中華 状元への道

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2006年 10月 15日

中国映画 「東京裁判」

先日、日本在住の中国人の方から中国出張のお土産をもらいました。
「状元さん、中国で面白いもの見つけましたので買ってきましたよ。
東京裁判の映画のDVDです。」
彼には先日、小林よしのりの「いわゆるA級戦犯」という本を上げたので
そのお返しみたいなものです。

「うわーいやな映画ですね。どうせ宣伝映画でしょ?ご覧になりました?」
「まだ見てません。でも盗版ですけど映りは良かったです。」

「昔の映画ですか?」
「今公開してすごく流行ってるみたいです。」

ということで昨夜その映画
「東京裁判」(东京审判)を家で鑑賞いたしました。

夜、HSKの聴力の模試を一回分やって、まだ体力が残っていましたので
DVDでも見ようかという気になりました。
昨夜は妻もこどもたちも皆して風邪をひいて早く寝てしまいましたので
ゆっくり鑑賞するチャンスでした。

DVDをセットしようとしたところ挿入口が開かない。
リモコンも見つからない。
なんかこの映画をみるなといっているような感じ。

やっとリモコンは見つかったのですが
結局挿入口は開かず断念しました。
一年半ぐらい前に買ったリージョンフリーの安物DVDプレーヤーでしたので
いつ壊れるだろうと心配してましたが、とうとうその日が来ました。

せっかく時間があったのにもったいないとおもい
今度はPCのDVDでトライしました。
PCはリージョンコードが日本用なのでだめだろうと思いつつトライすると
リージョンコードを変更することができました。
変更には限りがありますが、まあ語学勉強以外にはDVDなんてみないからまあいいでしょう。

19インチのモニターでしたから見栄えはok。
画面からちょっと離れて、妻のロイドチェアーに座り、スコッチの水割りを片手に
部屋を暗くしてムードを出して鑑賞しました。

で肝心の内容はといいますと、まあ想定の範囲内といったところでしょう。

9月に公開されたらしいのですが、
昨今の日中関係に楔を指す意味で作られた宣伝映画ですね。

東京裁判に唯一中国(中華民国)から判事として参加した梅汝璈が主人公です。
DVDの箱にこうあります。
中国人在国际舞台上第一次成功地用法律武器捍卫自己尊严的故事
(中国人が国際舞台において初めて成功裡に法律を武器として自己の尊厳を守った物語)


では何が自己の尊厳なのか?

まず主人公は判事の席次で主張します。
初めはアメリカ、イギリス、中国の順で決まっていたものを
中国を二番目に引きあげる。

中国がこの戦争の一番の被害者で日本を裁く権利をもっとも有しているのだと主張します。
これが第一の尊厳維持。

もうひとつは最後の場面。
戦犯を有罪にすることは決まっていた。
だが判事団は死刑を適用するかで紛糾していた。
そこで梅さんの登場。
死刑なしでは中国民衆は納得しない、日本軍国主義の亡霊を復活させないために
絶対に死刑にすべきだと判事たちを前に演説し
最後に6対5の僅差で死刑が決まるのです。

彼が法の正義を武器に死刑の流れを作ったと英雄視して終わりになります。
悪の権化東条を裁いたのはアメリカでなく、我々中国人なんだ!どうだまいったか!
といいたい感じです。

ほんと政治色の強いこの映画は最後にテロップで次の情報が流れます。

7人のA級戦犯は死刑にされたが
その他のA級戦犯、岸信介、児玉 誉士夫などは釈放された。
死刑になったA級戦犯も現在は靖国神社に合祀されている。


小泉さんとついでに安倍さんまでにらんでチクリとやるわけです。

中国の方がどういった反応をされるのか中国の映画館で見てみたいものです。

ところでこの映画の訴えるメッセージはすでに陳腐化したものの焼き押しにすぎないと
感じましたが、この映画をさらに安っぽいものにしているのは俳優たちの日本語の下手さ加減。

あまりにひどい。
有名な女優や俳優らしいのですがもっと練習してくれって感じです。
語学学習者としては怒りすら覚える。

まず発音もあいまいで、イントネーションもめちゃくちゃ。選ぶ言葉も適切でない。
この映画は中国語、英語、日本語が使われ、DVDでは中国語字幕でしたが
日本語部分は何いってんだかさっぱりわからないので画面ちかくでよく聞いたのですが
それでもちんぷんかんぷん。
それに裁判以外のドラマはチョー安っぽい。
戦争帰りの中国人嫌いの日本人青年や従軍慰安婦あがりの日本人女性なんかが
登場し、みんな日本語がたどたどしい。

即席で作った映画であることは一目瞭然です。
まあ有名俳優を使った分制作費は高くついたんでしょうけど。
F4とかいうアイドルグループの一人を配したりしてますので
ただのアイドル好きとかも見に行ったりしてまた日本のイメージがわるくなるんだろうなあ。

以上
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by zhuangyuan | 2006-10-15 09:11 | 中国関連DVD、本 | Comments(8)
Commented by しゃおりん at 2006-10-16 00:24 x
初めまして。「中国メディアウォッチ」のしゃおりんと申します。トラバありがとうございました。中国映画 「東京裁判」 の鋭い論評、目からウロコの思いで拝読しました。これからも時々覗かせていただきます。
Commented by 熟悉的陌生人 at 2006-10-16 20:47 x
听朋友说这部电影了, 中国国内都把它当作爱国片来看,用来教育人民大众, 所以影片里的日语才古怪, 因为不会有日本人去合作演这不片子的. 我个人不太喜欢这种做法.
Commented by zhuangyuan at 2006-10-18 21:16
しゃおりん様
コメントありがとうございました。こんなマニアックな映画見てる方は少ないんだろうと勝手におもっていましたがブログで紹介されていてびっくりいたしました。私も御ブログで勉強させていただきます。
Commented by zhuangyuan at 2006-10-18 21:23
熟悉的陌生人さま
愛国映画であればなおさら丁寧に作りこんだほうが説得力があると思います。日本人が演じなくとも言葉の部分だけでも監修してもらえばぐっといいものに仕上がったと思うのです。
Commented by TIANSHU at 2006-10-22 07:27
映画は別にして、まず試験を頑張りましょう。
Commented by zhuangyuan at 2006-10-22 18:00
Tianshuさま
確かにおっしゃるとおりです。もっと勉強していればいまごろ…。
Commented by yalu at 2006-11-15 14:53 x
日本人が「東京審判」を言語学習の教育番組としてみるのは心外だった。下手な日本語台詞と比べて、残酷な戦争シーンがもっとインパクトでなないか。
日本外交の「避重就軽」と同じような、くだらないことばかり気になって、本旨を見過ごすイメージだった。
Commented by zhuangyuan at 2006-11-15 21:09
yalu様
「避重就軽」という成語初めて聞きました。勉強になります。語学学習者の私にとっては、俳優の日本語の下手さ加減は「軽」でなく「重」でした。


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