中華 状元への道

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2010年 07月 25日

かわいそうな皇帝ちゃん

先日、小一の息子を図書館につれていき
貸し出しカードを作りました。

借りてきたのは
「中国の歴史 4 隋・唐帝国と長安の繁栄」
まんがです。
表紙の絵で選びました。

息子はまだ漫画がよめません。
振り仮名がふってあるのですが内容は小一にはちょっとむずかしいかも。

読んでくれとせがまれるので
難しい表現ははしょってよんでやりました。

意外に気に入ったようで名前もよく覚えて感情移入しています。

「ヨウダイ(煬帝)は悪ものだよね! 李世民はいいもの?」

それもそのはず,隋の二代目皇帝、煬帝の書かれようは
悪物そのもの。

初代皇帝、文帝の次男であるから初めは皇太子ではなかった。
父を騙して兄の皇太子が謀反をおこなしたとし追放。

その後、病床の父を側近をそそのかして殺害。

皇帝になるも
運河の建設や高句麗遠征などで民を疲弊させ
反乱がおこり、国は滅亡。

これだけですよ。
わるものですよね。

この書かれようはかわいそう。

この父親を殺したってのが最大の悪事だと思われますが
これはもしかしたら嘘かもしれないそうです。

こんな本があります。

しくじった皇帝たち (ちくま文庫)

高島 俊男 / 筑摩書房



中国歴史おたくの高島さんは嘘であるとおもってます。

まず正史である隋書にある文帝紀(先代皇帝)、煬帝紀にも煬帝が殺したなんて書いてないそうです。

でも周囲の人たちの列伝にはあやしいことがいっぱい書いてある。
たとえば死に際を迎えた文帝を見舞う最中に煬帝が父の後宮の女に手をだしたとか。

悪いことはいっぱい書いてあるが父を殺害したとは直接書いてない。

それに記載には矛盾点がいっぱい。
くわしくは本書をごらんください。

高島氏いわく
正史というものは後の時代の王朝で書かれることになるため
直前の王朝は正統性がなくなった滅びたことを強調しなくてはなりません。

長く続いた帝国の場合、初代から数代はヒーローとして描かれ
国が衰退して亡国にいたるときの皇帝は悪し様に描かれる。

隋は短すぎた。581年ー618年。
しかも煬帝は亡国の皇帝ですから
巷間ではあることないこと悪口だらけ
そんななかには作り話だっていっぱいある。

でもどれがほんとかなんてわからない。
今みたいにtwitterで生中継なんてあるわけないし。

そんな作り話がいくつも正史に紛れ込んじゃっているというのです。

中国を統一し、南北に結ぶ大運河まで建設したのに
父親ごろしの悪逆皇帝ってだけじゃあまりにかわいそう。

歴史ってのは結局フィクションなんでしょうね。
今を正統化するための。

でもそれが書いたもので残っちゃうからややこしい。

1400年もたってから

字もすらすら読めない小学校一年生に

「わるもの」の一言で片付けられてしまう。

かわいそうな煬帝さん。

以上
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by zhuangyuan | 2010-07-25 15:53 | 文化、歴史 | Comments(4)
2010年 07月 22日

ネットde読書会 狼图腾 第二十五章


ネットde読書会
私の二回目が回ってまいりました。
さっそくはじめたいとおもいます。

25章です。

【あらすじ】

狼の子を飼っている陈阵のもとへ馬飼いをしている张继原が
狼にやられて死にかけた子馬をもってやってくる。

そこですっかり馬飼いらしくなった知青仲間から
馬飼いの仕事の厳しさを聞く。

二人は話し込んでゆく。
狼たちの生態と馬たちの関係、
自然生態系のなかで均衡を保つ動物たち、
現代人間の矛盾、
歴史変遷への思索などなど思いはかけめぐる。

【見どころ】

*わずか二年の経験ですっかり本物の馬飼いらしくなった张继原の一言。

赶紧把马驹杀了吧

「早く子馬を殺しちゃいなよ!」

狼にやられた無残な姿のか細い子馬を担いで
やってきたのですがもう死期が近いことを知りつつ言いました。

「早くしないと血がたまってまずくなっちゃうよ」

都会の子どもの甘さはすっかりぬけて自然をしる男になってます。


*子馬をさばくところを見た子ども狼の野生

馋得狼眼射出凶光

貪欲な狼の眼がまがまがしく光を発した。

たとえ鎖につながれて飼われていようとも野性がキラリとひかる。



*チンギスハンのモンゴル軍がなぜ強かった?

