中華 状元への道

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カテゴリ:文化、歴史( 187 )


2016年 03月 13日

世界の中心マダガスカルにはいろんな地球がつまってる

マダガスカル大使館に行ってきました。
国際芸術家センターが主催するティーパーティーに参加。

マダガスカルは私の行ってみたい国ランキングの最上位クラスにあります。でもずっとあきらめていたのです。ずいぶん前のことですが独身最後の旅はケニアでした。出発前にアフリカの事情を調べると、どこもかしこも内戦だらけ。観光どころでないのでアフリカのさらなる旅行はお預けにしました。

マダガスカルが好きな理由は、とにかくバオバブが好きなんです。何を知ってるかというと何も知らないのですが見ているだけで癒される。マイiPhoneの待受画面はバオバブの林で子供が2人遊んでる写真です。

私が好きなのを知ってる小6息子はお絵描き教室に入った年長の頃にバオバブの絵を書きました。まさにこんなところに行ってみたいのです。
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このティーパーティーを前にお気に入りのシリーズ本で予習しました。「マダガスカルを知るための62章」

伝説のゴンドワナ超大陸の中心地であったといいます。それだけでグーンと心惹かれます。世界の大陸はここから分岐して行ったのです。アフリカもインドも南米大陸も。つまり世界はここが中心だった。

そして今この島にはマダガスカル人が住んでいますが、その民族の成り立ちは、アジアだったり、アフリカだったり、ヨーロッパに中東、様々な地域のミックスだそうです。はじめにやってきたのはボルネオの漁民だといいます。いまでもマダガスカル語にはマレー語由来のものが多いといいます。そしてヨーロッパが世界をひとつにするころには植民地獲得競争や奴隷貿易の拠点にもなってゆくのです。

地殻変動で大陸が割れて離れ離れになった地域から人々が海流にのって悠久の時を経てまた集まってくる。ロマンがありますね。集まってくる理由は資源だったり、スパイスだったり、宗教だったりするのです。

ティーパーティーの前には特産であるバニラビーンズの紹介がありました。バニラは固有種ではなく旧宗主国フランスが持ち込んだのですが、もともとは中南米を起源とするもので、スペイン人コンキスタドール、コルテスがヨーロッパに持ち帰った。外来種ですがバニラにはマダガスカルの気候がぴったりだそうで、最高品質ができあがったのです。そのフレイバーが世界中で評価され、シェアは70%だとPRしていました。ひともスパイスも世界をめぐる。

会が始まると女性大使自ら美しいフランス語でマダガスカルのPRしてくれました。
マダガスカルではマダガスカル語に加えフランスも公用語。今年の秋にはフランス語圏の国々がマダガスカルに集まりフランコフォニーサミットを開くと言う。なんと80カ国以上のエントリー!!この数はビックリです。これからフランス語を勉強しようとおもっている私の大きなモチベーション向上させてくれました。
写真はフランコフォニーサミットのPR絵葉書です。
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ティーパーティーの最後のセッションはマダガスカルのおやつや料理をつまみつつバニラティーをいただく。料理は大使の旦那さまが自ら腕をふるう。
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人参のサラダをいただくと、ピリっとしたスパイスの香り。
アジアのテイストです。小皿にのったサラダのちょっとした香りに島の歴史がつまっているのです。

シェフの学校でフレンチを学んだという旦那さまと話すこともできました。スパイスのことを聞くと、マダガスカルには日本ともインドとも違ったカレーがあるといいます。

まだまだ知りたいマダガスカル。さらに好きになりました。いろんな地球がつまってる。
フランス語やって近い将来行ってこよう。
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以上


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by zhuangyuan | 2016-03-13 22:30 | 文化、歴史 | Comments(0)
2016年 02月 09日

新年に歌おう 金持ちの唄

銀座の街を歩いていると聞こえて来るのは中国語ばかり。迎える方もラオックスにユニクロなんかで銀座の品格なんてのはどへやら爆買いのみが目当てって感じです。

先週マレーシアに行ってましたが中国人の街ペナンにも寄りました。そこで訪れたのはプラナカン・マンション。
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プラナカンとははるか昔、明の時代あたりに大陸から渡ってきてマレーの嫁を娶りマレー化した人々を指します。

