中華 状元への道

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2016年 02月 21日

「火の山のマリア」 火山灰と資本主義の果て

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グアテマラ映画「火の山のマリア」鑑賞@岩波ホール

ずいぶん前に予告を観て以来楽しみにしていました。というのも私は24年前にグアテマラに行ったことがあるからです。ロスからカミオン(バス)でメキシコを経由してはるばるグアテマラへ。先住民の衣装が色とりどりで印象に残っています。ただ当時、民族によっては写真は魂を抜き取ってしまうと信じられカメラを向けない方がよいとアドバイスされていました。私はバックパッカーでしたのでカメラを持ち歩くと、保管や防犯などが気になるため、あまり写真は撮らない主義でした。それでも民族ごとに違う衣装が興味深く、記念に残したいと何枚かの写真を撮りました。しかし民族の呪いか、その後バックパックを失いました。フィルムを取り戻したく1日かけた捜索でなんとか取り戻したのですが、帰国後に現像すると全て真っ黒でした。というわけで写真はなし。民族衣装は買って帰りましたけどね。
写真は岩波ホール陳列のもの。
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映画の舞台は荒涼な火山地帯。主人公は先住民の若い娘。両親は小作農で痩せた土地を耕します。収穫をあげないと土地を接収されてしまう。娘は年上の地主に嫁入りを控えているのです。しかし若い娘は別の若者が気になっている。

火山信仰を持つ家族は、わずかではあるものの大地の恵みに感謝を欠かさない。しかし一方では世界を覆う資本主義の影が足元に迫まり、自らの貧しさにも気づいている。山に祈りは捧げるが、日々の暮らしの理不尽にも思いが至る。母親は日々の生活をたくましく切り盛りしているが、父親は地主を介して経済に組み込まれている。そして打算なのか娘を嫁がせる段取りをしている。文明と信仰の間。山の神を信じたいが貧しい生活にこころがゆれる。

大量生産経済は火山灰に覆われた僻地にまで到達している。井戸の水を浄化させるため薬品を投入し、農地の蛇を駆除するために農薬をまく、それがことごとく効果が見えない。これは地主から買ってるんでしょうね。農協みたいに。へたすりゃ借金して。資本主義の末端。弱いものへのしわ寄せ。地主も人は良さげだが、大きなシステムに巻き込まれているからか、弱さゆえの、受動的邪悪さが垣間見られる。地主と小作人家族を分かつものそれは、政府の言語としてのスペイン語。家族は全く解さない。

マリアが気になっている若者はアメリカに行くことを決めている。今は土地でコーヒー摘みをしている。マリアもアメリカに憧れを抱いている。火山の向こうにある別世界。差別や辛い生活があるとは分かりつつも、その先にあるであろう物質的豊かさ。彼女がほしいのは彼なのかアメリカなのか?山岳民族からみれば遥か彼方であるものの、すぐそばまで来ているんですよね。村にもアメリカ経験者もいるし、車も、薬もおそらくアメリカ。遠くでいながら近い。でも遠い。

コーヒー摘みの若者たちは街から来ている買い付け業者に、収穫物を重量売りする。バーで前借りしていて報酬をえられない若物がいる。低賃金で酷使するだけでなく、お酒でもふんだくる。抵抗する若者はコーヒーに水を含ませて重くするがあえなく発覚。でもこのちょろまかしは行き詰まった資本主義を暗示しています。

圧倒的かつ荘厳な火山風景と神秘的な民族生活を描写しつつ、現実の生活の苦しさとそこに絡んでくるグローバル経済。ドキュメンタリー的なタッチだがあっとおどろく物語も組み込まれています。

もっとたくさん書きたいけどネタバレになるのでやめときます。
旅好き語学好きのみなさまにおすすめします。

以上

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by zhuangyuan | 2016-02-21 23:02 | 映画 | Comments(0)
2016年 02月 14日

マレーの正月料理 魚生(Yusheng)食べて財宝ガッポガッポ

魚生(yusheng)って知ってる?
またの名を捞鱼生(laoyusheng)=生魚を混ぜるの意味

マレー半島のみに伝わる中国福建由来の正月料理。といっても旧正月ですが。春節のことね。

縁起物で年末年始にみんなで集まってワイワイ食べるんです。
出張が忘年会シーズンに重なり、わたしも初めて体験しました。

「今日はChinese New Year スペシャルメニューだよ」ってことで初めの一品がこれ。
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名前のごとく生魚が主役で赤、白、緑の野菜や薬味がわきを固める。

私が食べたのは生といってもスモークサーモン。
以前は白身の刺身が多かったそうですが、ピンクのほうが華やかだとか
刺身は衛生上問題ありとかでサーモンが主流のようです。

サーブされるとみんなそろって立ち上がり長〜い箸で持って
かき混ぜるんです。高くかかげながら

ローヘイ、ローヘーイ

と掛け声あげながら、
ローヘイとは漢字で書くと捞起(まぜ始めよう)。普通語だとLaoqiと読みますが
この読みは広東語か、福建語か?

