中華 状元への道

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2006年 11月 30日

たかが辮髪 されど辮髪

清朝といえば辮髪です。
なんか昔の中国人のイメージっていうとあの髪型が思い浮かびます。
「キン肉まん」に出てきたラーメンマンのあれです。
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余談ですが私が子どものころクラスにポニーテールの三つ編みをした女生徒がおり
私が彼女を「ラーメンマン」命名したことが保護者会で問題となり、えらく怒られた記憶があります。

それはさておき古来、中国人にとって髪型っていうのは、そう簡単な話ではなく
髪型を変えるのは自分の思想信条を曲げるようなことらしく
清朝の始まりの時も終わりのときもさまざまなドラマが生まれたそうです。

日本なんかは髷を結っていた江戸から明治維新にかけて
欧米文化の流入で簡単にころっと変わっちゃたようですが中国は大変です。

清朝は満州族の王朝で北から流入してくると辮髪を漢族にも強要したのですが
留头不留发,留发不留头
頭を残せば髪が残らず、髪を残せば頭が残らず


つまり辮髪にしなければ首をちょん切られるといった状況だったそうです。

前に飛行機で見た鄭成功の映画でも満族の勢力が優勢になればなるほど
辮髪が増えていき、味方だと思っていた漢族の軍隊が実は清に下っており
兜をとったら全員辮髪だったというショッキングな場面がありました。

魯迅の头发的故事(髪の話)の台詞にはこうあります。
“我们讲革命的时候,大谈什么扬州三日,嘉定屠城,其实也不过一种手段
;老实说:那时中国人的反抗,何尝因为亡国,只是因为拖辫子。

我々が革命を語る際、揚州十日やら嘉定虐殺やらを論じるが、実際それは一種の手段に過ぎない。
率直に言えば、当時の中国人の反抗は、亡国が嫌なのでなく、辮髪をたらすのがいやだっただけさ。


辮髪たらすのを拒否して虐殺されたんじゃたまりまりません。

太平天国の乱が起こると
辮髪だと太平天国の軍にやっつけられ、長髪にすると清の役人にやっつけられるという
大変な状況だったとのこと。

清朝末期になると今度は辮髪が完全に定着しており
辮髪をきったら今度は危険分子とみなされてしまう。

革命勢力が優勢になると今度は皆がチョキチョキ。
人間の心理ってのは難しいですねえ。

こんなことを書いていましたら私の中学校時代の头发的故事を思い出しました。

私は中学時代サッカー部でしたが、先輩たちは皆、かっこいい髪型をしていました。
野球部とバレー部は全員坊主、でもサッカー部は髪型自由で先輩たちはけっこう女の子にもててました。
男でもドライヤーでかっこよく決めるってのが始まりだしたころだと思います。

先輩たちの最後の大会の時、顧問の先生が言いました。
「お前ら区大会で3位に入んなければ、みんな坊主だ!」
先輩たちは女の子にもてるために一番大事な髪型を壊されるのが怖いので
かなり頑張りました。
でも結局3位になれず、みんなホントに坊主になりました。
学校で皆で集まってひとりづつバリカンで刈られました。
練習をさぼりがちな部員はモヒカン刈りにされ校庭を走らされました。
もちろん私も坊主。一厘刈り。道で近所のガキからマルコメ!と呼びかけられました。

でなんだかそれが毎年の恒例になり
私の代になり、例のごとく3位に入れず、再度坊主になることになりました。
すると大変な事態になりました。
先輩たち以上に髪型を大事にしていた軟派な後輩君たちが坊主が嫌で集団で退部してしまったんです。

結局十何人いた後輩たちがどんどんやめて
私の弟とあと一人だけになってしまったんです。
で部員が11人を切り、試合を出来ない事態になってしまいました。

最初は強気だった顧問もさすがにやばいと感じたらしく
キャプテンだった私を職員室に呼び、全員を呼び戻すように依頼しました。
ただし顧問が言ったとは言うなと。

で私、皆戻らせました。当然のことながら坊主の習慣はなくなりました。
なんて軟弱な野郎どもだと私内心では思っておりました。
でも何の因果か翌年、かっこいい頭をした後輩諸君は区民大会で3位になったのです。
時代は代わって行くのです。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-30 22:33 | 文化、歴史 | Comments(4)
2006年 11月 25日

中国アフリカ外交 新殖民主義?

