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2009年 08月 22日

画竜点睛を欠く

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娘の夏休みの宿題。
大作です。

三年生で習う漢字をすべて筆で書く。

そんな構想を聞いたとき、
無理でしょそんなのと思いましたが
なんとかやり遂げました。

うまい下手はさておき、忍耐力はついたでしょう。

さてそこで問題が発生。

昨日帰宅すると写真のように
大きな黒い用紙に漢字を書いた小さな和紙がすべて貼り付けてありました。

おおすごいじゃん。

なんていってますと。

妻から一言。

「でも一個足りないんだよね。」

三年生で習う漢字は200文字あるそうですが
書きあがったものを数えると199枚しかないといいます。

順不同で貼り付けてしまったのでどの文字が足りないかわからない。
かなりショックだが、もう探し出す元気は残ってないので
これで終わりにしようと思うなんてことを。

一個足りないなんてのは
ちょっと悔しすぎる。
ここまで頑張ったのに。

「じゃあ俺探すよ。」

夏休みの始めから妻と娘で頑張ってきて
私は見てるだけで何もしなかった罪悪感から宣言してしまいました。

みんなが寝てから一人で付け合せ作業です。

これが想像以上に大変。

ばらばらに貼り付けてあるわけですから
うまく照合がすすまない。

三年生の習字教科書の巻末一覧表で一つ一つ消しこみをやっていきました。
なんどもへこたれそうになりました。
でもやるしかない。
つらい。

皆さんもよかったら
10文字くらい照合してみてください。
さあどうぞ。
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大変でしょ?

でも私は全てやったのです。

最後に印のない漢字が二つ残りました。

「寒」 「起」

どちらから消し忘れたのです。

最後はもう楽しみになりました。
ゴールは見えたのです。

このふたつの漢字を一つづつ
いつくしむように
最後の照合。

あれ?

あれれ?

両方あるではないですか?

そんなはずはない。
ということは間違えて印をつけてしまったということですから
振り出しにもどって最初から照合しなおしってことかいな?
と絶望的気分に陥りました。

ああ おれのこの努力は何だったのだ?

としばし呆然としたあと

思いついたように
娘の書いた和紙の数を数えなおしてみました。

たてに12文字 横に16行 と8文字

12 x 16 + 8

=200

????

ウソですよね?

なななな なんと

はじめから 200文字そろっていたのです。

ああああ

なんというか

青函トンネル何十年かけて掘ってたら
飛行場ができてたって気分です。

まあ全部あってよかったですよ。

以上
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by zhuangyuan | 2009-08-22 08:57 | 生活 | Comments(6)
2009年 08月 09日

あの頃の東京

私、開高健のファンでありますが
彼が東京について書いたルポがあると知りました。

「ノンフィクションと教養」というムックでいろんな人が推薦してました。
ノンフィクション 勝手にベスト10

ずばり東京 (文春文庫 (127‐6))

開高 健 / 文芸春秋



東京オリンピックを迎える前の
煮えたぎるような暑くて熱い東京の諸相を描いています。
ベトナム行く前ですね。
開高さんも若かったオリンピックの年に34歳。

この頃の東京は今の中国にそっくり。
勢いがあります。
猛烈なペースで都市建設を行い、先進国目指して突っ走っている。
多少のゆがみなんて関係なし。

東京には田舎からの出稼ぎがあふれてる。
山谷で待ってればトラックに拾ってもらえて職にありつける。
宿も安いよ。
そして朝8時から夜7時まで建設現場で働きづめ。

たまには怪我もしますよ。
どっちかっていったら怪我して労災もらえたらめっけもの。
わざと怪我したふりして三年もベッドで仮病を続けたなんてつわものもいたそうです。

カネを貯めなきゃ田舎には帰れない。
出たときと同じ服では軽蔑される。
そんなんではあぜ道であっても挨拶してもらえない。
東京でがっぽり稼いで豪華に着飾って凱旋する。
そうしてはじめて尊敬される。

