中華 状元への道

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2006年 09月 24日

すごい偶然 町でばったりあの人と

今日は息子(もうすぐ三歳)と留守番だったため、近くに住む祖母(息子にとっては曾祖母)の
家に遊びに行きました。

祖母は以前にもご紹介しましたが絵が得意なんですが最近は書道に凝っています。
その祖母が古い巻紙を出してきて得意そうに見せてくれました。

「私は昔から書道が得意で女学校のときに先生に褒められて学校で飾ってもらったのよ。
最近それが出てきたの。」

確かにうまい。でもその字の内容がいかにも戦前と言った感じで苦笑してしましました。

一寸赤心惟報国

その後は最近、祖母の義理のいとこ(祖父のいとこ)の葬儀の話になり
そこでもらった故人の略歴を見ました。

その方も満州にいらしたそうでご自身は満鉄調査部勤務。父親は陸軍少将。
少将の方はシベリアで獄死したとありました。
また故人の妹は阿波丸に乗っていたそうでそこでなくなったそうです。

こんな話ばかりしていたため息子がつまらなそうにしていたため
曾祖母と一緒に公園に行きました。

昼は曾祖母と別れ、息子を連れて、はじめて行く台湾料理屋に行きました。
先日ネットで見つけて気になっていたところでした。
台湾風焼きそばセット680円。安い。味は一般的。
メニューをみると魅力的なものが沢山ありましたが昼はランチメニューだけ。
うまいといわれる中華料理屋でもランチメニューはどこも同じなのが腹立ちます。
ラーメン、チャーハン、酢豚、チンジャオロースーなど。

その店から家に帰る途中、病院の前を通り過ぎました。
その病院の向かい側のベンチには入院患者が点滴を持ちつつ陽に当たり休んでいました。

「あれ?どうこかでみたような。」

そうだ奥村さんに違いない。
そうなんです先日観たドキュメンタリー映画「蟻の兵隊」の主人公、奥村和一さんでした。

といっても知らない人はまったく知らない方ですが映画を見た人は
かなり印象が強いのではないでしょうか。
私の周りには映画を見た人はまったくいませんのでこの驚きを共有できません。

そのまま数十メートル通り過ぎて、信号で止まり、そこでしばし逡巡したのですが
意を決して戻り、声をかけてみました。

「奥村さんですよね。映画観ましたよ。」
「ああそうですかありがとう。」

なんでも映画のキャンペーンなどに忙しくて
体調をくずし、栄養剤を打ちに病院に入院されているそうです。

「でもまた今度は北海道にも映画の仕事で行くんですよ。
また中国にも行かなければならないし
今度また裁判もあるし。」

映画によると山西省残留日本人に関する裁判では最高裁に棄却されたはず。

「また訴訟されるんですか?」

「やります。こんな理不尽はまかり通ることは許せません。
でもそれには証拠集めをしなくてはならない。」

いわく
最近、旧ソ連の資料が出てきて、
戦後に大本営が残留日本人はできる限り現地に残留せよという命令書が出てきたそうです。
日本人権益の残存を図りその際の国籍問題は現地に任せるといった内容だとのこと。
戦後すぐに引き揚げて来られてもそれを養う国力が残っていなかったというのも理由のひとつだと。

またこうした残留日本軍に関しての資料は北京公文書館にあることはわかっているが
現在は調査の許可が得られないそうです。
というのも折りしも小泉参拝以来、日中関係がギクシャクしていますので
このタイミングで日に油を注ぐような資料が出ても困るという中国政府の遠慮もあるそうです。

また昨今、中国共産党と国民党(台湾)は歴史的和解に向けて関係が改善していますので
解放戦争時の国民党の汚点をさらけ出すような文書もでてほしくないといったような
中台関係への配慮もあるそうです。

こうしら政治の複雑な影響力がはたらいて資料探しがうまく進まないと嘆いておられました。

そこでちょっと聞いてみました。
「奥村さんは公文書館で資料を探しておられますが中国語はお出来になるんですか?」

「僕の時代は英語は敵性言語だったから学生時代に中国語を習いましたよ」
と笑って答えていただきました。

80歳の高齢で入院しているにも関わらず、強い意志を保ち
更にそれを行動に移している。かつて赤心報国を誓った祖国に裏切られ
それに向かって戦いを挑んでひるむことなく進んでいる立派な方です。
話をしていても淡々として飾るところがなく魅力的でした。

自転車に乗ったままかなり長く話してしまい、後ろに乗せたままの息子の存在を
しばし忘れそうになりました。
息子は早くからバイバイなどといって帰りたがっていましたが
最後には寝に入りそうになっていました。

