中華 状元への道

zhuangyuan.exblog.jp
ブログトップ
2008年 08月 02日

革新のオランダと保守の中国

はじめての課長の教科書がベストセラーになっている酒井穣氏のセミナーを聴きました。

「今日のセミナーの目的は皆様に刺激を与えることです。」とのお言葉で始まったこのセミナーに
私すっかり魅了されてしまいました。

【オランダ起業したビジネスマンがみた日本の強みと弱み】
と題するこのセミナー、人とは違う自分の強みを生かせという
戦略本あたらしい戦略の教科書の著者だけあって戦略勝ちですね。

オランダの魅力をたくさん教えていただきすっかりオランダファンになりました。

オランダ人の国民性はその地理的条件によって形成されたとのこと。
国土の25%が海抜ゼロメートル以下で堤防に囲まれている。

その堤防が歴史上よく決壊したそうで
過去の人々が作った前例を大切にしない文化ができたと。

つまり常に革新的なものにチャレンジしてゆく。
安楽死、ドラッグ、売春の自由化、ワークシェアリング。

利益集団のグループが話しあう場所では民主主義的に物事がきまるが
グループのリーダーの決めたことは絶対服従する。
これは堤防決壊のときなんかに人々の意見なんかをまとめてる時間はなく
強いリーダーシップが必要だから。

なんだかどこかの国でもこんな話をきいたことがある。
そうです中国です。
中国古代の歴史はまさに黄河の氾濫との戦い。
治水を達成した者が皇帝なのです。

中国の伝説神話時代の皇帝は治水を成し遂げました。
治水は強力なリーダーシップのもと何千何万の人を動員しなければ達成できないのです。

ただ中国人の国民性がオランダ人と同じように革新性に富んでいるかといえば正反対。
超保守的です。魯迅もそう指摘しています。国民性

自らの運命を切り開いてゆくようなオランダ人の気性にくらべ
中国人は運は天が決めるという諦観が支配的。
浅田次郎の「中原の虹」にもそのあたりが描かれています。
没法子(どうしようもない)

それに比べてオランダ人はこう豪語するそうです。
「世界は神が創った。しかしオランダは俺たちが造った。」

じゃあなんで同じような自然条件にいながらこうも違うのか?

それは世界への広がりだと思います。
オランダは陸路でも海上でも周りが開けて
外へ出てゆけた。つまり困難なとき外に出る選択肢があるのです。

一方中国の中原はというとこんなふう。
北边是比较难以逾越的蒙古戈壁,西北是万里黄沙,形成交通障壁。西南是世界上最高大最险峻的青藏高原。东边面临地球上最大的海洋--太平洋,它的浩瀚无际跟地中海的情形不一样,对古人来说也是难以征服的,这么看来,地理环境对以黄河流域为中心的中华文化形成了一种隔绝机制,造成了一种内向的,求稳定的文化类型。


北は越えるのが困難な万里の長城
西北は果てしない砂漠が交通を妨げ
西南は世界で最も高く険しい青蔵高原
東は世界最大の海洋、太平洋に面し
その広大で無限の様子は地中海とことなり
古代人にとっては征服困難であった
こうして地理環境において黄河流域を中心とした中華文化は
隔絶した構造や内向的で安定を求める文化類型を作り出した。
河殤(黄河と中国文化についてはこちらを参照ください。おすすめ。)


またその氾濫する黄河はとてつもないパワーで人間の力を押しつぶした。
オランダのように人間が打ち勝てるようなレベルでなかったのです。
wikipediaによるとオランダの1953年堤防決壊で1853人が死に
これが史上最大だとしています。

一方黄河は最近のものは蒋介石が日本軍を止めるためにわざと
決壊させたんですが、これによる死者は推定89万人。
蒋介石の大量破壊兵器

あまりのパワーの前に人間は
没法子とつぶやく以外にすべはないのです。

以上
[PR]

by zhuangyuan | 2008-08-02 22:35 | 文化、歴史 | Comments(2)
Commented by rororo at 2008-08-04 08:28 x
こんにちは。
「オランダという現象」という題の一章を含む、いっぷう変わった本をお薦めします。
精神医学者・中井久夫さんの若き頃の著作『西欧精神医学背景史』みすずライブラリー。
文明史としておもしろいと思います。
Commented by zhuangyuan at 2008-08-04 21:23
rororo様
なにやらとても難解そうな題名ですね。AMAZONの書評を見るとヨーロッパを知る手がかりになりそうです。最近欧州の歴史について勉強したいと思っていました。早速発注ボタンを押させていただきました。


<< 祝 北京転勤      中体西用 vs 和魂洋才 >>