その旧家を観光客に開放しています。旧正月前ということもありド派手。どのへんがマレー化してるのかよくわからない。
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とにかく金ぴか。食器だとか壺だとかを世界中で、というかヨーロッパから買いあさってこれでもかってほど並べてる。正直私のメンタリティーには合いません。
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まさに爆買いそのものです。
逆に言うとそのくらいしか金の使い道がない。
希少性なんてどうでもいい。多ければ多いほどいい。全部もってこーいって感じ。こんなに独り占めしちゃあ反感買っちゃうよ。でもね華人の金持ちにとっちゃあ成功者で誇らしい。ペナンに来たのだから是非訪問すべきだとゲキ押し。確かに面白い。趣味じゃないけどね。

旧正月ムードはどこでも金キラと真っ赤で飾られてますが軽快な音楽も流れてる。シンガポールで車で移動中に流れて来た歌に笑いが止まらない。

その名も「財神到」財神到
(金持ちの神さまが来たよー!)
http://youtu.be/y-BLwi5Xid0

财神到 财神到 财神来到我家的大门口
金持ち神さまが来たぞ〜 うちの玄関にも

迎财神 接财神 把财神接到我家里头
お迎えしよー 金持ち神さまをウチにお迎えしよー

从今我交好运 财源滚滚来
今日から運がめぐってきて カネがグングン入ってくる

做生意他一本万利 买马票他得心应手
商売やれば大繁盛 馬券を買えば大当たり

万事都东成西就 财神到 财神到
すべてがうまくいっちゃうよ 金持ち神さま来たれ

大家迎接财神到
みんなでお迎えするぞ〜!



華人のカネ崇拝にはあっぱれ
あからさますぎてむしろ気持ちいい。
この精神が共産中国ではながいこと押し込められてたんですから昨今の銀座の様子もむべなるかなと納得できるのです。
文革時に人民服きて地下でこっそり「財神到」を歌ってる隠れ金持ちを想像したら笑えてきた。
以上


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by zhuangyuan | 2016-02-09 06:59 | 文化、歴史 | Comments(0)
2016年 01月 23日

「非情城市」が描く台湾 それは声を失った男

侯孝賢監督「非情城市(1989公開)」鑑賞。
早稲田松竹。

日本時代が終わってから1949年に国民党が逃げてくるまでの台湾本省人家族の物語とくに四人の兄弟を中心に描きます。

ずうっと観たかった。というより観なきゃいけないと思ってました。

日本に住む台湾人の方から228事件当時の国民党による弾圧様子を聞いて以来、関心を持っていました。でもねレンタルに出てないんですよね。

228事件とは大陸から来た国民党の悪性に台湾人が反乱を起こし弾圧された事件です。中華民国が台北に来て以来1897年まで戒厳令がしかれ、228事件はタブーです。それを侯孝賢がこの映画で破りました。228については以前も書きました。台湾と日本語 二二八って知ってる?

その描き方がリアルなんですよね。センセーショナルじゃない。台北で起きてる大事件が舞台である九份にも聞こえて来るのですが、大事件としての緊迫感がありながらも遠くから断片だけが顔を出し、家族から事件に関わるものが出ますが、事件は直接描かれない。人の噂であったり、ラジオの放送であったり。ラジオでは政府の反乱グループに対する懐柔であったり、脅しであったり。政府の放送は慌てた様子から姑息な擦り寄りへと移り、最後には残忍な牙を剥く。この変化がうまく表現されています。歴史上のどんな大きな事件でも当事者として関わることは滅多になく、時代の大きなうねりの端っこに触れるってのが市井の人々の歴史への関わりだと思う。でもわずかに触れた揺らぎが人生に思いもよらぬほどの影響を及ぼしたりするんです。