先日あるダンプカーを製造する会社を訪問しました。
最近は輸出が好調だとのこと。

「どのあたりに輸出する案件が多いですか?」
「アフリカだね。スーダンだとかナイジェリアだとか。」
「アフリカ?ODA関連か何かですか?」
「いや民間需要だよ。オイルマネーだね。」

ここでピンと来ました。
またしても中国の影響かあ。

中国経済急拡大で資源需要が急増しておりますが中国がその供給先として
もっとも注目しているのがアフリカです。
中国の輸入する石油の30%がアフリカから来るそうです。
単独国家としてもアンゴラがサウジを抜いてトップだとのこと。
先日も北京で中国アフリカサミットなるものを開催して41カ国の国家元首が集まったそうです。

でもこのアフリカ外交が欧米からは評判が悪い。
特に問題にされているのは人権無視の政治を行っている国に対しても
援助を行ったり、債権放棄したり、資源開発を進めたりしていること。

スーダンなんかはダルフール内戦問題で特に問題国家とされていますが
そんなことはお構いなしで、スーダンの輸出額の70%が中国向けなんだそうです。

ヨーロッパの国からしてみたら自分たちの利権をあらされて面白くないでしょうから
非難するわけです。こちらの記事はまとまってて面白いのでご興味のある方はご参照ください。China in Africa
Never too late to scramble


そして中国の方もこうした欧米の非難を結構気にしているようでネットで探すと
いろいろ反論、弁解しています。
そんなか最近の中国のアフリカ外交を指して「新殖民主義」といわれているらしく
この言葉は特に気になっているようです。南方周末:谁在指责中国是“新殖民主义者”誰が中国を新殖民主義者と非難しているのか?

イギリスの外務大臣がナイジェリアで言ったそうです。
“中国今天在非洲所做的,多数是150年前我们在非洲做的”。
中国が今アフリカでしているのは、我々が150年前にアフリカでしていたことと同じだ。

つまり植民地化ですね。

更にはこんな非難も。
“大约600年前,明朝的航海家到达这个大陆的东海岸,带回了一头长颈鹿以满足皇帝的好奇;今天,中国的船只在同样的航线定期航行,带回了石油、铁矿石和其他商品,以满足一个庞大的经济体发展的贪婪胃口。”

600年前、明朝の航海家はこの大陸の東海岸に着き、皇帝の好奇心を満足させるため
一頭のキリンを持ち帰った。そしてこんにちは同様の航行線を運行し石油や鉄鉱石を持ち帰り
巨大な経済発展の貪欲な胃袋を満足させてる。


中国サイドはこれに対し反論してます。
“中国在与非洲进行能源交易时,都是以合理的国际市场价格购买,也没有采用欧美国家对非洲能源产品惯用的‘价格压榨’的手段。”

中国とアフリカのエネルギー貿易はすべて国際市場価格で購入したもので
欧米エネルギー貿易で慣行している価格搾取手段は用いていない。


植民地は政治もコントロールするのが常だが
‘不干涉内政’更是中国一贯主张的原则,
内政不干渉が中国の一貫した原則である。

ということです。

でも記事には中国のアフリカ外交での成果として、国連で最多票数を持つアフリカ諸国に影響力を持つことができて、
日本とドイツの常任理事国入りを阻止したと誇らしげにかいてあります。
国連での影響力なんて利点もあるんですね。アフリカ外交には。

人権無視の内政には不干渉ながら外交には圧力を行使するわけです。
なかなかしたたかな外交戦略。かないませんね。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-25 21:45 | 時事 | Comments(11)
2006年 11月 19日

科挙

先日mixiの中で中国について勉強する本を推薦している書き込みがあり
その中で余秋雨というエッセイストの本を紹介していました。ただ日本で出版している彼の本はどれも高鋳物でした。そこでネットで検索して探して見ました。
便利な世の中です。簡単に見つかったのでいくつか読んでみました。