まさに中国の農民工の姿です。
時代の地響きが聞こえるようです。

一方都会の農民たちは
道路建設や公団住宅のための立ち退きで大金持ちに。
東京にどんどん人が集まってきて土地不足で大暴騰。
農家は農業やめてアパート経営。
農協に集まった成金長者がほとんど農業やっていないことも。

そんな成金農家の全国ナンバーワンは練馬区の農家だったそうです。
わが町練馬です。これにはびっくり。

もうひとつの成金である産業界もルポしてる。
資本主義の総本山、工業倶楽部。
会員である経営者たちの姿はというと

英国紳士然としているが
哲学なし、信念なし、道義なし、ものを考える能力もなければ、時間もなく、意見は秘書任せ、
やってるのは人と会って忙しがっているだけ。
ゴルフも宴会も車も豪邸もすべて会社の金。

ぼろくそです。
こうした人たちが歴史を振り返ったときに名経営者とあがめられているのです。

経済成長がすべてを成功にみちびき美化してしまうのでしょう。

こうして東京オリンピックを迎えたのです。
北京もいまこんな感じなんでしょう。

オリンピックの工事で死んだ人の数が挙げられています。

高層ビル   16人
地下鉄工事  16人
高速道路   55人
モノレール   5人
東海道新幹線 211人
合計       303人

こうして轟音とともに高度成長が達成されたのです。
そして何がのこったか。

がむしゃらに進んでいるときが一番いいかもしれません。
その後の日本はこんな感じ。
夢破れて40歳

以上
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by zhuangyuan | 2009-08-09 17:28 | 中国関連DVD、本 | Comments(2)
2009年 08月 02日

以牙还牙 目には目を 

先日、中国語教室に行きますと
ちょうど上海から帰ったばかりの先生から雑誌のコピーを頂きました。

铁矿石谈判如何以牙还牙(鉄鉱石商談でどうやり返すか)

「状元さんが鉄鋼に興味があると思って用意しました。
今日はこれで授業しましょう。」

中铝参股力拓失败,不仅对中铝是沉重打击,更是对中国打开资源瓶颈的战略布局的沉重打击。

中国アルミのリオティントへの出資失敗は、中国アルミへの打撃にとどまらず
中国経済発展のボトルネックである資源戦略への大きな打撃となっている。



中国は世界中から資源を買いつつ、同時に資源会社買収も進めてます。
しかし英国と豪州の資源大手への参画は失敗しました。
リオ・ティント、中国アルミとの提携中止「価値失った」

  
通常的想法是以牙还牙,给力拓点厉害看看,一来可以争取铁矿石谈判权,二来可以为未来的顺利收购埋下伏笔。

普通なら 目には目を歯には歯を で対抗すべきだ
リオティントに凄いとこを見せてやれ
一に鉄鉱石商談の主導権を握るもよし
二に将来順調な買収を行うために伏線をはるもよし


この記事はこうして始まりました。
なんだかいきなり物騒なこと書いてます。

記事はこのあと当時進行中であった鉄鉱石商談の現状について解説します。
よくまとまっていると思いました。

でもってこの記事が出たあとに
何が起こったか?

これが怖い!

なんとそのリオティントの社員が逮捕されたのです。
スパイ容疑で!

リオ・ティント社員「スパイ容疑」で拘束認める―中国政府

賄賂をおくったといわれていますが
こんなことは先生の言葉を借りれば「公开的秘密」=公然のヒミツ。

こうなりゃもうこれはビジネスではありません。
政治です。

ああおそろしい。

言うこと聞かなきゃ逮捕かよ。
こんなことしてたら外国企業は安心して仕事できません。

Rio Tinto: Will China's detention of employees scare off foreign firms?

Some observers say they see the detentions as retaliation for Rio Tinto's refusal to be bought by China's state mining giant, Chinalco, in June.

消息筋いわく、この拘束は、リオティントが6月に中国アルミの買収を拒否したことへの
意趣返しだと。


中国の公安はやろうと思えばなんでもできるんです。

でもそんなことは当たり前にやってきたので
大騒ぎされて当惑してるなんて書いてあります。

Because China's state security is used to doing whatever it wants, says Jerome Cohen, a Chinese law expert at New York University, "The Shanghai division of the secret police must be surprised by all the public fuss around this case.