四人兄弟の長男は日本時代に街の顔役であった父の後を継ぎ、旧来の風俗を守りつつも、権力者が変わった世を戸惑いつつも気丈に生き抜こうとする。

次男は上海で日本語通訳をして帰国するが精神に異常をきたす。持ち直すも漢奸容疑で監禁され、再発する。時代の激動に合わせて、次男坊らしくうまく立ち回るも、荒波に飲み込まれ、道を外れると、これまた次男坊のひ弱さが露呈する。

三男は日本軍として南方に行き戻らない。

四男は幼い頃から耳が聞こえない。よってしゃべれない。
この役を演じるのは香港の大スター、トニーレオン。香港人でたいわんごしゃべれないから、四男をしゃべれない役としたとwikiにありました。その真偽はともかく、しゃべれないことが歴史の大河における台湾人を象徴していると感じます。

オランダ統治から清を経て、下関条約で日本へ割譲。日本配船で中華民国に戻る。その中華民国だって1911年建国ですから、日本に渡した後にできたわけです。そしてついには中華人民共和国誕生によって、大陸から国民党が逃げてくる。台湾というか台湾人に選択肢はなく、黙って翻弄されるだけ。

言葉も揺れます。マンダリンに台湾語そして日本語、国民党の蒋介石は浙江省ですからその辺り言葉と上海人もたくさん入って来ます。四男は常に筆談しますが、健常者もほんとに皆が意思疎通できるのは漢字だけでしょ。

言葉は違うけど顔はみんな同じ。広義ではおなじ民族でしょ。日本人だっておなじ。こんな言葉の状況をビビッドにあらわすエピソードが映画にも出てきます。228事件の頃、本省人(台湾出身台湾人)は外省人(国民党と大陸から渡ってきた人)への恨みから、徹底的に外省人を探しだしリンチを加えます。電車に乗った四男も外省人を探す本省人グループに尋問されます。「你哪裡人?お前はどこから来た?」と台湾語で聞かれます。四男は耳が聞こえませんから返事できません。次に本省人は日本語で聞くのです。「あんたどこの人か?」と。外省人は日本語できませんからね。答えられないと外省人と断定するのです。これはほんとにあった話。台北の228記念館にも同じエピソードが書いてありました。四男は答えられないので外省人だと思われ殴りかかられます。その時、四男はあがきながらも声を絞り出すのです。「私は台湾人だ!」これが四男の映画でしゃべる唯一の言葉なんです。

台湾人。かれのアイデンティティ。でも言葉はしゃべれない。
彼は日本を喋り日本風の名前を持つ女性と結婚し子供が生まれ家庭を持ちます。
そしてあらたな台湾人がそだつ。

以上



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by zhuangyuan | 2016-01-23 23:23 | 文化、歴史 | Comments(0)
2015年 09月 13日

マレーシア映画にみる民族の見えない壁はどうしてできたの?

マレーシア映画「細い目」を映画館で鑑賞。

マレーシア作品はこれで二回目です。
マレーシア映画で思う 多民族国家のアイデンティティって何?

東南アジアは20年前から何度も行ってますがなぜかマレーシアは
去年が初めて。一気に好きになっちゃいました。

何がって、その混沌ぶり。
それまでの私にとってのマレーシアはマレー人を中心としたイスラム社会であったり
日本企業の生産基地として優秀な工員といったふうな「静」のイメージ。

訪れてみるとマレー、中国、インド、ごっちゃごちゃの多民族国家でした。
勝手なイメージとはぜんぜん違って活気のある喧騒がまっていました。
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映画は始まると私のツボをついてきて
すぐに引き込まれちゃいました。

主人公のジェイソンが北京語しゃべってて
お母さんがマレー語で返す。
読んでる本はインドのタゴール。

ヒロインオーキッドはイスラムのカッコして勉強してるけど
家に帰ってタンス開けたら金城武の写真が貼ってある。
台湾ジャパニーズ。

ジェイソンとオーキッドが話すのは英語。
友だちと喋るのは英語、広東語。
これが実に自然で淀みない。

この言語ワールドに浸るだけでワクワクしてくる。
このカオスはどんな成り立ちがあるんだろうか?
カオスの中にも明確に存在する民族文化のみえない壁ってのはどこから来たのか?