十万进士(十万進士)
進士とは科挙試験に合格した人のことです。先日書いたいい女、魚玄機がうらやましげに見つめていた合格者です。

私もzhuanyuan(状元)とか名乗っていながら、科挙については特に詳しいわけでもないので
いい機会でした。ちなみに状元は進士の中のナンバーワン。

 中国ではアヘン戦争から日中戦争終結までを屈辱の100年と呼ぶらしいのですが
20世紀の初頭の憂国の志士たちが、当時の清国の停滞のもっとも大きな原因としてあげて
いたのが人材の不足であり、この官吏登用システムとしての科挙試験の弊害だったそうです。

1300年も続いたこのシステムが時代の変化に対応できず機能しなくなっていた。
どうしてそうなっちゃったのか?

人材登用システムとしては非常に平等で公正。だれにでもチャンスがある。
親戚や同郷などの縁故者がはばかる風潮を断ち切り
広く全国から優秀な人材を選抜した。

でも続けていくうちにどんどん難しくなり、それと共に権威もついてくる。
挙句は官吏として国を導くことよりも、科挙自体を突破することが人生の目標になってしまう。

中にはずっとチャレンジし続けて老人になっても合格できない。
50才なら若いみたい。五十少进士。
でも引くに引けないなんてのが沢山いたそうです。

地方の秀才がチャレンジぞろぞろチャレンジしに首都にやって来るのですが
田舎の代表として地方の期待を全身で背負って出てくるわけですが
そんなに簡単には合格できない。でも合格できないと故郷に顔向けできなくて帰れないそうです。

ましてやその浪人中の秀才の家族は故郷でも周囲に合わす顔がないくらい気まずいそうです。
文章に面白い例が載っていました。

 ある地方で将軍の娘が秀才に嫁いだのですが、この秀才は都に出て科挙にチャレンジするもののなかなか合格できない。
地方の有力者である将軍家ですらこのことが気まずかったとのこと。
 ある日、将軍家は一家総出で新年会に出席したのですが、その際、その嫁に行った娘も
宴会に参加しました。ただその娘の夫が科挙に合格できないことを恥ずかしく思い
娘の座る席の周りには幕が張られ彼女を隠していたそうです。かいわいそー。

宴会正在进行,突然一匹快马驰来,报告赵琮得中科举的消息,于是将赵琮妻子棚座前的帷障撤去,
把她搀出来与大家同席而坐,还为她妆扮,而席间的她,已经容光焕发。


宴会が行われていいると、突然一匹の早馬がやって来て、赵琮が科挙に合格したとの報告をした。
すると赵琮の妻の席にある幕が取り払われ、彼女が出てくるのを手助けし、皆と共に座らせ
彼女に化粧を施した。席に座る彼女も、すでに血色が良くなり顔が輝いていた。


めでたしめでたし。

私なら今までそんな目にあわせてくれた周囲のの奴に仕返ししたくなっちゃいますけど
この時代はこんな雰囲気は当たり前だったのかもしれません。

家族の境遇がこんな感じで一変しちゃうんですから
もし合格したら本人は有頂天になるのも当然でしょう。

結婚もせず苦学の末の合格者は浮かれてこんな要求を知事に送りつけた人もいたそうです。
我有两件事求您,一是希望您在今年之内为我找一个女人,二是希望您在明年之内为我找一个官职。

二つお願いがあります。今年中に嫁を一人見つけてください。二つ来年には官職を見つけてください。


ともかく長年の苦労の末、やっと合格するわけですが
その勉強といったって古代書物の暗記がほとんどですから
本当の政治にどれだけ役立つかわからない。
しかも長年の苦学の最中は世間との接触がほとんどないわけですから
そんな人が政治をしたってうまくいくわけがない。
こうして科挙はどんどん形骸化していったそうな。

