中華 状元への道

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2006年 11月 12日

魅惑の女 魚玄機

奇人と異才の中国史
井波 律子 / 岩波書店

を読んでましたら非常に気になる異才を見つけました。

魚玄機といいます。ここで知るまで聞いたこともありませんでした。
晩唐の女性詩人です。

次の詩が印象に残りました。
游崇真观南楼,睹新及第题名处

云峰满目放春晴,历历银钩指下生。
自恨罗衣掩诗句,举头空羡榜中名。


崇真观南楼で遊び、新及第の題名の処を観る

雲峰 満目 春晴を放つ
歴歴たる銀鈎 指下に生ず
自から羅衣の詩句を掩うを恨む
頭を挙げ空しく羨ましむ榜中の名


春の光のもと科挙試験の合格者のリストを眺めて
自分が女であるゆえに詩句の才能も世に出ることはなく
ましてや進士に及第することなど望むべくもないことを恨んでいるのです。

この美しい妓楼の娘で詩を嗜んでその才能を認められたそうですが
その実、心の中は男の雄心にあふれていたのです。
この空しさは耐え難いものでしょう。

でもこの男に憧れる美しい女性も最後には
旅のおとこに惚れてしまい、女の情念に溺れ、
自分の恋人の浮気を疑い、侍女を殺してしまうのです。享年26歳。

この本で紹介がありましたがこの魚玄機を森鴎外が小説にしています。
ネットで検索して見つけ、読んでみました。魚玄機

さすが文豪森鴎外。この魅惑の才女が生き生きと描かれ、私が惚れてしまいました。

突出した詩才を持つこの美しい女性は、
若き日には男が美しさにに惹かれやって来ても
見向きもしませんでした。

しかし年を重ねるごとに女になってゆく。
そして側室として嫁ぎますが正妻に疎まれ離縁し、
その後悲嘆にくれ女道士となります。

そのころの彼女がどのくらい美しかったか。森鴎外は描きます。
眉目端正な顔が、迫り視るべからざる程の気高い美しさを具えて、新に浴を出た時には、琥珀色の光を放っている。豊かな肌は瑕のない玉のようである。

そしてついにはその才能ある熟女魚玄機も若い少年に没頭してしまうのです。
そして情念深い女に堕ちてゆき、浮気を疑い侍女を殺害してしまうのです。

人生いろいろ、女もいろいろ。

私はこの才女を狂わす若き恋人、陳某に嫉妬心すら抱いてしまいました。

以上
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by zhuangyuan | 2006-11-12 21:03 | 文化、歴史 | Comments(0)


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