2008年 10月 12日

王貞治と中国

王監督が引退しました。
そしてWBC特別顧問に就任。

ご存知のかたも多いと思いますが
王さんの国籍は今でも中華民国です。

王さんっていうくらいなんですから中国のかたってのは
すぐわかると思いますが国民栄誉賞を授与されているのに国籍も日本ではないのです。

以前もこのブログでも触れましたが国籍ってのはなんなんだ?
と考えさせられます。日本とは? WBC優勝に思う

引退を機に以前買った王さんのルーツに関する本を思い出しまして
出張に行ったときに読んでみました。

百年目の帰郷―王貞治と父・仕福 (小学館文庫)百年目の帰郷―王貞治と父・仕福 (小学館文庫)
(2002/12)
鈴木 洋史

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親子二代にわたる苦難の物語です。

中華民国っていうのですから台湾出身とおもいがちですが
お父さんの出身地は浙江省なのです。来日は1922年だそうです。

大陸の政府が台湾に仮住まいしているだけのもうひとつの中国としての中華民国。
今は中華民国が大陸の政府だなんて感覚は現実実がない。

今は王さんが日本人でないことなんて全く意識しませんけど
入団当時は全然違ったらしい。
金田正一が「チョウセン チョウセン」とからかわれたように
王貞治は「チャンコロ チャンコロ」とやじられていたそうです。

因みにチャンコロは大陸にいった日本軍人が現地人をののしった言葉。
中国人→Zhongguoren→チョン グオ レン→チャンコロ

そんな王さんがパスポートを取得したのは1961年だそうで
巨人がアメリカでキャンプをする際に必要になったそうです。
その際に中華民国パスポートを取った。
当時は国際的には中華人民共和国より中華民国のほうが国際的に認められていた。
ちなみにお父さんの王仕福氏は中華人民共和国の国籍だそうです。

海外に出るときの英語表記は「Sadaharu Oh」ではな「Wang Chen-Chu」と書くそうです。
ピンインでなく台湾読みです。

当時は国際政治激動の世の中、中華民国も台湾に逃げていたけれど
まだまだ元気で大陸反攻をめざしていた。

そんな政治に王さんは巻き込まれてゆく。
祖国の英雄として祭り上げられて行く。

なんと蒋介石とも会見したそうです。
まさに政治の時代です。

そして1977年に756号の世界記録を打ち立てるころには
日本中のヒーローとなるとともに
中華民国そして文化大革命の終わったばかりの中華人民共和国も
接触を開始し王さんを利用しはじめたそうです。

今は王さんをして日本人でないと意識する人は
日本にほとんどいないのではないでしょうか?
そればかりかむしろ日本人の鑑のような存在です。

そんな王さんを日本人にすることは歴史が許さなかった。
王さんも中国出身であることを意識せざると得なかった。

王さんは娘さんしかいないそうですが
3人の娘さんの名前には「理」という漢字がついています。
日本人と結婚して日本人になったあとでも
「理」の字に「王」という偏が残ることで中国の痕跡を残したかったそうです。

そんな王さんがまた日本代表を世界一に導いてくれます。
頑張れ王さん。

以上
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by zhuangyuan | 2008-10-12 16:46 | 文化、歴史 | Comments(2)
Commented by お節介じいさん at 2008-10-26 21:33 x
「チャンコロ」という言葉の由来には、いくつか説がありますが、私が聞いたのは「搶狗肉」説です。昔、中国に進駐していた日本軍兵士が、中国人が犬の肉をむさぼり食っているのを見て、この言葉が生まれたということです。この話、真偽のほどは分かりませんが、中国人を罵った言葉には違いありません。しかし、犬の肉は中国人より朝鮮人のほうが、よく食べますよね。私も中国東北を旅行した時、朝鮮族の店で食べたことがあります。味は淡白で、けっこう旨かったですよ。
在日のプロスポーツ選手や芸能人が、出身国のプロパガンダに利用されるのは悲しいことです。故テレサ・テン氏も中華民国政府に利用されて、海外で反共宣伝をやっていたようです。ちなみに、テレサの両親は大陸出身で、台湾本省の人ではないそうです。
王さんは、選手時代は「ワンちゃん」と呼ばれていましたね。私が子供の頃は、王選手が外国人だという意識は全くなく、「ワン」と言う愛称は、背番号「1」のワンだと思っていました。
Commented by zhuangyuan at 2008-10-27 21:40
お節介じいさん様
私は大久保の延辺料理の店で犬を食べました。そういえば犬もワンちゃんですね。テレサテンの反共活動といえば以前記事に書きました。見つけた写真がおもしろいので一度ご覧ください。http://zhuangyuan.exblog.jp/4712824/


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