映画の帰りに古本屋いって見つけましたよ、ちょうどいい本を。
「マラッカ物語」鶴見良行著 1981年刊行

マレー半島はそもそも人口が少ない。
内陸の採集民と漁撈民がいましたが
そこにヨーロッパ植民者が入ってくる。

一番の目的は資源。スズだったり、ゴムだったり。
労働力が足りませんからつれてくる。インドから。
主にタミルですね。
中国人は歴史的にマレーにも来ていて
英国人には現地の管理者として重宝された。
経済感覚が身についていたから。

「人種別、産業別の集団分化が、内陸部の経済開発に伴って進行する。現代マレーシアの多民族社会という性格は、こうして形成された。 イギリス植民地官僚や冒険商人やサルタンたちの激しく血なまぐさい利権闘争の裏面で、十九世紀マラヤ半島の植民地経済開発を実質的に支えたのは、華人とインド移民である。」
(マラッカ物語 p239)

この映画の舞台はイポ。
特に中国人が多い地域ですね。

ジェイソンの母親はプラナカン。
習俗まで現地化した中国人。
昔マラヤのサルタンに中国からお妃がお付きのものたちもやって来て
その子孫だなんて物語が作中で語られる。
物語は必要です。アイデンティティのために。

歴史のいろんな局面でいろんな文化がやって来て、混じり合ったり、そのまま残ったりで、いまのごった煮が出来上がった。

でもここで重要なのはマラッカ物語で言われる「人種別、産業別の集団分化」
いまに至るまで分化したままだってこと。

ヤスミン監督はこれを憂いて宥和を願って作品を作ったんでしょう。
ネットで批評をみると、本国では、映画のなかの宥和した理想を、現実に即してない批判する向きがあるそうです。

前にあったマレーシア華僑が言っていました。
「シンガポールと違って、民族でマレーシアは喧嘩ばかりしてる。」って。
宗教が重いんでしょうね。

シンガポールも多民族国家ですが強い指導者のもと経済発展を成し遂げ民族問題が表に見えません。みんでもうけりゃ文句はない。

そんなシンガポールのごった煮ぶりを表す言葉を教えてもらいました。
ロジャック Rojak
いろんな野菜が入ってる辛味噌サラダみないなものかな?
それが国家の様相を示すキーワードになってる。

仕事でマレーシアの方を連れてマレー料理に行きましたが
残念ながらロジャックはありませんでした。
ソースが手に入らないって。
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サラダボールに例えられるニューヨークなんかより
濃厚な混じり方ですね。


その客人はマレー系で政府系機関の方ですが
サポートするために一緒に来たのが
イギリス系企業に勤めるシンガポール華僑。

この構図は何百年も変わってないんだろうな。

百年前ならイギリスの植民者
マレーのサルタンを籠絡し、華僑をつかって民衆を経営システムに組み込んいく。
マレーも支配階層はイギリスの支配を望んだとか。

さすがにマレー人の彼はヤスミン監督を知ってました。
それだけでいい人に思えちゃう。
「細い目=Sepet」も観たって。
私も観た甲斐がありました。

ちなみにSepetってどんな意味かというと
細い目ってのは中国人のことなんですよ。

細い目の男に恋なんかするのかっていうのが
今のマレーの現実。

ほろ苦い恋の映画ですが私にとっては
文化のワンダーランドでエキサイティングでありました。

以上




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by zhuangyuan | 2015-09-13 14:12 | 文化、歴史 | Comments(4)
2015年 06月 14日

ニューヨークのタクシーでアメリカの今と歴史を知る。

出張帰りにJFK空港へ向かうタクシーはベルボーイが手配してくれた黒塗りの大きな車でした。

黒人のドライバーは携帯でスペイン語で話しています。
黒人なのにスペイン語か。

ロスにはメキシコ系ヒスパニックが溢れてますが
ニューヨークも多いんだ。

¿De donde?
Dominica!