蒙古马多,可以用伤马当军粮

モンゴル馬は多いので傷ついた馬は食糧となった。

のどが渇けば馬の血をすすり
腹がすいたら馬を食う。

ワイルドです。



*狼はどうやって馬を捕まえるのか?

从远处看那晃动的狼腿狼爪,像野兔的长耳朵

遠くから見ると揺れる狼の手足は、ウサギちゃんの長い耳のよう。

ずるい狼は草むらにあお向けになり身を隠し
手足だけ草から出して揺らすそうです。

興味をもった子馬ちゃんが上までくると
下からのど元めがけてガブっと。

ああおそろしい。



*どんだけ狼に食われるの?

去年下了110多匹马驹子。到今年夏天,只剩下40多匹了,有70多匹马驹被狼咬死或吃掉。

去年110数匹をはなした。夏まで残ったのはたった40数匹。70数匹は狼にかみ殺されるか食べられた。

想像を超えてる。



*ひと度自然のバランスが崩れると...

狼没了,蒙古马没人要了,内蒙大草原黄沙滚滚了,牛羊饿死了,咱们也可以回北京了……

狼がいなくなると、モンゴル馬の価値がなくなり、モンゴル草原は砂漠化し、
牛や羊は飢え、我々も北京に帰れる...

増えすぎた人口を養うため上層部は収穫、収穫とさけび
馬を育てるのに邪魔な狼を退治しようとする。

すると狼という脅威のなくなったモンゴル馬は鍛えられなくなり
価値がなくなり売れない。

でも牧草は食いまくって砂漠化を促進させる。
となると他の家畜は飢える。

こうして牧畜は成り立たなくなり知青たちは北京にもどる。

大事なのはバランス。

几千年来,中国人口一过剩就造反,杀减了人口,换了皇帝

数千年来、中国では人口が増えれば造反が起こり
人口が殺され削減され、
ついには皇帝が変わる。

人口問題は悠久の歴史でなんども繰り返され皇帝が転覆してきたのです。
だから共産党も本気でびびるんですね。


*飼っている子どもの狼はどうなっちゃうの?

小狼养成狗就没意思了

小狼が犬のように育ってしまったら面白くないよね。

なんていいながら鎖につないで飼っている。

厳しいモンゴルの生活に入り込み
自然のバランスの重要さを学び
モンゴル生活と一体になりつつあるものの

その実、自然バランスを破壊する漢人のひとりであり
なお良心からとはいえ野生の小狼の野生を奪い去ろうとしている危うさがかいまみられる。

はらはらドキドキ。

先を読みたい。


【語句】

黑白班=夜勤と昼勤のこと?

东风=革命の勢い

西风=没落勢力

二踢脚=爆竹の一種



お次はmarieさまよろしくおねがいます。

以上
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by zhuangyuan | 2010-07-22 23:24 | 中国関連DVD、本 | Comments(6)
2010年 07月 11日

美女スパイに思う インテリジェンス

ロシアの美女スパイが摘発されて大盛り上がりの昨今、
スパイ技術の稚拙さはさておき
冷戦が終わってずいぶん経つ現在もなおしっかり諜報活動をしていることに感心。

わが日本はスパイ天国といわれるだけで
こちらはなんもやってないんでしょうね。

そもそも国の目指すところがあいまいだから
どんな情報あつめたらいいかわからない。

これは戦時中すらそうだったわけで推して知るべし。

日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか (講談社選書メチエ)

小谷 賢 / 講談社



先の大戦では日本は暗号をすっかり解読されて
ボロボロになったってイメージがありますが
暗号の解読だとか諜報活動だとかは意外としっかりやっていたそうです。

でもそれを全く生かせなかったといいます。

インテリジェンスにはまずリクアイアメントが必要だと。
つまりどんな目的のためにどんな情報が欲しいのか?

