中華 状元への道

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2006年 10月 29日

人口大爆発

貝と羊の中国人
加藤 徹 / 新潮社
を読みました。その中の一章に「人口から見た中国史」というものがあり、王朝の栄枯盛衰を人口
の増減との関係で述べています。

 歴史的に国が栄えると人口が増え、時期に多くなりすぎた人口を養えなくなり、
王朝への不満が爆発し争乱になり、王朝が滅びる。そして新しい王朝のもとの平和な世に
だんだんまた人口が増えていく。こんなサイクルが何度も繰り返してきた。
でもわかっていながらこれを回避できた王朝はなかったとのこと。

 で今の共産党中国は人口爆発を抑えるためいわゆる一人っ子政策を採っています。
でもスタートが遅すぎた。実は1957年に早くも人口抑制の必要が唱えられたのですが
毛沢東が批判し、採用されませんでした。

 そして結局人口爆発。で遅まきながら1979年にやっと一人っ子政策開始。
1957年に6億5千万弱だったのが1979年には9億7千万人に!!

“错批一人误增三亿” 一人を批判して、三億増えちゃった!


なぜ毛沢東が批判したのか?
著者いわく、アメリカとの全面核戦争に人海戦術で対抗するために人口を増やしたかったと。

この批判された人は当時の北京大学学長、马寅初といいます。
私の持っている「中国の歴史に影響を与えた100事件」という中国語の本にも
このことが載ってます。

4000年の歴史の100事件の中の一つに数えられ
「批判马寅初」(馬寅初を批判する)という題になってます。
北京大学の方が編集なのでちょっと贔屓めかもしれません。

何故批判されたのかがり知りたくて読んでみましたがさっぱりわかりませんでした。
当時右派との闘争のなかで彼の提出した人口論は次の批判をされたとのこと。
①マルサス主義である。
②社会主義を否認している。
③6億の人口はまだ少ない。

これに対し馬さんは対抗して言ったそうです。
“有人说我是马尔萨斯人口论,我姓的是马克思的马,不是马尔萨斯的马!”

私の説をマルサス人口論だと言う人がいるが、私の姓「馬(マ)」は
馬克思(マルクス)のマで馬尔薩斯(マルサス)のマではないのだ!


おもしろい!

毛沢東は経済オンチですが歴史に詳しいですから
過去の王朝と人口との関係を知らないはずがないですから
学術的には正しいことはわかってたんでしょう。
でも右派を倒すため、アメリカに勝つために批判したんでしょう。

当時毛沢東は中国のすべてですから彼が批判したらすべて終わりです。
ある馬さんを批判した人は言ったそうです。

“毛主席的话一句顶一万句。即使过一千年以后也是对的”

毛主席の一言は一万の言葉より上を行くのだ!千年経っても主席は正しいのだ!


「拍屁」(おべっかを使う)、ここに極まれり。

お後がよろしいようで。

以上




 
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by zhuangyuan | 2006-10-29 17:38 | 中国関連DVD、本 | Comments(4)
Commented by かめ at 2006-11-01 15:42 x
「人口越多越好。」と毛さんの言葉が残っています。
ところで、日本は人口が減り始めました。これは本来良いことではないでしょうか? 少子化対策などと場当たり的な事で大事な国政を混乱させずに、人口7000万人で今のGDPを維持できるような効率化社会を作る事をまじめに検討すべきです。 狭い土地、満員電車、人だらけの観光地、これ以上人口増やさないでほしい。 小学校の頃の授業で人口増加は将来の問題となる、とちゃんと教えてました。 ちょっと減ったくらいで騒がないで欲しいものです。 
しか~し、年金制度の崩壊だけはその中にあっても回避しなければなりません。 結局税金の直間比率を大幅に改正する中で消費税のアップしかないでしょう。
Commented by zhuangyuan at 2006-11-01 21:48
かめ様
実際毛さんの言ったとおり、今の中国の強みは、安くて豊富な労働力と、将来の市場としての魅力だと思いますが、それは両方とも人口が多いことで成り立っていますから一面真実ですよね。今は餓死者もいないし。
あと確かに日本は人が多すぎます。渋谷駅なんかにたまに下りると気持ちが悪くなるほどの人ごみです。
Commented at 2006-11-01 21:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2006-11-01 22:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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