おおドミニカ!
「広島カープしってる?野球アカデミーやってるよね?」
「今は韓国のチームもあるし、ヤンキースもアカデミー持ってるよ。」

「ドミニカ野球強いよね?」
「そうだ!WBCで優勝したのは日本とドミニカだけだ!」

「ドミニカはハポネセス(ジャパニーズ)多いよ。マツモート、キタムーラ。」

棄民なんて言葉がありました。

「友達の間ではスペイン語話してるんだね?」
「 Si !
周りにドミニカの友達たくさんいるよ。ニューヨークに100万人いるよ。」

「ニューヨークだけで?多すぎない?」
「ニュージャージーも入れてね。」

調べてみると多すぎない。
統計によると2012年のドミニカ移民は96万人。
そのほとんどが大ニューヨークとマイアミに集中してる。

ドミニカ移民は昨今急増している。
2000年に68万だったのが急増。
今ではどこのカリブ国家より多いと。
政治不安がひどいみたい。

Americano Latinoはどんどん増えてスペイン語はどこでも通じるようになったよ。
Americano Frances, Ameicano Anglo の次くらいだよ。

「じゃあ次の大統領はラティーノかな?」

「大統領レースに二人でてる。」
テッド・クルーズ Ted Cruz

マルコ・ルービオ Marco Rubio

チェックしてみると2人ともキューバ移民の子。

ヒスパニック人口はどんどん増加して18%程度、2050年には29%なんて予測も出されてます。いくら白人社会と言え、ヒスパニック票は無視できない。

「でも奴らは勝てないよ。共和党だからね。」

「俺たちは民主党支持だよ。」

オバマの移民法改正が指示されてる。
新しい移民には。

移民の子達は新しいアメリカを作ってく
古い層と反発し合いつつ、折り合いつけつつ。

それがアメリカの強さ。
どんどん人を惹きつける。
これは富だけのせいじゃないはず。

ウォーレンバフェットが
アメリカの経済を心配する声に対して言っていた。

アメリカは今でも移民が多い。
アメリカから移民する人なんて聞いたことないぞ。

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希望の国が見えてきた。

以上
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by zhuangyuan | 2015-06-14 09:58 | 文化、歴史 | Comments(0)
2015年 05月 02日

Hearts & Minds 絶対正義で不協和音は隠せない 

Hearts snd Minds鑑賞。


ベトナム戦争ドキュメンタリー。
1974年公開当時は日本では上映できなかったそうです。

ベトナム戦争の矛盾や悲劇を描いた映画は数あれど
こんなにも為政者の胡散臭さをビビッドに写したものを知りません。

兵士は国家の建前を信じるしかない。
信じたい。
演じるしかない。
壊れないために。

プロパガンダ映画をつくり国民を鼓舞し、
勇ましい言葉を奏でと絶対正義を語り、
捕虜が帰還したら英雄扱いし、
勝ったと断じ、パレードを行う。

北朝鮮と大差なし。

世相との大きなズレ、
矛盾に気づく兵士、家族
ほころびが見えるほど、空虚に正義を語る。

映画の最後、解放された戦争捕虜たちを慰労するパーティで
ニクソンがスピーチします。

短い言葉に凝縮された矛盾。
空恐ろしい。

Youtubeに作品全部がアップされていましたのでその場面を見てください。
1時間36分過ぎごろにあります。



クリスマス爆撃と呼ばれる絨毯爆撃を敢行したことが難しい決断であり、国民から支持されるかわからなかったとニクソンは語り、続けてこう発言します。

内容抜粋します。
After having met each one of our honored guests this evening, after having talked to them, I think that all of us would like to join in a round of applause for the brave men that took those B-52's in and did the job
今夜栄えある皆様と会って話をして、思いました。B52爆撃機に乗り込み、見事にやり遂げた勇敢な男達を、我々みんなも賞賛したいと。
映画はニクソンのスピーチのあと、爆撃場面にうつります。無差別絨毯爆撃。
二週間で20,000トンぶち込みました。
結局それが戦争終結につながるのですが、何かが変。違和感。胸がざわつく。