さらに気になる文章があります。
"Why do foreigners always interpret the case from the angle of foreign affairs? Foreign affairs are small things compared with serious domestic issues."

どうして外国人はいつも外交問題としてこの事件を見るのだろうか?
外交問題なんてものは重大な国内問題とくらべればちっちゃなことですよ。


前に読んだ本で
小室直樹氏が中国では外交問題が起こると
それは必ず国内問題が原因となっているといっていました。

またこれなんです。
宮崎正弘さんのメルマガにもはっきり書いてありました。
習近平と李克強の権力闘争、つぎはリオ・テントをめぐるスパイ合戦

いくら経済発展していて
儲けの種がいっぱいあるといっても
いつもこんなものに巻き込まれていたら夜も眠れないでしょうね。

以上
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by zhuangyuan | 2009-08-02 21:21 | 時事 | Comments(0)
2009年 08月 01日

リストラの果てに 

中国で恐ろしい事件が起きました。

リストラを発表した会社社長が3000人の労働者に囲まれ
殴り殺されてしまいました。
吉林省でリストラ抗議デモ暴徒化、社長を撲殺

何がそんなにショックかといいますと
私が身をおく鉄鋼業界の出来事だからです。
通化钢铁公司劳资冲突 一人死亡 百人受伤(通化鋼鉄にて労使衝突で一人死亡 百人負傷)

更に私はつい先日、この会社の北京本部に訪問しているのです。
地方に出資した工場がたくさんあり利益を上げ始めたと誇らしげに語っていました。

民営企業が地方の国有企業に出資し
経営者を送り込み、リストラを行って体質改善を行う。
これは世界では普通のことですが中国では簡単にはいきません。
抗議のデモならわかりますが殴り殺しちゃうんですから恐ろしい。

これでいろんなことがわかります。
まず労働問題=失業問題は社会不安のキーファクターであるということ。

中央政府はとにかく雇用不安を恐れ景気刺激を行っていますが
この重要性がよくわかります。
職を失った群衆は暴徒と化すのです。

もうひとつは
国有企業は効率がめっちゃ悪い。
3万人の従業員を5000人にするというリストラ策が取れるほど
なんもしてない人がたくさんいるのです。
別に景気が悪くて生産量が落ちている状況ではありません。
たくさん造っている状況下でも人を減らせる状況なんです。

実際多くの国有企業は地方経済のみならず
地方の社会福祉まで担っています。
家族まで丸抱えで世話してます。

それを合理的な効率経営を志せば、
人はいりませんってことになる。

今週お会いしたある欧州貿易会社のアジア代表も言っていました。
中国の国有企業はオフィスになんにもしていない人がたくさんいると。
そこでその会社の幹部に聞いてみたところ
失業して外で騒がれるより、大した給料ではないのだから雇っておいたほうがよいとの答えだと。
正に社会福祉です。

中国政府は今年初め盲目的に増産を続ける地方都市の鉄鋼会社に対し
生産量を抑制するよう通達を出しました。

理由は供給過多になり企業収益が悪化するのを抑えることと
輸入する資源(鉄鉱石)の暴騰を抑え、鉱山会社との交渉を有利にすすめるため。
もうひとつはおまけで環境保護も挙げられています。

違反したら罰則もあるんです。
融資をしない。
電力をとめる。
水も供給しない。
かつてないほど厳しい通達でした。

ただそれを発表したときにいろいろヒアリングしてみてわかったことは
これは効果を挙げないということ。

地方鉄鋼会社は地方の経済の柱であり
多くの労働者を雇用している。

よって地方政府は中央のいうことを聞かない。
もし強制執行したら暴動がおきるだろうといっておりました。

今回の事件で
それが本当であることがよくわかりました。

労働者は怖い。
さすが共産主義国家。

以上
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by zhuangyuan | 2009-08-01 17:51 | 時事 | Comments(2)