中華 状元への道

zhuangyuan.exblog.jp
ブログトップ
2006年 07月 05日

刺激的なホームページ 米中大激突

まずはこちらのweb siteをご覧ください。Nucor Steel

本日会社でアメリカの製鉄関連サイトを見ていましたらこの写真が目に飛び込んできました。
これはアメリカの超優良製鉄メーカーNucor社のホームページです。
トップのページから刺激的な写真が載っています。

噴煙を噴き上げる工場を背にマスクをして自転車で家路につく大勢のアジア人。

そしてど真ん中にこうあります。

We are capable of competing with any steel company in the world.
It's competing with another government.
It's problem.


我々は世界のどの製鉄会社とも競争してゆける。
わが社が競争しているのはもうひとつの政府なのだ。
それが問題だ。


製鉄業界以外の方ですとぴんと来ないかもしれませんが
この「もうひとつの政府」が指しているのが、そうです、中国なのです。

Storyのところをクリックするとさらに説明があります。
面白いので全部引用してみましょう。
There are governments around the world that subsidize inefficient and old steel production,promoting overcapacity for their domestic needs,
turning themselves into exporters of excess steel dumped onto the world market.

In addition, there are countries manipulating currency,
resulting in more than a 40 percent cost advantage as. U.S. competitors.

At Nucor ,we are determined to fight these injustices,
level the competitive playing field
and work to do what many say cannot be done.

Of course, that won't be the first time.
It's our nature.

世界には非効率で老朽化した製鉄設備をに助成金を与え、
自国の需要に対しての設備過剰を助長して
その余った鉄を世界市場にダンピングする輸出国に転じさせている政府がある。

更には通貨を操作してアメリカの競争相手より40%以上ものコストアドバンテージを
創出している。

ニューコアはこれらの不公正と戦い、公平な市場を作り、
誰もができないと言ったことを成し遂げる決意をした。

もちろん、それは初めて成すことではない。
これは我々の本質なのだから。


なんかアメリカの政治家の演説を聞いているようなカッコいい文章です。

これが中国を指しているのは自明なんですが
ちょっと説明しますと

ここ数年来中国の急速な経済発展で中国の鉄鋼需要は大爆発して
鉄鋼価格が暴騰しました。

そこでこれは儲かると思った中国の皆様が一斉に設備を増強し
あっというまに世界で一番の生産国となり
今では世界で二位の日本の4倍に迫る4億トン以上を生産できる能力を持っています。
ちなみに世界生産の4割くらいです。

一気に能力アップしましたから自国では消化しきれずに大量輸出するという事態に
至り、アメリカには中国材の洪水が押し寄せています。
そこで自国産業を守れ!不公正と戦え!とアメリカメーカーは騒ぐわけです。

でもこうは言われていても実は中国政府も悩んでまして
設備過剰を抑えるべく必死にがんばっています。

4億トンのうち1億トンは老朽または非効率設備から作られていると言われており
中央政府はそのうち5500万トンは07年までに強制的に淘汰すると宣言しています。

非効率な設備で資源を浪費し、噴煙を撒き散らして、汚水を流して
環境を破壊し、挙句にできるものはろくでもない製品。
そのために世界中の資源を高騰させ、船運賃を高騰させ
さらには貿易戦争を引き起こし、人民元切り上げ圧力を受けてしまう。
中国にとってももいいことはないのです。
よって中国政府は何度もコントロールしようとがんばっています。
先日もこんな通知がでました。

「关于钢铁工业控制总量淘汰落后加快结构调整的通知」

(鉄鋼業の総生産量を規制し遅れた設備を淘汰することに関して構造調整を促進させる通知)

実はこういったものは生産量が一億トンくらいのときから出ていますが
生産量は一向に減らずに拡大する一方です。

中央政府がコントロールできないんです。
地方政府は地元が潤うためには何でもやりますから。
地方政府にとって製鉄メーカーは収益の柱ですし
人民の生活を支えています。
それを簡単に淘汰しろっていってもできません。
許可もどんどん出すし、資金も供給します。
で、どんどん増えていっていつの間にやらこんな数量になってました。
中央もつらいですね。制御不能です。
本当に淘汰を進めれば暴動が起こるといわれてます。

でもこの中国発の鉄の洪水が脅威なんですよ。他国の製鉄メーカーにとっては。

以上
[PR]

by zhuangyuan | 2006-07-05 22:38 | 時事 | Comments(8)
Commented by tianshu at 2006-07-07 02:07
zhuangyuanさん
  アメリカも日本も中国の事情が分からない人が多いと思います。
  中国の地方では、よい質の鉄を使う建築会社がやっぱり少ないのです。私が7年前雲南省に旅行に行った時聞いた話ですが、小さい建築会社はみんな手抜き工事をしているようでした。地方では、たくさんの小さい製鉄工場があります、作り上げた鉄はみんな劣質で、手抜き工事で消化吸収されてしまいます・・・・・・
  輸出できる鉄は、大体大手会社の製品で、品質が他国と比類でき、価格は割と安いものばかりだと思います。中国内部は、実は正常通りに消費していません。
  今、もし中国の地方に大きな地震がきたら政府は大変慌てると思います。手抜き工事が多すぎたからです。
Commented by かめ at 2006-07-07 11:03 x
手抜き工事は日本でもまだまだ後を絶たない問題ですよ。中国はtianshuさんの言われる事情から大変な数に上るとは思いますが、建築業界はだからイメージアップを図れないんでしょうね~。
   「鉄は国家なり」、どこも鉄関係の方々は鼻息荒いんですよ。ワタクシメは若かりし頃、宝山に遊びに行って、そこにたくさん常駐されていた○○鉄の方々と接触しましたが、はっきり言ってずれてました。 状元大師兄のような中国への理解者は正に望むべくもない状態で、驚き退散した覚えがあります。
Commented by zhuangyuan at 2006-07-08 08:56
tianshuさま
まさにおっしゃるとおるです。中国政府が問題としているのは低品質、非効率の設備が急増して環境を破壊し、しかもそれを国家建設に役立てるのでなく短期的な利益を追求する小メーカーの姿勢です。

また大メーカーも品質はよいのですが、せっかく国家の資金と人材をつぎ込んで、世界の資源を買い集め、製造したその高品質の製品をこれまた国家建設に使うのでなく、輸出していまうという事態についても問題視しています。

Commented by zhuangyuan at 2006-07-08 09:05
かめ様
手抜きというより不正建築は姉歯事件に代表されるように今でもなくなりません。日本の方が巧妙で悪質なような気がします。姉歯について徹底告発しようとした業界紙記者は、「報道すると死人が出るからやめとけ」と諌められたそうです。根深い問題です。
製鉄メーカーの地位は日本ではかなり低下し、三河の車屋は〇〇鉄のことを釜炊き屋と呼んでいるそうです。でも〇〇鉄自身は今でも鉄鋼省のお役人気分が抜けません。盲目の民をエリートが導いていかねばならぬといった教育を受けているのでしょう。
Commented by M at 2006-07-09 15:37 x
ソウゲンてなに?
Commented by M at 2006-07-09 19:44 x
壮元のことです。
Commented by zhuangyuan at 2006-07-09 19:53
壮じゃなくて状です。状元とは古代中国の官吏登用試験「科挙」のナンバーワンのことです。国家公務員試験I種の首席合格者みたいなものですかね。規模は全然違うけど。
Commented by M at 2006-07-10 20:47 x
ああ、科挙ね。


<< 中国語から世界をのぞく 「恥辱...      上海書城 >>