<   2011年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧


2011年 02月 27日

中国A、中国B

先日、ジャーナリスト富坂聰氏の「中国の現実」と題する講演を聴きました。

中国は経済絶好調ですが
格差はますます広がっているといいます。

リーマン後の世界危機を救うべく史上空前の4兆元公共投資を行った後
さらに助長されたと。

投資のほとんどが国営企業にまわった。
国営企業とその周辺はガッポガッポだが
民営企業は苦しんでいる。

国進民退。

王朝経済といっしょだといいます。
官僚をひとり出せば一族が潤う。

国営企業に群がる利益集団は濡れ手に粟状態。
いっぽう民間企業は労働者は塗炭の苦しみ。

まるで中国が二つ存在するようだと。
中国Aと中国B。

この実態を富坂氏の著書でみてみましょう。

中国の地下経済 (文春新書)

富坂 聰 / 文藝春秋



中国の官僚は表の給料はたいしたことはありませんが
裏の収入はすごい。

灰色収入という。

権限にむらがる人たちからの贈り物。
昇進や記念日、家族の誕生日、お祝いなどなど。

民間人からも地方官僚からも。

官僚のポジションごとにどのくらい灰色収入が見込めるかも
わかっており、それを地位の含金量というんですって。

そういえば中国語先生も言ってた。
中国は暮らしにくいと。
会社の上司にお金を払わなくてはいけないと。
上にひっぱってもらうためにはプレゼント攻勢が必要だと。

会社員すらこれですからましては官僚なんていわずもがな。

プレゼントだってもらいすぎたら価値がないとおもわれがち。
でもそうじゃない。
換金出来るんです。

回収煙酒なんてところがあって
日本のパチンコ交換所みたいに現金と換えてくれるそうです。

酒、タバコ、プリペイドカード...
何でも現金になる。

こんなおいしいことはない。
とするとみんな権限のある地位につきたがる。
ということで中国就職人気ナンバーワンは税務署ですって。
凄い権限ありますからね。

灰色収入全国に蔓延していてが統計に出てこない。
地下経済ならぬ第二経済といってもよいほどの大きな規模だとか。

中国は得体がしれない。

でもふと思った。
日本の官僚もそうかも。
ハイウェイカードなんか出回ったことあったな...。
公然でないとこが逆にきたない。


以上
[PR]

by zhuangyuan | 2011-02-27 22:14 | 時事 | Comments(0)
2011年 02月 19日

ソーシャルメディアの力 中国誘拐事件解決

PodcastでアメリカのNPR(National Public Radio)を聴いていますが
2/11付けのニュースは中国からの衝撃でした。

誘拐された子どもを中国版twitter(微博)で見つけ出したのです。
In China, Dad Uses Social Media To Find Missing Boy(中国発、父親がソーシャルメディアで行方不明の息子を探し出した)

三年前当時三歳だった息子を誘拐された父親はいろんな手をつくして探しますが
なかなか見つからない。そこでネットに目を付けた。

He blogged and he flooded weibo — the Chinese equivalent of Twitter — with his son's photo. Journalist Deng Fei from Phoenix Weekly, who has 100,000 followers on weibo, helped in his search.

彼はブログに息子の写真をアップし、中国版twitter微博に写真を流し続けた。
それを10万人のフォロワーを持つ鳳凰週刊のジャーナリスト邓飞が手伝った。


三年後に見つかるなんて奇跡に近い。
子どもの顔が非常に特徴的だったのがよかったとか。

ただ子どもの三年は長い。
自分の本当の名前は覚えておらず
誘拐した男の息子として育てられていたと。
男は既になくなっていた。

この誘拐事件、誘拐されるところまで映像が残っているのです。
犯人がどうどうと子供を抱きかかえて走り去る映像。
周りは無関心。

そこまでいくと胡散臭いですが見てみましょう。
誘拐のその時から見つかる時までの動画がありました。


视频:儿子被拐 彭高峰寻子3年终有果
(視聴:息子誘拐 彭高峰息子を探して3年の末のにやっと)

twitterにいたるまで様々な活動をしてたんですね。

この活動をサポートしてた邓飞さんが誘拐を語った記事もありました。
这次微博寻童,我们赢了(行方不明児探し、Twitterで勝った)

