中華 状元への道

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2007年 08月 05日

激烈権力闘争

先日インドへ出張の際、三冊本を持っていきました。
移動が多かったせいですべて読み終わりました。

一つはインドですから少し勉強すべしと思い「インド世界を読む」(創成社新書)。
出版社名すら知りませんでしたがコンパクトに文化、歴史、政治経済などが詰まっており有用でした。

二冊目は「翳りゆく夏」(講談社文庫)。疲れる旅は息抜きも必要と思い、ミステリー。
20年前の誘拐事件事件の謎を追及するお話。
意表をつく展開で面白いんですが皆が不幸を背負いすぎてあと味が悪い。
私はハッピーエンドが好きなんです。

最後は「北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)
中嶋 嶺雄 / / 講談社
ISBN : 4061595474
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インドで中国本はどうかと思いましたが、以前から本棚に眠っており
硬い本は時間があるときでないと読めませんので携帯しました。
おかげでモンスーンのインドですっかり文革の世界に浸かってしまいました。

インドも他民族国家ですから外国勢力も絡まって激しい権力闘争があるんでしょうけど
名前がカタカナになると歴史ものを読んでもすっと頭のなかに吸収されず興味が薄れます。
中国になると俄然興味が沸いてくる。インドの空港で硬いベンチに座りつつ
壊した腹の調子とひりひり痛むお尻を気にしつつ文革の激闘に没頭しました。

文革は結局権力闘争だったわけですが
人間の権力欲とはかくも強いものなのかと関心してしまいます。

文革発動時、毛沢東は70歳を過ぎていたのですが、国家主席を劉少奇に譲り
権力移行が進んでいたんですから、名誉ある革命の第一人者として余生を送ればいいものの
権力を奪われると思いきや北京を脱出し体勢を立て直して民衆を扇動して
大逆転攻勢に転じる。
たぶん中国では余生をゆっくり過ごした権力者なんて歴史に存在しなかったんでしょう。
一度権力を失うと徹底的にたたかれる。

劉少奇なんて国家主席なんですからそれが何で学生につるし上げられて
そのまま復活できないのか全く理解できません。
民衆も権力者も時の流れ、天命に敏感で、流れの方向に一緒に流れるしかないんでしょう。
黄河の氾濫に対する農民の無抵抗な諦観と同じようなものでしょうか?

権力奪取は大変な困難を伴うのでしょうが失うのは一瞬です。
毛沢東はその辺をずっと歴史で学んでますから誰も信じなかったんでしょう。
林彪なんて自分で接班人(後継者)に指名しておいて、権力を移りそうになると追い落とす。
時の国家トップが軍用機で他国に脱出しようとして撃ち落されるなんて想像もできない世界です。
日本で小泉独裁とかいったってホント可愛いもんです。安倍さんが小泉暗殺失敗して
北朝鮮に逃げ込むなんてありえない。刺客を送るっていっても小池百合子ですから迫力ないです。

江青なんて権力失ったら即死刑です。恐ろしすぎる。
大体女優上がりのオバちゃんが権力握れるってのもよくわからない。

華国鋒はただの温厚なとりえのないアンパイで跡継ぎになったのかと思えば
秘密警察のトップでしかも毛沢東の隠し子説まであるそうで全くおそろしいものです。

そんな権力闘争を何度も失脚しながら復活し今日の発展の基礎を築いた鄧小平
はやっぱりすごい。第二次天安門で学生を木っ端微塵にしたのも
それまでの権力闘争を振り返るとよく理解できます。
その力は再び失ったら二度と取り戻せないと思ったんでしょう。
当然学生のバックには何か巨大な勢力があると考えたのでしょう。
歴史に学んでますから。

でもこの大激闘で最後まで失脚することなく生き延びたのは周恩来。
毛沢東の絶対服従者だとして昨今批判本も多いですが
周恩来がいなかったらもっとめちゃくちゃになっていたことは間違いない。
人間、大きな歴史の潮流には逆らえませんし、歴史的巨人のそばにいては
逆らったら勝てませんから、流れに身をゆだねつつ、最善の道をとる。
これが唯一の生きる道だったんでしょう。

私と同年齢の知人は周恩来が死んだ日を今でも覚えているそうです。
幼稚園に行くと、何かただならぬことが起こったことが感じられたそうです。
先生たちや大人たちが皆、深刻な表情で暗く沈んでおり、沈鬱な雰囲気が街を包んだそうです。そして皆が敬愛する周恩来同志が亡くなったことを知ったそうです。

天安門も自然と献花であふれたとこの本にもあります。
この時代の激動の中国において彼は民衆の心のオアシスだったんでしょう。
こうした人物がいることで救われますね。

以上
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by zhuangyuan | 2007-08-05 16:52 | 中国関連DVD、本 | Comments(13)
Commented by ケイチー at 2007-08-06 08:12 x
「翳りゆく夏」聞くのは初めてです。作者も知らない人だなあ。ミステリーは常にチェックしているのですが。私も読んでみようかしら。

