中華 状元への道

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2007年 10月 21日

檄文

中国的レトリックの伝統
井波 律子 / / 講談社

を読みました。

最初に「悪態の美学」として陳琳という人物を紹介しています。
この人は三国時代に生きた人で檄文で身をなしたそうです。

袁紹のために曹操をこき下ろした文は特に有名だそうで

曹操の祖父が極悪非道の宦官でその養子である父親も金で官位を買った
悪党であったとし
操赘阉遗丑,本无懿德,僄狡锋侠,好乱乐祸。

その息子の曹操も宦官の汚らしい子孫で、元から徳などなく、ずる賢くて
乱を好んで、禍を楽しむ。

とつづく。

いかに曹操が悪い奴かを徹底的に書きまくり戦争を有利に運ぼうとする。

お前の母ちゃんでべそ!くらいなら笑って済ませますが
お前の爺ちゃんち〇ぽなし(宦官)!!といわれて
それがまた真実だったらホント気が抜けるほどダメージをうけちゃうでしょう。

まさにペンは剣よりも強し。

こんな文章が1800年の時を超えて今も紹介されてるんですから
曹操もたまったもんじゃありません。

中国ではこの檄文というのが一つの文学のジャンルとして様式なども確率してるんですって。
百尺の戦車も、短い文章で打ち砕くそうです。
そんな昔から檄文が確率してるわけですから
現代においても日本をこき下ろすなんてお手の物なんでしょう。

日本や蒋介石やはたまた四人組なんかを批判した文章を
その中身はともかく芸術として読んでみたらなかなか面白いかも。

確かに四人組というより四人帮というほうがはるかに悪そうだし
満州国だって伪满洲というだけでなんだかまがい物に思えてきます。
恐るべし檄文文学。

でも最近にものは文学的にいったら稚拙な感じが多いですね。
特にネット上の罵りなんてのはレベルが低い。
ただ罵り言葉を連呼するだけで重みがなく嫌悪感だけを与える。
今の皆さんも陳琳を研究して芸術的に深みのある重層的な檄文を放ってもらいたいものです。

この陳琳さん何も曹操を恨んでたわけでもなんでもない。
一人の檄文のプロとして文そのものに一球入魂してただけなんです。
その証拠に袁紹が曹操に敗れると今度は曹操のもとで檄文を書き続けたそうです。
もちろんそこでは曹操を激賞するのです。まさにプロです。

雇う曹操も相当な大物ですね。
でもさすがに雇う時に以前の檄文を例に挙げ
自分を責めるのはいいけどおじいちゃんまで言うなよと泣き言をいったそうです。

お爺ちゃんは自分で選べませんから。

以上
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by zhuangyuan | 2007-10-21 21:22 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)


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