この人材選抜ってのは人類永遠の課題ですね。
日本でも司法試験とかがむずかしすぎるとか言って門戸を広げてますが
今後どうなることやら。

受験戦争についても批判が多くゆとり教育なんて導入して
これも数年で学力低下してやり直し。

日本の受験もウルトラクイズだとか青色ダイオードのおっちゃんに批判されて
もっと創造的な自由な発想を育てるべきだとか言われてますが
そんな創造する力なんか持ってる人はごく少数ですから
あるていどの基礎学力の鍛錬は必要でしょう。
その上で本当に自由な発想が出来る人はその枠を打ち破ることができるでしょう。

東大の官僚が国をだめにしたとかよくいわれてますが
おぼっちゃまの三世議員の首相が国をよく出来るとも思えませんけど。
安倍さんなんかは科挙の時代だったら全然だめでしょうね。

でももしかしたら皇帝の一族で科挙なんかなくても
外戚として苦労もせずに国政に関与してたりして。

私の場合は外戚でもないし
科挙もちょっと無理そうだし
すると残る一つの道は、ナニを切るしかないのかな。いたそー。
やっぱり科挙にしよう。
ということで状元への道今後ともご愛顧願います。


以上
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by zhuangyuan | 2006-11-19 17:03 | 文化、歴史 | Comments(0)
2006年 11月 18日

鉄くず

昨日東北に行ってました。トウホクのほうでドンベイではありません。

タクシーの中での会話。

「お客さんお仕事 なに関係?」
「鉄ですよ」

「最近鉄は景気がいいらしいねえ。値段も高いらしいねえ。
私は隣町からきてんだけど、最近は屑鉄もただで引き取ってくれるから助かるよ。
前はお金払わないと持っててくれなかったんだけど。」

「運転手さん今は鉄くずも資源ですから、お金取らなきゃだめですよ。
鉄スクラップも今はトン3万円ですよ。キロだと30円。」

「そうかそんなに高いのか。このごろは区長さんが町内を巡回して
業者を案内して、屑鉄集めて回るんだよ。助かるねえ。
こないだは家のベッドを焼いて鉄だけ残してもってってもらったよ。
トタン屋根も古いのいっぱいあるし。
農機具なんて置きっぱなしだったからなあ。
鉄は重いから100キロなんてすぐたまるなあ。そんなに高いのか。」

「区長さんがお金もらってんじゃないですか?」

「いやそんなことは絶対にねえ。人のいい誠実な区長さんだから。」

私も区長さんがいい人であることを信じましょう。
まあともかく最近は鉄スクラップが高いんです。
ここ数年は高度成長期以来の価格高騰状態にありまして
これも中国の経済発展によるところが大きいのです。

確かに以前は鉄スクラップの価格は停滞し
お金を払わなければ誰も回収してくれなかったのですが
今は貴重な資源です。

日本も景気がずっと悪く、ホームレスの人なんかが増えてきましたが
その貴重な資金源にもなっています。

先日も家の前の空缶回収ボックスの缶をいただこうとするおっちゃんと
正規の回収車で回っているおっちゃんが取り合いで喧嘩してました。

家の鉄製門扉が盗まれたなんてこともありました。
もっとすごいのは山道のガードレールを取り外して持ってちゃうなんてことも。

中国でもこんな状況はあるようでマンホールが盗まれるなんてことは
しょっちゅうあるらしい。
中国語教室の先生の旦那さんは故郷に帰った際に、友達と飲みに行き
夜自転車で帰る途中、マンホールにふたのないことに気づかず、
自転車がマンホールに落ち、顔面を痛打し、前歯が欠けてしまったとのこと。

また中国語の雑誌には最近、中国には粗暴な標語が多いという記事があり
そのなかに次の標語がありました。

偷井盖者抓住剁手(マンホールの蓋を盗む奴は、とっ捕まえて腕をぶったぎるぞ)


ああこわい。こんなのがあるくらいなんですから盗られることが多いんでしょう。

国家建設には鉄が必要ですから鉄はまだまだ足りないんです。
だから高いからちょっと拝借したくなっちゃう。

ちなみにちょっと古い話ですが
ニューヨークの9.11でWTCが倒壊しましたがその廃墟に発生したスクラップは40万トン。
中国最大の製鉄会社宝山鋼鉄が購入したといわれています。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-18 11:01 | 時事 | Comments(4)
2006年 11月 12日