中国の歴史はどのようにとらえたらいいのか、難しいですね。いろいろな側面があるようで。どちら側から見るかにもよりますし。
一人の政治家の功罪についても、簡単には判断できないようです。
Commented by xia at 2007-08-06 22:48 x
最近看的一本书我推荐您也看看,是余华的<<许三观卖雪记>>. 因为故事的背景和您这篇文章一致,但写的是小老百姓的故事.
平实的描述,深刻的寓意,所以被翻译成好几个国家的语言出版.就像鲁迅先生的文章一样,沉重得让人难过.但不可否认是一本好书.
Commented by zhuangyuan at 2007-08-08 21:05
ケイチーさま
「翳りゆく夏」は江戸川乱歩賞受賞というだけあってなかなか面白かったです。私はミステリーは人から薦められたり書評で絶賛されているのしか読みません。外れると後悔しますから。
Commented by zhuangyuan at 2007-08-08 21:07
xiaさま
<许三观卖雪记>は雪でなく血(xue)のようですね。売血記なんてのはグロテスクですごいですね。今度中国行ったら探してみます。
Commented by xia at 2007-08-08 23:15 x
啊呀,是我打错了!
Commented by ケイチー at 2007-08-16 07:00 x
「翳りゆく夏」読みました。
文章があまり上手じゃないのと、登場人物が「いい人」過ぎるのが気になりましたが。
(地位のある人で、あんなに高潔な人物は少ないと思いますよ)

話しは面白かったです。ほとんど一気読みでした。

「中原の虹」なかなか読むきっかけがありません。
「金庸」の小説も、最近背中を押されている気がするのですが「面白くない」と言う評判ばかり耳に入ってくるので。
食指が動かない~
Commented by zhuangyuan at 2007-08-16 21:32
ケイチーさま
確かに「翳りゆく夏」は不幸なのにいい人ばっかり。悪人の子どももなぜかいいひと過ぎます。違和感を感じました。金庸は私も挫折しております。でもいつかは通しで読んでみたい。
Commented by ケイチー at 2007-08-18 15:39 x
あまりに「いい人」すぎるので、「こいつが犯人に違いない!」と思ってしまいましたよ。
騙されました。これも作者の意図?
Commented by ケイチー at 2007-09-04 09:05 x
徳間文庫フェアとかで、金庸の小説を売り出していますね。
「神鵰剣俠」(しんちょうけんきょう)読みました。
    原題は「神鵰俠侶」(しんちょうきょうりょ)

あ~翻訳悪いですねえ。稚拙と言うか。小学館文庫みたいな。
先にテレビドラマのDVDを観ていたので、それを頼りに読んで行ったのですが。DVDの助けがなければ、途中で放り出したかも。
何とか一冊読み終えました。

ストーリーそのものも、面白い?かなあ?
女性の描き方が三文ポルノみたいですよ?

せめて、もう少しまともな翻訳にしてほしいものです。
日本にも中国小説を書く文豪がいらっしゃいますので、いっそ、その方たちに書いて欲しい。
Commented by zhuangyuan at 2007-09-07 21:18
ケイチーさま
金庸の翻訳はホントだめですね。岡崎さんとかいう女性がすべての翻訳に絡んでますが武侠小説を女性じゃ描けないでしょう。骨のある文章で訳してほしい。でも中国語原本もちょっと読みましたが主人公はなんだか女々しいのです。
Commented by ケイチー at 2007-09-16 09:02 x
同じ徳間文庫でも、「射鵰英雄伝」は良かったです。
翻訳が違う人でした。「金 海南」さんですって。
監修はどちらも岡崎由美さんですが。

同じ金庸でも、こんなに違う作風になるのかとびっくりです。
といっても、唐突な話しの展開にはついていけなくて、やっぱり肌に合わないですが・・・
妖術を使った大技も、かえって興ざめで。

しかし、こいういった話を好きな人が熱狂するのは、わかる気がします。

でもケーブルTVで中国の任侠ドラマが放映されていますが、せっせと宣伝しているわりには、盛り上がっていませんね・・・・。
アメリカドラマの「24」だの「プリズンブレイク」だのに比べたら、話しにならない。
レンタルビデオ屋にも、米国や韓国ドラマが棚いっぱい並んでいて、中国の任侠ドラマは隅の方に「その他アジア」として少しだけ。

日本に受け入れられないのは、何故か。
状元さん分析してみませんか?
Commented by zhuangyuan at 2007-09-17 13:25
ケイチーさま
私はその「射鵰英雄伝」も二巻目を終わって中断しています。私歴史ものは大好きですが戦いの場面がどうもなじめません。武侠小説というくらいですから戦いが面白く感じないとだめなんでしょう。中国語で読むには長すぎて度胸が足りません。
Commented by チャオス at 2008-04-17 21:40 x
http://www.wretch.cc/album/show.php?i=ryokaiggg&b=1&f=1790095892&p=0

神鵰剣侠ドラマ ↑ 自分の幻想~ハハ^^
私は台湾人でございます~


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