誘拐後の2008年から捜索活動をはじめ、それが影響して公安も動いた。

2009年には一斉捜査に出た。
2009年4月,公安部宣布启动第五次打拐专项行动,投入更大力量来打击儿童拐卖,后来延至2010年。行动以来,全国破获拐卖妇女案件6574起,拐卖儿童案件4595起,打掉2757个犯罪团伙,.....

2009年4月、公安部が第五次打倒誘拐行動を宣言し、更なる人員で誘拐犯、人身売買犯を追い2010年まで続けた。それいらい婦女誘拐売買事件6574件、児童誘拐売買事件4595件、犯罪組織2757グループを壊滅....


公安もすごいがこの犯罪件数尋常じゃない。
交通安全週間のスピード違反じゃないですよ。
誘拐と人身売買。

おそろしすぎる。

こうした色んな活動があった末に
最後にソーシャルメディアが解決の最後の糸口を開いたのです。

今回の事件でさらに関心が高まり、ネットの力による解決事件が増えるでしょう。


欧米メディアにとってみたら中国でソーシャルネットの力が再認識されて
さらに強まるこの件は、中東北アフリカの政権打倒のこのタイミングで
ぜひ報道しておきたい絶好のネタになりました。


以上
[PR]

by zhuangyuan | 2011-02-19 18:02 | 時事 | Comments(0)
2011年 02月 13日

白川静の想像力

白川静 漢字の世界観 (平凡社新書)

松岡 正剛 / 平凡社



知の巨人がさらなる知の巨人を描く。

【口】の付く漢字は多いですが
口ってのは口の形から来てるわけでなく
祝詞を入れる箱なんだそうです。

そこからどんどん漢字が生まれてゆく。
言、告、吉、占...。

白川さんの想像力ってのは半端ない。

甲骨文字をひたすらに写してなぞって思いをめぐらす。
超人には降りてくるのです。

その超人のような想像力は万葉集の解読にも及びます。

東(ひむかし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えて かへり見すれば月かたぶきぬ


柿本人麻呂の「安騎野の冬猟歌」の一首

後の文武天皇である軽皇子と旅したときのこと。

暁に東の空に朝日が燃え立つように昇ったころ
振り返ってみるともう月が沈みかけている。

このシチュエーションにいたる物語を想像するのです。

持統天皇は天武の妃であったが、夫である天武天皇の世を次ぐべく
草壁皇子を皇太子に立てたが天武崩御後、急逝してしまう。

持統天皇は草壁皇子の子である軽皇子に皇統を継がせるべく画策したと。

それが柿本人麻呂をともなった安騎野行き。

「天皇霊の継承と受霊」のためだそうです。
数ある皇位継承権者のうちで選ばれるのは正統性が必要。

安騎野は古代特別な結界であり
曙光がさすときに月がたかむく払暁を狙ってそこに赴いた。

天文台による調査でその日がまさにそれにあたると。
しかも古代祭事が行われた冬至であったといいます。

簡単な短歌のなかに
古代の王権受霊の物語を読み込んでしまう。

松岡正剛氏もびっくりの想像力です。

以上
[PR]

by zhuangyuan | 2011-02-13 22:24 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)
2011年 02月 05日

蟻族と鼠族と黒灯

先日、元東大学長、小宮山宏氏の講演を聞きました。

今、日本が内需不足に苦しんでいるのは人工物が飽和しているからだといいます。

車でも家でも家電でもある程度行き渡ると飽和して
その時期を過ぎると買い替え需要しかなくなる。

車でいうと二人に一台持ったら飽和。
アメリカもイギリスも日本もみんな同じだと。

家でいうと世帯数で終わり
日本だったら5000世帯だから5,000戸で飽和。
後は買い替えということは
家の耐久年数が50年だとすれば5000戸÷50年=100。
つまり一年で100戸しか売れない。