魅惑の女 魚玄機

奇人と異才の中国史
井波 律子 / 岩波書店

を読んでましたら非常に気になる異才を見つけました。

魚玄機といいます。ここで知るまで聞いたこともありませんでした。
晩唐の女性詩人です。

次の詩が印象に残りました。
游崇真观南楼,睹新及第题名处

云峰满目放春晴,历历银钩指下生。
自恨罗衣掩诗句,举头空羡榜中名。


崇真观南楼で遊び、新及第の題名の処を観る

雲峰 満目 春晴を放つ
歴歴たる銀鈎 指下に生ず
自から羅衣の詩句を掩うを恨む
頭を挙げ空しく羨ましむ榜中の名


春の光のもと科挙試験の合格者のリストを眺めて
自分が女であるゆえに詩句の才能も世に出ることはなく
ましてや進士に及第することなど望むべくもないことを恨んでいるのです。

この美しい妓楼の娘で詩を嗜んでその才能を認められたそうですが
その実、心の中は男の雄心にあふれていたのです。
この空しさは耐え難いものでしょう。

でもこの男に憧れる美しい女性も最後には
旅のおとこに惚れてしまい、女の情念に溺れ、
自分の恋人の浮気を疑い、侍女を殺してしまうのです。享年26歳。

この本で紹介がありましたがこの魚玄機を森鴎外が小説にしています。
ネットで検索して見つけ、読んでみました。魚玄機

さすが文豪森鴎外。この魅惑の才女が生き生きと描かれ、私が惚れてしまいました。

突出した詩才を持つこの美しい女性は、
若き日には男が美しさにに惹かれやって来ても
見向きもしませんでした。

しかし年を重ねるごとに女になってゆく。
そして側室として嫁ぎますが正妻に疎まれ離縁し、
その後悲嘆にくれ女道士となります。

そのころの彼女がどのくらい美しかったか。森鴎外は描きます。
眉目端正な顔が、迫り視るべからざる程の気高い美しさを具えて、新に浴を出た時には、琥珀色の光を放っている。豊かな肌は瑕のない玉のようである。

そしてついにはその才能ある熟女魚玄機も若い少年に没頭してしまうのです。
そして情念深い女に堕ちてゆき、浮気を疑い侍女を殺害してしまうのです。

人生いろいろ、女もいろいろ。

私はこの才女を狂わす若き恋人、陳某に嫉妬心すら抱いてしまいました。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-12 21:03 | 文化、歴史 | Comments(0)
2006年 11月 07日

実習生 給与カット!?

実習生実習生②という記事で中国からの実習生の現状をご紹介しましたが、今日もお客さんでそんな話になりました。

「この間、実習生の働きが悪いんで給料カットしてやったんだ!」

ええ!?
先日「泣きながら生きて」という記事へのコメントでPerryさまより日本で働く限り給料がもらえる
安心感があるとのお話を頂いたばかりだったのでびっくりしました?

どんな事情だったといいますと
なんでも実習生同士が寮で喧嘩したらしく、翌日の仕事は両者ともにふてくされて
仕事に身が入らず、作業効率が悪化したとのこと。
そこで連帯責任とのことで両者とも3ヶ月間月給一万円カット。そのほかの人も5千円カットしたとのこと。
簡単に一万円といいますが月給は6万円です。そのうち一万です。ビッグです。

「でも実習生は給料固定ですよね?そんなことしちゃって大丈夫なんですか?
素直にしたがってくれるんですか?」

「問題を起こしたときは責任とってもらわなきゃだめだ。
決め事なんて関係ない。いやならやめてもらって結構。
人材派遣会社にも罰として払わない。」

さすがにお灸が効いたらしく、翌日からしっかり働いてくれたそうです。

でも本当は派遣会社にカットした給料分は渡したそうです。
帰国のときに実習生に渡すように伝えたそうです。
でもそのことは帰国のときまでは内緒だとのこと。
そうでないとお灸の意味がないとのこと。