息子が寝入りそうになって自転車では危険なのでおいとまいたしました。

「しずかなお利口な坊やだねえ、ごめんねお父さん取っちゃって」
と気遣いのお言葉も頂きました。

以上
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by zhuangyuan | 2006-09-24 22:09 | 生活 | Comments(18)
Commented by ケイチー at 2006-09-25 11:04 x
えええ~っ!何というか、すごい偶然、というか、もう運命の出会い、と言う感じでは?
映画を観たすぐあとで出会うなんて。
映画を観ていなかったら、同じような出会いがあっても気づかずに通り過ぎてしまったのでは?
で、その後の展開は?「続・すごい偶然」を期待したりして。
Commented by かめ at 2006-09-25 12:57 x
有名な人がすむような街に住めていいな~。
自転車で行ける範囲に人とばったり出会うような場所もないもので・・・。
Commented by zhuangyuan at 2006-09-25 21:28
ケイチーさま
まさに嘘でしょ~!なんでこんなとこに!って感じでした。映画観てなかったら絶対気づきませんね。今度は中国でばったりなんてこともありますかね。
Commented by zhuangyuan at 2006-09-25 21:33
かめ様
有名人といいましても映画に出てなければ普通の方ですから。かめ様はすごいところに住んでいらっしゃるんですね。まるで亀仙人ですね。私子供のころ牧場に住んでた時は周囲2キロくらいに我が家以外に子どもは一人しかいませんでした。牛は沢山いましたけど。
Commented by ほんず at 2006-09-25 23:22 x
はじめまして。ほんずと申します。
『蟻の兵隊』で検索してて、中国語も勉強してあるということで、おじゃましてみました。
私も、中国語勉強しています。まだまだですけど^^;
zhuangyuanさんは中国史にも精通してあるようで、すごいですね。勉強になります。
で、『蟻の兵隊』。私もつい先日見て、その背景について知りたいと思い、昨日本を買ったとこなんですよ。(まだ読んでないけど。。)
奥村さんに偶然でも会われたということで、これまたすごいですね。
映画と同じ、飾らない素敵な人だったということで、ますますがんばってほしいなと思います。
ではでは、またおじゃまさせてくださいね。
Commented by xia at 2006-09-26 00:15 x
上次在课上听您口述这部电影时,很多法律方面的词也讲得很到位,我当时在心里惊讶,日复一日的积累和努力让您的中文越来越接近完美.今天的惊讶有点不同,"太巧了!!"
Commented by zhuangyuan at 2006-09-26 20:45
ほんず様
はじめまして。コメントありがとうございます。奥村さんはほんと映画そのまんまでいろいろお話を聞かせてくれました。撮影はまだ続いていて新しい証拠がでたらまた上映するかもしれないとおっしゃっていました。
Commented by zhuangyuan at 2006-09-26 20:46
xiaさま
映画を観たばっかりでしたのでほんと驚きました。ぶったまげーしょんです。
因みにこの言葉は辞書には載ってませんよ。
Commented by ケイチー at 2006-09-27 05:21 x
xia様、zhuangyuan様の言うことを信じてはいけませんよ。
「ぶったまげーしょん」なんて、今時の若者は使いません。今時の中年もです。こういうのを「死語」と言いますね。
私は何十年ぶりかでそんな言葉を聴きましたよ。zhuangyuan様、実は私より年上の50代とか?
Commented by zhuangyuan at 2006-09-27 22:05
ケイチー様
そんな古いですかねこの言葉。死語であることは認めます。ドラえもんの中で確かジャイアンが使っていたような覚えがあります。ちなみに私はまだぴちぴちの36歳です。
Commented by xia at 2006-09-28 00:04 x
ケイチー様、真実を教えていただいて、どうも有難うございました!!電子辞書で調べましたが、(ぶったまげる)はありましたけど。しょんってなんですか?
これから私もこちらのびちびちの36歳のお兄さんへのコメントに、できるだけ辞書に載ってない死語を使ってみます。ふふふ~
Commented by zhuangyuan at 2006-09-28 06:25
xiaさま
解説いたしましょう。ぶったまげーしょんは「ぶったまげる」の語尾に「しょん」=「tion」を付加し英語の名詞化したものです。ちなみに「ぶっ」は「とても」の意で「たまげる」=「驚く」を強調したものです。我々日本人は敗戦後のGHQの統治を受け古来母国語が破壊されてゆきました。
ちなみにコメント中にある「ぴちぴち」はビチビチでなくピチピチです。B→P。若く溌剌としていてお肌に張りがあることを擬態語で表しました。
Commented by tianshu at 2006-09-28 11:12
素晴らしい出会いですね。
戦争問題、中国語、映画・・・・・・なかなかありえない会話ではないでしょうか。新聞記者とはこのように話してくれないかもしれませんね。
ZHUANGYUANさんは、運がよすぎたではないでしょうか。うらやましい!といっても私は隣の席に座れていても分からないかもしれません。
「話をしていても淡々として飾るところがなく魅力的でした。」という文章表現は、とても勉強になりました。
ありがとうございます!
Commented by xia at 2006-09-28 15:59 x
哦~~原来是这样! 明白了, 谢谢!
俗话说得好,"解玲还须系铃人".
Commented by zhuangyuan at 2006-09-28 21:04
xiaさま
おっといきなりジャブを放ってきましたね。でも幸いなことに"解玲还须系铃人"は辞書に載ってました。自分で撒いた種は自分で拾えってことですね。
Commented by zhuangyuan at 2006-09-28 21:08
tianshuさま
この映画はまだ各地の映画館で放映が続くらしいので一度ごらんになるといいかもしれません。皇軍のなかも一人ひとりはこうした普通の方なんです。でも戦争がそれを狂気に変えてしまうんです。
Commented by ケイチー at 2006-09-29 04:53 x
ぷぷぷ・・・びちびち36歳のzhuangyuan様・・・失礼ながら笑ってしまいました。
「。」が「゛」になっただけなのに、濁音になるといきなり汚い系になるのは面白いですね。
ちなみに「びちびち」はお腹の調子が悪くてトイレの住人になったときの状態ですよね。中国語には擬態語に相当するものが少ないと聞きましたが、そうなんですか?
Commented by zhuangyuan at 2006-09-29 21:01
ケイチーさま
そういえば中国語で擬音語は思い浮かびますが擬態語は知りませんね。


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