そこで企業は飽和してない新興国へ市場を求めてゆくわけです。
小宮山先生の話はここから課題先進国としての明るい未来を描いてくれるのですが
私はそんな話を聴きながら、飽和国家日本とはちがい
元気すぎて問題の中国でのマンション投機の話を思い出しました。

中国は飽和に至っていないばかりか
先高を狙った投機マネーが不動産市場に流れ込んでいるので
市場が高騰して止まりません。
政府が何度も規制しようと政策を出しますが勢いは止まらない。

先週、中国語教室で雑誌記事を紹介してもらいました。
网上流行“晒黑灯”(ネットで流行、『真っ暗』を暴きだせ)

見出しを見るだけではなんこっちゃ?って感じですよね。

空室のマンションを見つけて
明かりのつかない夜のマンション写真を公開することが流行っているそうです。

つまり投機用に買って誰も住んでいないマンションを見つけ出し
そんなマンションを開発する不動産会社を非難しようってこと。

中国の不動産バブルは住むためのものではない。
買ったらすぐ転売。建ってもいないうちからどんどん転売。
そもそも住む気なんかないんですから。
でもってどんどん高騰して庶民はまったく手がとどかない。

“中国到底有多少套房子卖了没人住?”
中国ではいったいどれだけのマンションが売れても誰も住まないでいるのか?


電力網会社が電力メーターをチェックしたところ
6540万室が6ヶ月連続で電力使用なしだったそうです。

なんと二億人が住めるスペースが空いたまま。
投機用でほおっておかれているのです。


でもそんなものを写真撮ってネットにアップしたってなんの意味があるかなと思い
中国語の先生に尋ねてみました。

「そんなもの投資した強欲な金持ちがいずれ暴落して損するだけなんですから
ほっておけばいいじゃないですか?」

「そうじゃないんです。住むところがなくて困っている大勢の人がいるのに
投機用住宅がたくさん空室のままになっているのが問題なんです。」

日本でも話題になった蟻族。
大都市郊外に学卒で職のない集団生活者。
アパートの一室に集団で住んでいます。

それに続いて出てきたのは鼠族。
地下に住んでいるのです。

首都北京不断上涨的房租迫使越来越多的人像张和坤一样——像老鼠一样生活在居民楼地下防空洞改造的狭小得像盒子一样的房间里。中国媒体称他们为“鼠族”。

首都北京では家賃が高騰し益々多くの人が张和坤のように鼠のように生活している。
団地の地下防空壕を改造した狭隘な箱のような部屋に住んでいるのです。
中国メディアは彼らを鼠族と呼んでいます。


そんな人たちは北京で100万人、郊外も合わせると450万人いると載ってます。

中国大城市高房租催生“鼠族”


中国の数字は何でもでかすぎて実感がわかない。
でもあの国土や13億の人口ってのが頭にあるとなんかありそうに思えてくる。

白髪三千丈の世界かな。

投機をしてる金持ちたちも空き家がいくらあったって13億って数字があると
いつか売れるでしょっておもっちゃうんだろな。

金持ちはとんでもなく金持ち
でもそのすぐ周りには貧者がうごめく。

こんな状況を杜甫が詠んでると。

朱门酒肉臭,路有冻死骨


【解释】:富贵人家酒肉多得吃不完而腐臭,穷人门却在街头因冻饿而死。形容贫富悬殊的社会现象。

(金持ちの家では食べきれないほどの酒や肉が腐臭を放っているが
貧乏人は路上で食べ物がなく凍死している。貧富の格差を表現している。)

中国語の世界は深い。
こんな言葉をすぐ思いつくようになりたいものです。

以上
[PR]

by zhuangyuan | 2011-02-05 18:05 | 時事 | Comments(0)