それを聞いて私もほっとしました。

でも最近は実習生を働かせるだけ働かせて
会社は倒産し社長は給料不払いで逃げてしまう零細企業が増えているそうです。
岳父はある業界団体で実習生の受け入れをしていますが
入管の受け入れ企業に対する審査が大変厳しくなっているそうです。
日本もそれだけ末端経済が疲弊している証拠でしょう。

ただ私が訪問した企業はおおむね実習生との関係はうまくいっているようで
真面目によく働いてくれて助かっているとのこと。
残業や休日出勤もいとわず頑張っているらしい。
というよりむしろ残業を喜んでいるとのこと。
残業がないと手取りがへるので、残業させてくれとお願いにくるらしい。

給料のうち、ほとんどは銀行振り込みで、現金で渡すのは月2万円だそうです。
その2万で一ヶ月くらす。でも実際は一万くらいで生活してしまうらしい。

「でも結構たのしくやってるよ。」
「一万円じゃ楽しくっていっても、何も出来ないじゃないですか?」
「いやこの間もディズニーランド行ってたし。」

そこは北関東のある町ですが彼らはなんと自転車で行ったそうです。
片道4時間かけて。自転車はリサイクル自転車を買ってあげたそうです。
でディズニーランドとディズニーシーの周りをぐるっと一周まわって帰ってきたそうです。
でもほんと楽しそうに、すごかった、すごかったと語ってくれたそうです。
なんか彼らのけなげさに涙がでそうでした。

そんな彼らもなにかと誘惑が多いとのこと。
実習生を専門に狙って人材斡旋するブローカーが存在するらしく
実習生に高給をちらつかせて誘惑し、現場に斡旋するとのこと。

先日も一人いなくなったとのこと。
月給15万円につられて行ったらしいのですが
寝泊りは車の中で、仕事があれば15万だがなければもらえないという
日雇い仕事だったらしく、すぐに舞い戻ってきたそうです。

この実習生という身分は一生に一回きりの3年間だそうで貴重な制度で
それを利用し一生懸命働き、故郷に錦を飾るのです。
でも中にはツワモノがいて、研修を終えた半年後にはすぐに日本にもどって
働いている人がいたそうです。
ただ彼は別人として入国してきたそうです。
偽造パスポートで。

いろんな世界があるものです。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-07 22:21 | 時事 | Comments(13)
2006年 11月 06日

中華サービス 和風サービス

最近、中国人の方が経営する中華料理屋が増えてきました。
日本風に妥協した味付けでなく本場風のパンチの効いた味付けも増えているように思います。

ただいただけないのはランチメニューの種類。
レバニラ、酢豚、エビチリ、チンジャオロースー。
これじゃ日本の中華屋さんとおんなじジャン。
でも日本ではこのメニューが人気だと思ってるんでしょう。

もうひとついただけないのはきめの細かいサービスがかけていること。

先日、昼11:30ごろ入った店は開店しているにも関わらず
コックがTシャツ姿で談笑しており、おしぼりだの皿だのが客席に積みあがっていました。
まあ私の席は作ってくれたものの環境は悪かった。

またある店は味はokで昼時客でごった返していたが
服務員がまったく忙しさにについていけてなかった。
おしぼりはでてこないし、テーブルは汚れたまま。水も出てこない。
あげく料理の運ばれる順番もめちゃめちゃ。
せっかく沢山お客が入っているのに効率よくさばいていないので
回転率が上がっていなかった。

夜入った店は私たちが最初の客でしたが
一段高いカウンターテーブルに座った女主人が
私たちにほうを見るだけでうんともすんとも言わない。
ここは笑っていらっしゃいませでしょう。

家の近くの人気のお店に予約を入れたときに店員に言われました。
「絶対時間通りにきてくださいよ。
うちの店は込んでますからお客さんが来て席が開いていると
断るのが大変ですから。」
たしかにそうかも知れないけどもっとべつの言い方してください。

日本で成功させるためにはちょっとしたサービスを見につけないといけません。

でも本国中国はサービスが向上してきてると思います。
むかしはチョー愛想なかったけど最近は歩合制なのかテーブルについた服務員は
総じて頑張っています。

そして帰りにはキレイなお姉さんが門のところにいっぱい立ってて声をそろえて
「谢谢光临,慢走」(ご来店ありがとうございます。お気をつけてお帰りください)
ただこれを言うだけのためにこんなに日と雇って大丈夫?
ところで時給いくらでしょうか?

