは古い。
はじめの店で第六版の価格が高かった意味がやっとわかった。

どうせ汚くされるのだから安いほうを買おうかなとつつも逡巡。
キレイなほうは、本屋の発注用のしおり(スリップというらしい)も入っており
おそらく誰も使ってない。

まあその差1100円なら気持ちよさに一票ってことで
結局1900円ものをゲットしました。
目標の1500円はオーバーしましたが選択肢をたくさん示されると
ついどれかを選びたくなる。これは心理ですね。


そこでふとiPhoneを見る。
「鍵を忘れたので外で待ってます。」という妻からの恐ろしいメール。
すでに15分たっています。
折り返しメールをしようとすると
今度は着信が。

「メール見た?」
「すみません。すぐ帰ります。子供用に広辞苑買ってました。」

買い物から先に帰った私はついついブックオフ詣でをしてしまいました。
あと二冊、自分用に買ったのは内緒。

家の前でお待たせしたのは計40分。
まあ許容範囲かな?

以上
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by zhuangyuan | 2012-04-30 11:20 | 言葉 | Comments(2)