2006年 08月 26日

回想 九龍城砦 恐怖の体験

中華中毒―中国的空間の解剖学
村松 伸 / 筑摩書房
を読みました。

この本は題名がいい。私も中華中毒にかかっているくちなので以前から気にかかっていました。
表紙もいい清国皇帝の肖像です。黄色の衣装が目に映えます。
以前、清朝の皇帝衣装展を見に行ったことがありまして。この黄色のきらびやかな衣装を見ました。きらびやかさより小ささに驚きました。
子供のころのものかも知れませんがこんな小さな服をきた男が世界を睥睨していたのかと、
そのギャップに驚きました。

この本は中国的空間の解剖学というくらいですので
中国の歴史のなかの建築での風水や儒教、道教の絡み合い、
またその思想の周辺国への影響を述べた本です。
こう書くと堅苦しいですが、学者らしからぬ軽いタッチで筆者の中国大好きぶりマニアぶりがいたるところで発揮されてとても楽しく
そして知的好奇心を刺激される面白い本でした。

ご紹介したいネタが凝縮されていました。
導入部はいきなりプレイステーションの話。
わたしゲームはまったくしないので知らないのですが
「クーロンズ・ゲート」とかいうのがあるらしく
今はなき九龍城砦を舞台にして主人公の風水師に成り代わり陰と陽の乱れを修正していく
というとんでもないゲームらしいのです。
風水という中国古来の思想は私いまだにまったく理解できないので非常に興味があります。
それをロールプレイングゲームにしちゃう日本人ってすごい。

ところで本のネタは今後ゆっくりご紹介するとして
私は学生時代この九龍城砦に行ったことがあります。
そこで私は恐怖の体験をするのです。
1993年に取り壊されたのですが私が行ったのは91年です。

九龍城砦は警察の手の届かない無法地帯として犯罪者の巣窟となり
建て増し建て増しの違法建築に密入国者を含めた何万にもの人が住んでました。
複雑に絡み合った建物は一度入ったら出てこれないといわれていました。
wikipediaにある写真はこんな感じです。1989撮影と書いてあります。
d0018375_20351667.jpg


中国語版wikiによると九龍城砦は香港がイギリスの殖民地であったときも
清国の飛び地であった。そしてその後の戦争などの混乱で管轄権がぐちゃぐちゃになる。
wikiを引用します。
日軍佔領香港期間,為了擴建啟德機場的明渠,拆毀了全部城牆。日本投降後,露宿者開始在九龍寨城聚居,並於1948年成功抵抗英國政府進入整頓。由於皇家香港警察、殖民地政府無權進入,中國的政權又拒絕管理,九龍寨城頓成罪惡溫床、貧民區,更有以「三不管」(即中國不管,英國不管,香港不管)來形容當地的管轄權問題。

日本軍が香港を占領していたとき、啓徳空港拡張のため城壁をすべて取り壊した。
日本敗戦後は露天で暮らしていた人々が九龍城に集まり、1948に英国政府に
抵抗して進入することに成功した。
ロイヤル香港警察も植民地政府も進入する権利がなく、中国の政権も管理を拒絶し
九龍城砦は犯罪の温床、貧民地区となり、また「三不管」(中国もイギリスも香港も管理しない)
という表現で形容される管轄権の問題が発生した。


その後も中国の共産党から逃れる人々などが入ってきて
巨大化していきます。

それを香港返還前に取り壊そうということになっており
その前に探検してみようと行って見ました。

当時大学三年だった私は現地で知り合った友人と二人で行ってみました。
はっきりってかなりビビッてました。
着いてその雰囲気に早くも圧倒されました。
犯罪者の巣窟だというし、一度入ったら出れないといわれているのですから怖くて当然です。

もちろん財布などは持たずジーパンにTシャツ、カメラも持ちません。
普段はサンダルでしたが逃げられるようにスニーカーを履いていきました。

上を見上げるとなんか崩れてきそうな違法建築でなぜだか歯医者がやたら多かった。
こわいこわいでも入ってみたい。ということで入ってみました。
暗い。ずんずんと奥に進みましたが50mくらいでバックオーライ。戻っちゃいました。
はっはっは。度胸がありません。

でもここで帰っちゃ男が廃る。
奥へ進むのがだめなら上にの上ってみよう。
なるべく明るいところを見つけて団地の階段みたいなのを上がっていきました。
崩れないかなとビビリつつ。
狭い階段で視界が狭く、しかも急で、曲がりもきつい。