でも一方で中国の方から見ると日本のサービスはちょっと過剰すぎて
居心地が悪く感じられるそうです。

語学学校の先生はコンビニで50円切手を買ったそうですが
店員の50くらいのおばさんに深々とお辞儀され礼を言われ
非常に気味が悪かったそうです。
50円でこんなにされるなんて嫌ですからもう二度といきませんといってました。

またコンビニでバイト経験のある先生は
ある商品の有無を客に問われ、「ありません」とキッパリ言ったそうです。
でその日の仕事後店長に注意されたそうです。
「もし商品がないなら、泣きそうな顔をつくり、申し訳なさそうに、謝りなさい」と。
ちょっとやりすぎかな?

この日本のサービスも過剰すぎて慇懃になってしまうといやみですから
この加減が難しいですね。コンビ二なんかはマニュアル化ですから
この加減を極めることは放棄してるんでしょうけど。

でもかく言う私はこのマイルドな接客というのがまるで出来ません。

学生時代アルバイトでホテルでウェイターをしていませいたが
客の求めに応じてセカセカと動き回り、過剰に応じる先輩方々の姿が嫌で
堂々と冷静に自己流を貫いていました。
しかしそれが先輩の癇に障ったようで
ぐずぐずしてんじゃねえとか言って客前で怒鳴られました。
そんなセカセカしたって10秒も早くなんねえだろ!と心で叫びつつ、
すみませんと口では言ってしまいました。

自分ではできないんですけど店にはそうしてもらいたいのです。
すみません。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-06 22:28 | | Comments(3)
2006年 11月 04日

「泣きながら生きて」

昨夜テレビで泣きながら生きてというドキュメンタリーを見ました。

二時間強の番組でしたが、没頭してしまいました。
ある日本に暮らす中国人男性の人生を追ったものです。
10年にもわたる撮影を通して彼のひたむきな姿を写し続けた力作です。

日本で働きながら中国に残した家族を支える。
不法滞在者という身分のため、国に帰ることができないため
来日以来15年で娘と奥さんに会えたのはそれぞれ一回きり。
それでもひたむきに働き続け、ただ一つの夢、娘にきちんとした教育を受けさせるという目標に
向かい、不屈の精神で進み続ける。そしてついには娘が米国留学を果たし、医者になる。

こう書いてしまうとなんか絵に描いたサクセスストーリーに見えてしまうのですが
これが多くの涙を乗り越えた、艱難辛苦の物語で、主人公の丁さんは来日以来
線路脇の狭い部屋で孤独に耐え、ビニール袋で風呂に入り
毎日毎日、夜中までいろんな仕事をして、歯がボロボロになるまで働き、15年を過ごしてきたのです。
貯めたお金はすべて上海に送り自分には一切お金をかけない。
ただ遠くで暮らす娘のためだけに仕送りを続けるのです。

文革で下放され、上海に戻ると学もなく、技術もない彼は貧困生活を送らざるを得なかった。
そこで日本に希望を託し、親戚友人に年収の十何倍もの借金をして日本の語学学校に留学します。
しかしそこは北海道の山奥の学校でした。炭鉱の村が村おこしで建てた学校でした。
働きながら借金を返す必要があった彼はその学校を夜中に脱出して東京に働きに出ます。
ここからが不法滞在者としての苦難の歴史の始まりです。

田舎の日本語学校から留学生が大量脱出して問題になったことが以前ありましたが
当時そのニュースをみた私は非常に不快感を覚えていました。
勉強するというのは表向きの理由だけで結局はお金稼ぎだけにくる留学生と
それを知りつつも受け入れる、これまたお金儲けだけが目的の語学学校に対してです。
でもこれは表層しか見ていないための憤りだと恥じました。