映画にはありませんがこのスピーチはこう続きます。
because as all of you know, if they hadn't done it, you wouldn't be here tonight.
なぜなら彼らが爆撃しなければ、貴殿達は今夜ここには来れなかったとみんなが知っているのだから。
そもそも自分たちで無理やり介入して始めた戦争を
終結させたってことは誇れるのか?

戦争は泥沼に入って、予想外に捕虜がたくさん捕らえられて
それを解放すべく、民間人も巻き込んだ圧倒的な爆撃を行うってのは正当化されるのか?

このスピーチに歓声をもって応える元捕虜たちは
この言葉で癒されるのか?

巨大な爆撃機で住民を殺戮して
それを大統領が讃える。

B52がB29だったら?
ハノイが東京だったら?
ニクソンがトルーマンだったら?
感じ方も違うかな?

こんなものの片棒を担ごうとしてないよね。

以上













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by zhuangyuan | 2015-05-02 22:22 | 文化、歴史 | Comments(0)
2015年 04月 29日

野獣たちが集う工房で

ルオーとフォーヴの陶磁器パナソニック汐留ミュージアム
Web内覧会に行ってきました。

「フォーヴ」って誰?って聞かれるんですよね。と館長さん。
すみません、教えて下さい。

「フォーヴィズム」のフォーヴのことでした。
それなら聞いたことある。

「野獣派」と呼ばれる絵画グループ。
なんかグーンと興味が湧いてきました。

陶磁器というと地味なイメージですが
この展覧会は違いますよ。

野獣たちが同じ工房に集まって腕を競いあう。
壺や皿の上に一発勝負の絵付けをするんです。

楽しいでしょ?

第一の部屋は工房の主人マテさんの作品
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イスラム風だったり、中国風だったり。
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真面目なマテさんは下絵もきっちりと。
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色を出す技巧をいろいろ試してみたそうですが
いまいちイメージどおりの色がでない。
そこで若手の画家たちに色を塗らせてみようってのが

第2のお部屋

マティス、ヴラマンク、ドランなど


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みんなも一発勝負の焼き物に夢中になっちゃって
5年間も集中して工房に通ったそうです。

各者各様でこんなに違うのかと嬉しくなっちゃいます。
私はヴラマンクが気に入っちゃいました。

生き生きとした色彩が壺や皿に踊ります。
若さが溢れてる。

そして第3の部屋はルオー


マテさんと同い年で一番ながく工房に通ったといいます。
他のみんなは工房がセーヌ川の氾濫で水没しちゃって疎遠になっていったと。

セーヌ川のお話を学芸員さんがされたとき
作品にリアル感がずっと増したような気がしました。
ファンタジーを生み出す工房が自然に寄って壊される。
そして人も離れてゆく。
100年前がふと近く感じられました。

最後に残ったルオー作品は他の野獣たちとは異質なものでした。
魂の込め方が違うようなマチエール。
濃厚。

いいもの観ましたよ。

以上


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by zhuangyuan | 2015-04-29 21:31 | 文化、歴史 | Comments(0)
2015年 04月 18日

マレーシア映画で思う 多民族国家のアイデンティティって何?

「破裂するドリアンの河の記憶」鑑賞。
マレーシア映画です。

マレーシア料理を食べながら映画祭をご紹介いただき初体験。

漁港近くに住むの高校生の淡いラブストーリーに
レアアース工場建設問題が絡んでくる。

マレーシアの多様性が様々な場面で浮かび上がります。

冒頭のデート場面の言葉でびっくり。
いきなり普通話です。マレー語じゃないの?
マレー語だと市場が小さいのかな?

原題からして中国語。
「榴莲忘返」liulian wangfan
忘れがたきドリアンってな感じ?

