2007年 06月 25日

頑張れ張作霖

先日、浅田次郎の「中原の虹」の一、二巻を近所の古本屋で見つけて購入しました。
発行当時からいつか古本屋でゲットしようと思っていましたがなかなか出会えませんでした。

浅田次郎を最初に読んだのは「蒼穹の昴」でした。当時は中国語を始めるまえで
特に興味があったわけではないのですが題名に強く惹かれました。
それまでなんの感情も抱かなかった清朝が様々な色に彩られて見えてきて
急に中国に興味がわいてきました。

それから浅田本にはまり何冊か読みました。
彼の本は登場人物がすごく魅力的。
蒼穹の昴なんかは特に種種多彩なメンバーが登場してきてわくわくしました。
それまでのイメージが一変した西太后や康有為、、譚嗣同、柴五郎なんかもいい味だしてた。
乾隆帝なんかも出てきます。

「日輪の遺産」のマッカーサーもよかった。

そこで今度の「中原の虹」。とりあえず一巻目読みました。
主役は張作霖です。
これはびっくり、意外なお方の登場。
でも浅田さんに書かせると魅力的なヒーローになっちゃいます。

これまでの張作霖のイメージはというと、
馬賊=盗賊あがりで政治的野心むき出しで、
己に利すると考えれば、清朝でもロシアでも日本でも何でもok。
挙句は野心が大きすぎてもてあまされて爆殺されちゃう中途半端な夢想家というもの。

以前に読んだ胡桃沢耕史が日本人馬賊を描いた「闘神 伊達順之助伝」にも張作霖が登場しますがここでも中途半端な人物として描かれていた記憶があります。

満州某重大事件とされた爆殺事件前にはソ連と手を握って日本を追い出そうとしたなんて説もあります。
最近ではその逆でソ連がいうことを聞かなくなった張作霖を煙たく思い暗殺した。
その実行を洗脳された日本人将校が行ったとの説まで出てきました。
張作霖爆殺「ソ連が実行」
いずれにせよずる賢いイメージです。

でも浅田次郎が書くと数億の民の貧困と飢渇を憎み、それと戦うために
馬を駆け、民から圧倒的支持を受け慕われる馬賊の青年リーダーになってしまう。

でも考えてみればあの広大な満州の地を馬に乗った青年が統べるには
相当な人格者でなければ民が着いてくるはずはないのです。
歴史は勝者が書くわけで彼は勝者ではなかった。

先日大陸出身の友達と飲んでいたときに蒋介石の話になり
彼は相当の人格者であり有能な実力者で民に慕われていたと言ってました。
大陸で蒋介石なんて悪の権化のごとき評価なので意外な感じがしましたが
これもまた勝者の歴史。大中国でナンバーワンになるのは徳がないはずはない。

張作霖もそうなんです。
圧倒的な自然の力と悪政の前になすすべなく
「没法子」(どうしようもない)とつぶやき餓死していく民衆を背に民の幸福のために戦う張作霖。

なんか好きになっちゃいそうです。
頑張れ張作霖!
早く次に進みたい。

以上
[PR]

by zhuangyuan | 2007-06-25 22:47 | 中国関連DVD、本 | Comments(4)
Commented by ケイチー at 2007-06-26 22:44 x
来ましたねえ、「中原の虹」。
いつ取り上げてくださるかなと、ずっと待っていましたよ。
しばらく、新聞の大きな広告とか、本屋の平積みとかやっていましたね。

まさか状元様が、古本が巡ってくるのを待っていたなんて。やられちゃいましたワ。
私も早く「中原の虹」読みたいです。
Commented by じょめいめい at 2007-06-26 23:04 x
張作霖か、正直に言えば、あんまりいいイメージはないです。多分中国人はみんなそうです。軍閥はやはりいい人ではないと子供の頃から教わりました。
Commented by zhuangyuan at 2007-06-28 21:56
ケイチー様
私は図書購入の80%は近所の古本屋です。ふつうの本屋にはほしい本が多すぎます。古本屋だとたまに出てくる。この出会いがいいですね。因みに今日は珍しく新刊本を3冊買っちゃいました。
Commented by zhuangyuan at 2007-06-28 21:59
じょめいめい様
日本人の張作霖イメージもおんなじだと思いますよ。ただそれがヒーローになるところが小説の醍醐味です。でも中国では歴史上人物の評価は時の政権が決めちゃいますから自由な発想がしばられてしまうかもしれません。悪者は腹のそこから悪者って感じで。


<< 満州料理      五大陸を駆ける 伊藤長七 >>