この物語の主人公は心から日本語が勉強したかった。ただ仕事がなければ生きていけなかった。そしてやむを得ず脱出しました。
受け入れた学校も過疎から町を救うため純粋な気持ち学校を作った。
でも留学生の置かれた境遇に無知だった。お互いの純粋がすれ違ってしまった。

でもこの主人公は娘が医者になり本望を遂げた後
中国に帰国しますが、帰国の前の最後に、その語学学校跡を訪問します。
ここが第二の故郷だといっています。
なんか日本人として彼の人生を翻弄してしまったという罪の意識から解放されたような
心が洗われた気持ちになりました。

この重い辛い孤独な15年を生きる彼の純粋な強い意志に感服いたしました。
彼が来日したのは1989年。私が大学に入学した年です。
そのころ日雇いアルバイトをするとよく中国から来た方と一緒になりました。
母国では一様に高学歴で国営企業などで管理職についていた方ばかりでしたが
日本に来て単純労働をして国に仕送りをしていました。
彼らも一人ひとりがこうした自分たちの物語をもっていたのだと思うと感慨深いものです。
同じ時代を行きながら、苦労のない人生で些細なことに不平をいったりしている自分のせこさを恥じなければなりません。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-04 08:18 | 中国関連DVD、本 | Comments(11)
2006年 11月 01日

文化侵入

最新ニュースというわけではないのですが今年の9月から
中国のテレビの夕方5時から8時までのゴールデンタイムで外国アニメの放映が禁止されました。

外国といいましても人気があるのはほとんどが日本のアニメですから
事実上日本のアニメが禁止されたといえるでしょう。

なんでも外国文化の侵入を防ぐためだそうです。
中国动画,一场80年的梦(中国アニメ、80年の夢)によると
今、百度というサイトに貼ってある377の人気アニメのうち中国アニメはわずか5個で
アメリカが10個、その他は全部日本アニメだそうです。
べつに中国アニメが作られていないわけでなく93年以降300以上も作られているそうです。

そんな状況を憂い、国内アニメ産業保護育成もめざして禁止したそうです。
ここがわかっていないとこで競争を排除して保護したっていいものはできません。
切磋琢磨して磨かれて競争力をつけていくのです。

また文化侵入についてもこのネットの時代にゴールデンタイムのテレビ番組規制しても
意味がない。ネットでも見れるし、録画もできる。DVDだって安くかえるでしょ。
ほんとナンセンスな政策をとりますよね。

中国のアニメの絵がまずなんか違和感を感じます。
絵本のコーナーにいっても変な色使いの絵が多いように感じます。
とくに私が違和感を感じたのは北京オリンピックのマスコット。
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これもアニメの延長でしょう。

日本のアニメはほんと人気があるようで
日本語を勉強してる方でアニメが好きな人が多い。
以前中国に行ったときには飲み屋で昼間はアニメ学校に通っているという女性がいました。
「クレヨンしんちゃん」が一番好きだといってました。
クレヨンしんちゃんが日本のアニメの代表だと思われるとちょっと恥ずかしい。
せめてドラえもんとか、ちび丸子にしてほしかった。

といいつつも私はクレヨンしんちゃん結構好きです。
まえに子どもたちを映画に連れて行ったほどです。
下品だけど物語がちゃんとしてますよ。
でも保育園では見ちゃだめらしい。

ただ中国も昔からアニメがだめだったわけではなく
さっきの「中国动画,一场80年的梦」の記事を読むと以前は国際的な賞なども取って
レベルが高かったそうです。
手塚治虫も中国のアニメの巨匠に触発されてアトムを書いたそうです。
その万籁鸣さんの孫悟空はこんな感じ。
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よく見かけます。こちらは味があります。
ただこの巨匠も文革で迫害され10年棒に振ったとのこと。

実力はあるんですから競争で勝ち上がりましょう。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-01 22:58 | 時事 | Comments(3)