流恋忘返liulian wangfanもじりですね。
楽しくて夢中になって離れたくない。帰るのを忘れちゃう。


女の子は漁村に住んでます。父親は漁民。
家族では普通語。

少年は企業人の息子。
車中の会話は広東語(おそらく)
父親は海外を飛び回り、
息子は卒業後はオーストラリアに留学するのが決まってる。

学校で美人先生が教える歴史の授業は普通語。
クラスは華僑の子がほとんどですがマレー人もいます。
でも普通語。

マレー語の授業もあり。
みんな聞いてない。
ある場面のマレー人教師の話など字幕もない。

二人で家を飛び出してバスで遠くへ、遠くへ
女の子はタイ語に憧れてる。
サワッディー カー こんにちは
「愛してます」
チョーかわいい。でもちょっと悲しげ。
男は聞いてない。
深い意味があるのにね。

レアアース工場はオーストラリア資本、現場主任はインド人かな?
喋ってる言葉は何?マレー語?タミル語?
相手は歴史の先生。
レアアース工場に反対してます。


漁港の町もグローバル化の波を受けてます。
レアアース工場は世界の資源不足を補うため。

でも漁民としての生活は壊れてゆく。
世界に組み込まれてゆく。

でもその世界ってそんなに遠くじゃない。
メトロポリタンとしての首都クアラルンプールもすぐに行けちゃう。
繁栄する都市には莫大な資源が投入されている。

故郷を返せ。

でも故郷ってどこ?
漁民で中国語話すなら、大陸から海を渡ってきたはず。
でもおじいちゃんはキャメロン高原出身だって。
茶畑は最高の美しさ。
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でも気になるよね名前が。
Cameronって言うんだからイギリス統治時代の名残り。

少年の家族は広東から。
父は世界を飛び回り、自分もおそらく海外に住むでしょう。

歴史の先生の故郷の場面で映画は終わるが
そこの祭は中国式。

日本に住んでる日本人には考えられない多様さ。
それがそれぞれの心象風景に刻まれてる。
住んでるところにある自然、そこが家园。

この映画、女の子はみんなかわいいしきれい。
そしてシリアス。世界の大きな流れを意識し翻弄されつつも立ち向かう。
でもやはり小さな花びらのごとく激流に飲み込まれる。

あばれはっちゃくみたいな主人公の少年はいつも純朴。
着の身着のまま、戦ってるつもりが、独りよがりで幼稚です。

オトコってバカですよね。
頑張れ少年。
Stay foolish.

多民族国家のidentityはなんなのでしょうか?
国家ではないだろうな。
歴史?それも違う。
土地なのかな?
民族性を意識の外に置くと、それはイデオロギーに結びつく?
民衆を立ち上がれって。
激動の時代はこころも揺れ動く。

マレーシア映画、また観たい。
明日までやってるよ。

以上





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by zhuangyuan | 2015-04-18 18:01 | 文化、歴史 | Comments(0)
2015年 03月 14日

虎の威を借る百済

韓国出張で泊まったホテルのロビーに五重塔の模型がありました。
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日本で親しんでいる形そのまんま。

[百済時代 五層木棟 模型]

まあ日本の仏教建築も百済に教わったわけですから同じ形なんだよね。
奈良時代は渡来人ばっかりだし。

説明文も見てみると
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이木塔模型 은 6C경으로 推定되는 百済時代五層塔의 代表인 国宝級 木塔으로서 百済建築의 영향올 받은 日本 法隆寺 五層木塔 둥에 대한 考証을 거쳐 製作된 것입니다.
この木塔模型は、6世紀頃と推定される百済時代五層塔に代表される国宝級木塔として、百済建築の影響を受けた日本法隆寺五層木塔などを考証して製作されたものである。

まどろっこしくてわけわからん。

簡単に言うとこんな感じ。

これは日本っぽいでしょ?
でも本当は百済の様式なんですよ。
あの日本が誇る法隆寺だって百済建築の影響を受けてるんですよって。

でもこの模型が法隆寺を考証対象にしたってことは
韓国にはもう対象にするものがないってことじゃないの?