インフォーメーションをあつめて分析、加工し
インテリジェンスとしてカスタマーに提供する。

インテリジェンスサイクル。

これが日本には機能してなかったそうです。

情報関係部署OBの言葉が印象的です。

「情報収集の目的は【事実の実体を客観的に究明する】にある。
ところが日本人は主観を好む。
中略
我観及び主観を国家の問題に及ぼすにおいては、
危険これより甚だしきはあるまい。」

情報部が軽視されてるから
インテリジェンスさえもとめられず
インフォメーションをそのままつたえることになる。
インフォメーションは専門外にとっては役にたたない。

日本が不利であるという重要情報も主観にながされ見向きもされない。

「合理的思考よりも日本特有の場の論理や対外強硬論が蔓延しており、
そこからの逸脱はゆるされなかった。」

こうなると都合のいい情報ばっかり集めてくる。

情報の政治化というそうです。

ああおそろしい。

ビジネスや政治の世界にはいまでもありますこういうこと。

情報は実行スタッフと調査スタッフを明確にわける必要があるそうです。

国家の意思がしっかりしていて
情報部が強いなんてのも旧ソ連を思い出しておそろしいですが
なんもないのもののんきすぎて困ります。

ですから練習しましょう。

2014ワールドカップでベスト4に入るために
インテリジェンスを活用しよう。

以上
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by zhuangyuan | 2010-07-11 21:06 | 中国関連DVD、本 | Comments(4)
2010年 07月 03日

パラグアイ 歴史の因縁

昨日は韓国のお客さんとイタリアン。

ワールドカップで韓国が破れた後は
アジア代表としての日本を応援してくれていたらしく
今でも駒野のシュートが目に浮かんでくるとくやしがってくれました。

駒野の外したボールはパラグアイのバルデスが言ったように
きっとスペインのゴールにぶち込んでくれるでしょう。

お前が外したゴールは俺がスペインゴールにぶちこんでやる

そのパラグアイは強豪ひしめくなかベスト8にのこったのですが
韓国のお客さんが、そのパラグアイの歴史の因縁を話してくれました。

パラグアイというと南米でも一番地味なイメージです。
国のことはほとんど知りません。
ブラジル、アルゼンチンなどの大国にかこまれた小さな国。

まず次の対戦のスペインはいわずと知れた旧宗主国。

現在の首都アスンシオンは16世紀にスペインによって建設され繁栄しました。
その後1811年にスペインから独立宣言。

比較的早くに建設されたアスンシオンは
周囲の地域に対して中心的存在として君臨していたそうです。

周囲の地域とはブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ウルグアイなどです。

そうですボリビアを除けばベスト8の面々なのです。

そしてその因縁とは?

19世紀、帝国主義が華やかなりしころ
当時のナンバーワン、パラグアイはブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの三カ国連合と
大戦争をしてしまうのです。

いくらなんでも周囲の三カ国からやられてしまえば勝てっこありません。
結局負けちゃって国土の四分の一がブラジル、アルゼンチンに割譲されてしまって
国力も一気に落ちてしまったんですって。
パラグアイの歴史

それからはこの二カ国に対してずっと劣勢続きなのです。

今回のワールドカップはその雪辱を期す絶好のチャンスなのです。

がんばれパラグアイ。
がんばれバルデス。

ゴールをぶち込んでくれ!

まずはスペイン。
旧宗主国を撃破して、
次はアルゼンチンを倒して南米統一。

ブラジルが負けちゃったから
決勝は新興プロテスタント、海洋王国オランダをやっつけろ!

なんか帝国主義の歴史シミュレーションみたい。

以上
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by zhuangyuan | 2010-07-03 22:08 | 文化、歴史 | Comments(2)