こんな感じで。


このマゼマゼもなかなか楽しいのですが
材料やら調味料のかけ方なんかに一つ一つ意味があって興味深いんです。
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私が外国人ということもあり
ウェイトレスさんがお作法ごとに普通語で説明してくれました。
めでたい成語のオンパレードで中文学習にはもってこい。

とはいいつつも全部聞き取れないし覚えきれないので帰って検索してみた。
日本語でも中国語でもなかなか見つけられない。

Wikipedia英語版の説明が一番充実してた。
ちょっと抜粋、編集、超訳します。

*まずテーブルに魚生を持ってくるときにいいます。

恭喜发财 万事如意 (Gong Xi Fa Cai) (Wan Shi Ru Yi)

いっぱいお金もうけて、すべてがうまくいきますように


*魚をサーブするときには

年年有余 (Nian Nian You Yu)

一年間ゆたかでありますように

『余」の字と魚生の「魚」が同じ音なんです。


*ライムを搾りながら

大吉大利 (Da Ji Da Li)

ラッキーで順調でありますように


*コショウをかけるのは

招财进宝 (Zhao Cai Jin Bao)

お宝きたれ!


*オイルをたらしまわす

一本万利 Yi Ben Wan Li

利益一万倍って感じかな?


*にんじん (红萝卜)

鸿运当头 (Hong Yun Dang Tou)

幸運がそこまで来てますよ!

これも鸿と紅が同じ音


*刻んだ大根の葉

青春常驻 (Qing Chun Chang Zhu)

永遠の若さ


*甘いソース

甜甜蜜蜜 (Tian Tian Mi Mi)

ラブ&スイートライフ


*最後にクリスピーをふりかける

满地黄金 (Man Di Huang Jin)

いたるところに黄金がいっぱい


どうです?

読んでるだけでも金持ちになれそうな気がしたでしょ。

私は今年、三回もこんな宴会に参加させてもらいましたので

今年はガッポガッポ間違いなし。


マレーシアやシンガポールビジネスマンというか金持ち商売人は毎夜毎夜こんな宴会を楽しみ

来る新年の繁栄を願っているんです。


シンガポールの若いオーナー社長は去年の正月にこの魚生Youshengパーティーに21回も参加したんだそうです。どうりでお金持ちなわけです。


以上







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by zhuangyuan | 2016-02-14 10:43 | | Comments(0)
2016年 02月 09日

新年に歌おう 金持ちの唄

銀座の街を歩いていると聞こえて来るのは中国語ばかり。迎える方もラオックスにユニクロなんかで銀座の品格なんてのはどへやら爆買いのみが目当てって感じです。

先週マレーシアに行ってましたが中国人の街ペナンにも寄りました。そこで訪れたのはプラナカン・マンション。
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プラナカンとははるか昔、明の時代あたりに大陸から渡ってきてマレーの嫁を娶りマレー化した人々を指します。

その旧家を観光客に開放しています。旧正月前ということもありド派手。どのへんがマレー化してるのかよくわからない。
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とにかく金ぴか。食器だとか壺だとかを世界中で、というかヨーロッパから買いあさってこれでもかってほど並べてる。正直私のメンタリティーには合いません。
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まさに爆買いそのものです。
逆に言うとそのくらいしか金の使い道がない。
希少性なんてどうでもいい。多ければ多いほどいい。全部もってこーいって感じ。こんなに独り占めしちゃあ反感買っちゃうよ。でもね華人の金持ちにとっちゃあ成功者で誇らしい。ペナンに来たのだから是非訪問すべきだとゲキ押し。確かに面白い。趣味じゃないけどね。

旧正月ムードはどこでも金キラと真っ赤で飾られてますが軽快な音楽も流れてる。シンガポールで車で移動中に流れて来た歌に笑いが止まらない。

その名も「財神到」財神到
(金持ちの神さまが来たよー!)
http://youtu.be/y-BLwi5Xid0

财神到 财神到 财神来到我家的大门口
金持ち神さまが来たぞ〜 うちの玄関にも

迎财神 接财神 把财神接到我家里头
お迎えしよー 金持ち神さまをウチにお迎えしよー

从今我交好运 财源滚滚来
今日から運がめぐってきて カネがグングン入ってくる

做生意他一本万利 买马票他得心应手
商売やれば大繁盛 馬券を買えば大当たり

万事都东成西就 财神到 财神到
すべてがうまくいっちゃうよ 金持ち神さま来たれ

大家迎接财神到
みんなでお迎えするぞ〜!



華人のカネ崇拝にはあっぱれ
あからさますぎてむしろ気持ちいい。
この精神が共産中国ではながいこと押し込められてたんですから昨今の銀座の様子もむべなるかなと納得できるのです。
文革時に人民服きて地下でこっそり「財神到」を歌ってる隠れ金持ちを想像したら笑えてきた。
以上


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by zhuangyuan | 2016-02-09 06:59 | 文化、歴史 | Comments(0)