法隆寺の凄さは木造でありながらメンテされつつ現存してるってこと。
しかも宮大工だってずっと同じ。
これって偉大。
こんな記事も書きました。

1300年壊れずに建っている驚異の伝承。

現存してる理由はもちろん戦火を免れたってのは大きいでしょうけどね。
韓半島は常に戦場、昨日の続きが今日じゃない世界。
中国だったり、ロシアだったり。もちろん日本も攻めてった。

そこいくと法隆寺のある奈良は寺院のある風景がそのまま残されてる。
なんで?
1000年見向きもされなかったから。


そもそも6世紀のこと持ち出してオリジナルたる百済建築を語るなら、
当の百済文化はどこの影響受けてるの?

「朝鮮を知る事典」(平凡社)によると
《百済、日本との関係》の項にこうあります。

百済は中国の新文物を自国で使用するだけでなく、日本や新羅に伝え、外交、貿易などで優位に立とうとした。
このホテル見るところ観光客は中国人と日本人が多いようです。
中国語と日本語でも注釈文書きましょう。

以上

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by zhuangyuan | 2015-03-14 08:18 | 文化、歴史 | Comments(0)
2014年 12月 14日

韓国の飲み会はいつも軍隊ばなし

韓国のお客さんと忘年会。

韓国映画には軍隊の話多いよね?恋愛映画にすら軍隊が絡んでくる。
日本映画は軍隊出てこないですか?
一応日本に軍隊いないことになってるから自衛隊の話題って大ぴらに語られてこなかったんですよね。

自衛隊って撃たれないと撃っちゃいけないんですよ。
それじゃ負けるでしょ絶対。

「韓国もそうですよ。北朝鮮と戦ったって相手が撃ってこなきゃ撃てません。」

これは知りませんでした。
韓国軍は米軍の指導下にあり、先制は禁じれれているといいます。
しかも国連軍の下の米軍ですから三重構造ですって。ややこしい。

さらに話はつづき、板門店はソウルから近いよねって話から
マジで攻撃されたら、すぐにやられちゃうかもなんて。

子供のころの避難訓練なんて
化学兵器で襲われた場合を想定してたというシャレんならない話も飛び出す。

韓国、北朝鮮は現在も戦争継続中、今も月に一度は避難訓練が行われるという。
その日は町中にサイレンが鳴り響き、
サイレンの間は運転する車をとめ、
安全なところに避難しなくてはならないと。
近頃は避難場所までいかない人が増えたらしいですが車は停止するという。

ただ一方で緊張関係はあるもののスポーツの世界では統一チームなんかが作れらたり友好ムードも。

小学校の教科書には南北統一の歌が載せられれ
誰でも歌詞を暗記するくらい歌ったといいます。

北朝鮮でも同じように歌われているとのことで
スポーツ大会で歌われたりするそうです。

こんな動画がありました。
世界卓球にて。



우리의 소원은 통일!
我らの願いは統一!と歌っています。

曲名は「我らの願い 우리의 소원」

いつの日か統一は来るでしょうが現実は戦争中であり、
男子はみんな徴兵されるわけで仮想敵国はもちろん北朝鮮です。

忘年会でいっしょだった皆さんも全員軍隊に行ってます。

韓国では飲み会ネタで一番多いのが軍隊ネタだそうです。
その次がサッカーの話題。

女の子が嫌う男たちの話題ナンバーワンも軍隊ネタだって。
軍隊でしたサッカーの話が最悪だと。
男たちはいつでものその話ばっかりだって。
女の知らない軍隊では男は全員ヒーロー。
サッカーも皆んながゴールゲッター。

男性陣の間でも軍隊の話が始まると、
そろそろお開きがちかい感じるそうです。
ネタが尽きたなって。

現代日本ではありえないお話です。
そんな国がお隣に。
以上

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by zhuangyuan | 2014-12-14 22:14 | 文化、歴史 | Comments(2)