2008年 05月 11日

包公って誰だ?

昨日、産経新聞記事の原文を読んだと書きました。
その文章のある部分を読んで中国語学習者としてショックをうけました。

文章の趣旨とは関係のない些細なことです。
漢族とチベット族は歴史的にいい関係だとするこの部分です。

  汉藏两族有着共同推崇的历史人物,如孔子、关羽、包拯。

漢族とチベット族はともに同じ歴史上の人物を尊敬しています。
例えば孔子、関羽、包拯。


ん?!包拯?誰それ?

何年も中国語やっているのに
歴史の偉人に上げられている三人のうちの一人を知らないなんてちょーショック。
しかも孔子と関羽に並び称されている人ですよ。

で早速調べました。
家にある「影响中国历史进程的100位名人」には包拯が載ってない。
3人に入るんだから100人に入らないはずはないと思いもういちど精査。

包公として載ってました。

北宋の政治家で清廉潔白の代名詞だとありました。
正義を貫いて悪を裁く。

元代、明代に雑劇の題目として多く用いられて有名になったそうです。
そして海外にもその名が轟いたとのこと。
いまでも劇だとか小説、相声、ドラマだとかの題材としてよくでてくるそうです。
遠山の金さんだとか大岡越前って感じでしょうか。

でもなんで別に歴史的偉業を達成したわけではないこの方がそんな偉人としてあがっちゃうのでしょうか?

それはこんな理由です。
作为一个执法如山的清官。包拯成了中国老百姓心目中完美官吏的化身,而且具有超时代性,其知名度超过了历史上的任何一个人。人们之所以如此推崇包拯,是因为封建社会的清官太少,贪官太多。

厳格で清廉な官吏として、包拯は民の心の中で素晴らしい官吏の理想となり
時代を超えて、その知名度は歴史上の誰よりもうえとなった。
人々がかくも包拯を崇めるのは、
ひとえに封建社会において清廉の官吏は非常に少なく、貪欲な官吏ばかりだったからなのです。


要は悪い奴ばっかりだったんで品行方正清廉潔白の士が崇められたのです。
今でも崇められてるってことは....。

一つくらいはどんな事跡があるのか知りたいと思い読みました。包公断案之一---智斩鲁斋郎

鲁斋郎という人はとんでもなく悪い奴でしたが
皇帝のお気に入りだったんでやりたい放題で誰もとがめられない。

いい女がいると人妻でも連れ去って、子どもは捨ててしまう。
そんな奴は許せんと包公登場。

成敗するには皇帝の許可がいる。そこで一計を案じます。
皇帝に奏上する書類にこう書きます。

’鱼文郎’一犯,残害百姓,强抢妇女,逼死人命,罪大恶极,拟斩决

鱼文郎は民を苦しめ、婦女を強奪し、死に至らしめ、極悪非道、斬殺すべし。

そして皇帝にサインをもらう。

で家に帰って鱼の下に日を書いて、文の下に而を書き入れる。
鱼文郎→鲁斋郎

こうして皇帝のお墨付きで死刑執行です。めでたしめでたし。

これって公文書偽造でしょ。これが天下のヒーローかというとなんか違和感ありますね。

以上
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by zhuangyuan | 2008-05-11 08:57 | 文化、歴史 | Comments(3)
Commented at 2008-05-12 23:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ブンブン at 2008-06-21 00:24 x
すごいですね、中国にこれほど詳しいのが意外です。
ご意見もかなり深刻で、読めば読むほど、味が出る。
Commented by zhuangyuan at 2008-06-21 07:24
ブンブンさま いらっしゃいませ。詳しいといいますか好きなんで調べてるんです。そうするとどんどん興味が沸いてきます。中国の歴史こそ読めば読むほど味が出てきます。


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