人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中華 状元への道

zhuangyuan.exblog.jp
ブログトップ
2009年 03月 22日

読書人 毛沢東

昨日図書館で文芸春秋のバックナンバーを借りてきました。
21世紀図書館 ――必読の教養書二百冊
「知の巨人」VS「知の怪物」が選ぶ 立花 隆/佐藤 優

超魅力的な組み合わせです。

娘の検査のために小児科に行きますと
予約時間に行ったにも関わらず、かなり混み合ってました。

そこで暇つぶしに久しぶりに図書館に行ったのです。

めっちゃレベルの高い対談でした。

お二人が必読の教養書ということで100冊づつ計200冊を紹介してくれてますが
なんと私が読んだことがあるのがたったの3冊。

恐ろしいほどに教養のないことがばれてしまいます。

対談の中で佐藤優さんが毛沢東にふれています。

毛沢東は文革のときに民衆を愚民化して操りやすくするために
読書能力を落とそうと考え、読書文化を絶ち、思考する脳回路を停止させようとしたとあります。

その際に利用したのが毛沢東が若いときに書いた
「書物主義に反対する」(1930年)という論文だそうです。

そこで原文を読んでみました。
反对本本主义

文革時にどう利用されたかはわかりませんが
原文を読む限り、読書をやめさせて愚民化をねらったというのではなく

書物に書かれていればそれが正しいと信じ込んでしまっている民衆を啓蒙し
また教条主義に陥って実践を忘れた読書人階級、
さらにはマルクス主義も盲目的に信じる共産党幹部に向けられた文章だといえます。

以为上了书的就是对的,文化落后的中国农民至今还存着这种心理。不谓共产党内讨论问题,也还有人开口闭口“拿本本来”

本に載っていれば、すぐに正しいと思ってしまう
民度の劣る中国農民にはこうした考えがまだ残っている。
共産党内の討論においてすら、すぐに本を持って来いなどという輩もいる。


我们需要“本本”,但是一定要纠正脱离实际情况的本本主义。
われわれは本を必要とするが、実際の状況とかけ離れた教条主義は必ず正さなければならない。


本を捨てよ、町に出よう!なんてのがありましたが
これはもっと怖い。本を燃やして革命せよ!って感じでしょうか。

かくゆう毛沢東ご本人はというと
天下にひびく読書人。

ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)

立花 隆 / 文藝春秋



この本で立花さんが紹介しています、

彼は自分専用の図書室をもって、専任の司書を置くくらいの読書家だった。P330


長征で国民党から逃げまくっているときも
常に読書は怠らなかったといいます。

ひとの何倍も読書してさらに行動する巨人には誰もかなわなかったのです。

そういえば最近中国に関しては読書ばかりで街に出ていないなあ。
去年は結局一度も中国出張なかったし。

以上

by zhuangyuan | 2009-03-22 17:29 | 文化、歴史


<< 若き日の毛沢東      迷路で歴史を辿る >>