そこで恐怖の体験をするのです。

三階くらいまで上がったときです。
私は思わず大声で叫びました。「あ~!!」
うんこ踏んじゃったんです。
犬のか、人のか知りません。

いっしょにいた友人は叫び声に驚き、
階段を踏み外しそうになるくらい焦って逃げました。
ごめんなさい。

風水により設計された九龍で運(うん)をつけて退散いたしました。
疫病にびびりつつ。
以上

以上
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by zhuangyuan | 2006-08-26 20:58 | 中国関連DVD、本 | Comments(13)
Commented by Shira at 2006-08-27 09:47 x
こんにちは。ホントに1990年代にあんなものが存在したのが大したものです。

「一度入ったら出られない」
というのはかなりおおげさだったようです。ただ、見上げると本当に「粗大ごみ」...。

その上をジャンボジェットがぎゅーんと飛んでいくのが非日常的でした。

「クーロン」って、だれが言い出したんでしょうね。普通語なら「じょうろん」とか「ちうろん」でしょうし、広東語なら「がうろん」が近いようですね。
Commented by zhuangyuan at 2006-08-27 21:52
shiraさま
クーロンって考えてみれば確かに変ですね。湯桶読みの一種でしょうか?私は中国語を習いたてのころホンコンを普通語でシアンガンということにショックを受けました。ホンコンって中国語じゃないのかよって。
Commented by tianshu at 2006-08-27 22:40
この話は初めて聞きました。ビックリしました。

中国には、他に、それほどでもない「三不管」地帯が多いようです。特に省と省との境では、比較的に自由な盗賊が多いそうです。
Commented by かめ at 2006-08-27 23:34 x
クーロンってあまり聞いた事ありまっせんです。最近そういうのでしょうか? 正確さは別として、やっぱりカオルンって言ってません? ワタクシメの周りだけかな~?
話は変わりますが、ついこの間、といっても20年以上前ですが、欧米語圏での中国のメジャーな都市名は広東語読みが多かったですね。80年代頃から普通語のピンイン読みに変わったような気がします。豪州あたりの方から「ホッキン」と言われて困った覚えありません?
Commented by azu-sh at 2006-08-28 01:00
あはははは…本気で吹き出しちゃいました。なんか踏んじゃったんですね…
しかし九龍にこんなギャング的一面があったとは!びっくりしました。(行ってきたばかりなので現実味が…)
そういえば上海にも「九龍路」がありますが、看板の通り名表記はJiulong rd.ではなくKowloon rd.です。
Commented by zhuangyuan at 2006-08-28 20:27
tianshuさま
現代中国でも三不管は多いのかもしれません。雲南省のはずれの国境地代では非合法カジノが沢山あり、政府高官が沢山金儲けしているとどこかで報道してました。もちろん損したお金は政府の金ですから自分はいたくありません。
Commented by zhuangyuan at 2006-08-28 20:30
かめ様
私は91年に行ったときはすでにクーロンって呼ばれてました。
ホッキンってどこですかね?ホンコン?ペキン?ホーチミン?
Commented by zhuangyuan at 2006-08-28 20:33
azu-shさま
踏んじゃった時はほんとビビッて疫病にかかって不治の病で帰国できないのではないかと想像力をたくましくしていました。サンヘにもクーロンがあるんですね。サンヘオではホンコンのことなんていうんですか?
Commented by Shira at 2006-08-28 22:42 x
ホッキンって、ひょっとして福建では?

かめさんのおっしゃるように、アヘン戦争からの歴史のためか、広東方言を英語発音にあてはめたような呼び方が多かったように思います。

なんたって九龍広州鉄路の略称が KCR ですしね。Kowloon Canton Railway。
Commented by かめ at 2006-08-29 16:40 x
そうです、「福建」です。ホッキン(そう聞こえる)か~、「ふっけん」に近いぞ、なんて感激していました。
ワタクシメのばやいは「三不管」よりも、「三不粘」が好き♪
Commented by zhuangyuan at 2006-08-29 21:13
shiraさま
さすが語学通shira様ですね。福建といえば厦门ですがアモイと読むのは福建語でしょうかね。また青島ビールにはTSINGTAOとラベルに表示されていますがこれは何語でしょうね。
Commented by zhuangyuan at 2006-08-29 21:14
かめ様
「三不粘」とは初めて聞きました。
ネットで調べるたのですが何か料理の名前でしょうか?
Commented by かめ at 2006-08-30 14:59 x
はい、三不粘とは料理のお名前です。食べるのは得意ですが、説明は苦手です。どなたかよろしく。
地名の話しですが、JapanもKoreaも広東語がベースと理解しております、はい。
Tsingtaoはおそらくスエード式(?)表音かな。エール大式も習わされて混乱した事がその昔アリトキギリス。個人的には注音字母が音を性格に把握できると思っています。


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