2007年 08月 15日

御用新聞

昨日は大阪の妻の実家に遊びに行っていた家族を迎えに東京駅に行きました。
荷物を持ってやり丸の内線に乗り込みます。
終点で降りるとき、息子がぐずっており、肩車してくれとせがみます。
電車を降りてから肩車してやり、さらに乗り換えのため移動しました。
改札をくぐりホームまで来ると、何か違和感を感じます。
ああ~!地下鉄にバッグ忘れたー!

急いで走って地下鉄に戻ります。
止まっている電車をひととおり探しますが見当たりません。
駅員さんに尋ねると既に発車した電車に捜索をかけてくれるとのこと。

事務室で待ちます。

どんなカバンですか?
白の肩掛けカバンで紫の花模様です。

何が入っていますか?
わかりません。

なんか言ってて、怪しまれるのではないかと思い
聞かれてもないのに説明します。

いや私のではなくて妻ので旅行に行っていたのを迎えにいったんです。

なんていいつつ待ちますが全然見つかりません。

結局一時間後、終着駅で見つかりました。
中身があっているかチェックしてください。と駅員さん。
「麦わら帽子、飲みかけのコーラ、お菓子..。」
ああありえますね。

なんか中身を聞いて捜索がばからしくなりました。
でもせっかく見つかったんですから終着駅まで取りに行きました。

真夏の地下鉄で汗をかきながらの捜索でしたが
かなり待たされたので、読みかけの本がずいぶんと進みました。
先日買った「毛沢東暗殺」(伴野朗)です。

かなり満足しました。
この作者は新聞社の中国駐在だっただけあって相当の中国通。
コネタも満載で面白かった。

毛沢東暗殺という題名ですが基本的には林彪の話です。
公式には毛沢東の後継者と定義された林彪が毛沢東を暗殺しようとして、
クーデター未遂に終わり飛行機で逃走途中に墜落して死亡。でもその真実は?

史実とフィクションの境がどこかわからないのですが妙に真実味がありました。
ミステリーってことで歴史の証人が出てきますがここはちょっとわざとらしいのですが
それも逆に真実をフィクションに見せるために配置してるだけなのかと疑ってしまうくらい
ありえそうで怖いお話でした。
ミステリーですからネタばらしはいけませんので書きません。

林彪の事件に関しては今でも謎が多いらしいのですが
当時は文革中の中国ですしインターネットもないのですから徹底した報道管制がしかれています。
そんな時主人公は林彪失脚をスクープします。
といいますかスクープになるべきのネタを仕入れますが没にされます。
それで新聞社をやめるのです。

その時の描写が面白い。
作者は朝日新聞出身ですので朝日新聞をさしているのでしょうが
当時は各新聞社特派員が続々と国外追放になっていた時期で
その主人公のいた中央日報は中国政府の意思に反するものは書かないと徹底していたそうです。
なんでも「われられは歴史の証人を確保する。そのためには中国を刺激する記事を書かないことだ!」との方針です。

ちょっとネットで調べると
この話は本当だったみたいで当時記者の伴野朗氏が林彪失脚を記事にしようとして
ボツにされたそうです。

朝日新聞は今でも変わりませんが傲慢な態度ですね。
歴史の証人を確保するっていったって報道しないんではただのジコマンで
存在意義がありません。
中国にいつづけたい気持ちはわかりますが偏向報道は害悪でしかありません。
wikipediaによると文革中にどんどん他社がいなくなって朝日一社しかなかった時期もあるそうです。
林彪事件に対する朝日新聞の当時の態度は今でもかなり批判されているようです。
「歴史の証人」は何を報道したか

主人公はここでいやになってやめちゃうんですが
作者の伴野氏は89年に辞めてます。
結局その時はやめれずに小説に書いて鬱憤を晴らしてるんでしょうかね。
89年は天安門ですからその時にまたなんかあったんですかねえ。
そのへんも小説にしてるのかな。また読んでみよう。

以上
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by zhuangyuan | 2007-08-15 22:11 | 文化、歴史 | Comments(6)
Commented by H-Miki at 2007-08-16 13:19 x
ご無沙汰しております。
コメントは久ーしぶりですが、定期的に拝見しておりました。

「伴野朗」の本は学生の頃好きでよく読んでいました。
さっきアマゾンで探索したら、けっこうたくさん小説を書いているんですね~!
私が読んでいた頃(文庫本のみ)は作品リストはもっともっと少なくて
「早く新しいの(文庫本)でえへんかなぁ~!」と思っていたのですが(笑)。

私は初期の作品しか読んでいませんが、「五十万年の死角」と「三十三時間」が当時は「凄く面白いなぁ~!」と、わくわくしながら読んだ伴野さんの小説でした。
Commented by zhuangyuan at 2007-08-16 21:44
H-Mikiさま
定期的に読んでいただいているなんて感激です。
私はまだ伴野朗は二冊目のビギナーです。「五十万年の死角」はデビュー作らしいので渾身の力を込めて書いたんでしょうからきっと面白いはず。こんど古本ハンティングで狙ってみます。
Commented by dashi at 2007-08-18 10:12 x
若い人にはわからない話でしょうが、私は朝日新聞にすっかり騙されました。文革礼賛一色だったからな~。
田舎のことで他にたいして情報源もなく、朝日の記事を鵜呑みにしてました。当時ネットがあったら私の人生もずいぶん違ってただろうなーー。
ワイルド・スワンや大地の子で文化大革命の実態がだいぶ広く知られるようになりましたね。
私は中国でアーイーさんに生の体験談聞いて衝撃受けたりしました。

Commented by えびりん at 2007-08-19 14:24 x
私は前半について,一言・・・

お疲れ様でした!
Commented by zhuangyuan at 2007-08-23 21:19
dashiさま
以前は一般の人が情報を得るといえば新聞くらいしかありませんから朝日も力があったんでしょうね。でも礼賛って例えばどの部分を評価してたんでしょうか?
Commented by zhuangyuan at 2007-08-23 21:20
えぴりん様
私は迎えに行かなかったほうがよかったかもしれません。
まさに一人相撲でくるくる回ってなにをやってるのかわかりませんでした。


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