中華 状元への道

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2006年 03月 18日

中国 ウェブの向こう側の民主主義

すごい本だった。
興奮しっぱなしでした。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫 / 筑摩書房

ITバブルのころオールドエコノミー、ニューエコノミーという言葉が流行りました。
私はオールド中の超オールドの鉄鋼業にいますのでなんかさびしい気がしてました。
すると今度は世界は二つに分かれる。と著者は説きます。
それはウェブの「こちら側」と「あちら側」。

私なんかは完全にこちら側に身をおいていますが
この本の凄いところはあちら側の話をあちら側だけで話すのでなく
こちら側の本という媒体でこちら人を啓蒙してくれたことです。

特に感動したのはGoogleの話。
Googleの会社の目標はMaking the world a better place
(世界をより良い場所にする)

つまりネットを通じて経済格差をなくし、世界を民主化する。
パソコンあれば誰でも情報発信できて、誰でも情報入手できる。
なんとたいそうな!と思うでしょうが説得力があります。

たとえばメディアの世界の「こちら側」ではまずマスメディアがあり
新聞やテレビなのが権威を誇り、すごいコストの印刷機おいて販売網を張り巡らせています。
一般民衆が新聞に意見を発表する機会なんかはほとんどない。
地道にいい文章書く小説家でも編集者の目に触れて雑誌にのって賞をとって
本を出して、なんて出来るのは一握り。
自分で本を出版してもおいてくれる本屋はない。

でもあちら側にはブログがあって好きなことを書いてると
一人二人と読者が増えてリンクが増えて
その内容に興味を持つ人がGoogleで探してくれるんです。
そしてまた評価されどんどんGoogleでヒットしやすくなる。
もちろんそれなりに評価されないとネット世界の星屑としてされる。
キラリと輝く星はGoogleがあちら側の10万台のコンピュータで探し出してくれるんです。

また情報発信側じゃなくて情報を探している人だって
チョー簡単に欲しい情報が見つかります。
世界中の情報が入手できます。

情報検索という観点から行く中国はちょっと問題ありますね。
中央がかなり規制かけてますから。
Googleもさすがに中国市場を制覇するにあたっては中国政府と妥協する
しかなかったみたいで検索の検閲に同意したそうです。
これで世界中のファンの失望を買ったとのこと。
でもここは一億人の中国ネットパワーですから政府の規制をかいくぐるソフトなんて
すぐ開発しちゃいますよ。現に今も規制バスターみないなのがあると聞きます。

中国で既存メディアで発言する身分になるなんて
気が遠くなるような努力とコネクションが必要でしょう。
親が党幹部でなければ、上にあがるまでいっぱいワイロも必要でしょうし。
全人代の委員になったって何千人もいれば発言どころでない。
でもウェブは違う。自由にどこでも発言できます。
規制かけられたって既存世界の不自由さに比べれば天と地の差でしょう。
外国からアクセスしてもらえればいいし、発信もできる。
ただ民主ウェブ社会の急発展してますから未成熟で煽られると反日暴動みたいになる。
でもこの発言権をもった市民の心の開放感は以前の閉塞感とまったくの別世界でしょう。



またGoogleは本の中まで検索かけようとしているそうです。
いまは著作権とかの問題で進みが遅いそうですが。

そこいくと中国は進んでます。
違法かどうかは別にして本なんかは出版している本はほとんどネットで
タダで読めますよ。ためしに私がここでよく紹介した「丰乳肥臀」を中国のGoogleで
検索してみてください。すぐ見つかりますよ。
日本にいらっしゃる中国の方も中国の本はほとんどネットで読んでるのではないですかね。

日本の場合は著作権だとかなんだとかうるさいので
古本屋にブックオフのせいで本が売れないとかいってるくらいですから
今後もただはないでしょうね。

昨年はじめに中国に3ヶ月弱いましたが皆さんがネット使ってるのでびっくりでした。
一年前の話なので今はもっとスゴイかもしれませんがご紹介します。

私が補導教師をしてもらった大学四年生は苦学生で
学費は全部奨学金と借金。生活日は補導教師のアルバイトで稼いでいました。

でも彼女も携帯とパソコンを持ってます。
普通に買うと日本と同じくらい高いですから
彼女は中古部品を集めて自分で組み立てたそうです。
ソフトはいくらでもコピー商品が安く手に入ります。

パソコンがあれば音楽も映画もタダでダウンロードし放題。
彼女の大学ではネット上に学生が集まるコミュニテイがありそこに
アクセスすれば流行りの音楽や映画やドラマはほとんど誰かがすでに
ダウンロードして保存してあるそうです。

多分違法ですけどこれってすごい世界だなと思いました。
お金がなくて苦労していてもあちら側では最先端のものを共有できるんです。
民主化されてるんです。ただですから貧富の差はありません。

著作権の問題もありますが
これって著作者保護っていうよりも
産業保護ですよね。流通業保護とか広告業保護とか。
著作者に群がって稼ぐ産業が大きすぎてコストもかかる。
この人たちはタダになったら食えない。だからウェブの発展を妨害する。
著作者はいいもの作って評価されればお金もうけはいくらでも出来る。
ただでも多くの人にアクセスしてもらった方がいいと思いますよ。



一方、中国はあちら側とこちら側の交流も進んでいます。
私は中国人の友達に連れられドライブに行きました。
みんな無線で交信しながら一台、一台と集まってくる。
車4,5台を連ねて北京の周辺の保護されていない遺跡をみるドライブでした。
そこに集まったのはネット上の友人でみんなペンネームで呼びあいます。
りんご君とはキウィさんとかとても親しそうです。
ネットで今週どこどこに行こうと言って興味のある人があつまる。
初対面の人とも気兼ねなくあつまりドライブ行って食事して帰っていく。

帰った後で友達に「あのりんご君は何してる人?本名なんていうの?」と問うと
「知らない。」びっくりです。
なんかリアルの世界でした生きていない私は素性のしらない人と
仲良くドライブってちょっと考えられなかった。
でもネットの世界で交流をしてると考え方や意見を交換しているうちに意気投合して
人の素性なんてどうでもよくなっちゃうんでしょうね。

日本もこんな感じの世界があるんでしょうけど
私日本ではリアルなこちら側に生息してますので驚きの体験でした。
私は昨年からMIXIに参加してみてますがこちら側での交流はしたことありません。

こんなあちら側でのネットワークが世界規模で出来たらほんと楽しいでしょうね。
明日北京行くけどだれか飲まない?なんて言うと
アメリカ人と韓国人が乗ってきちゃったりするこういうのいいねえ。
Googleも言葉の壁を越えるのは容易じゃないでしょうから
言葉の勉強は続けないといけませんね。

話があちこち跳んでまとまりつきませんが
この本すごいですからこちら側の人は読んでみてください。
Googleだけじゃなくていろんなあっちの凄さを教えてくれます。
凄さだけでなくそこに含まれてるビジョンや哲学なんかもわかりやすく解説してくれますよ。

以上
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by zhuangyuan | 2006-03-18 22:11 | 中国関連DVD、本 | Comments(2)
Commented by ハラキリ at 2006-03-19 18:46 x
中国で作ったものを中国人がコピーして楽しむぶんにはかまわないと思いますけど、他の国の、それこそ「産業」として何億円とかかけて作った映画などをコピーしたりしてるのは、あんま好ましくは思えないです、自分は。でも、おもしろいですよね、情報を集めるというよりも、コミュニケーションツールとして、インターネットはどんどん発展していきそう
Commented by zhuangyuan at 2006-03-19 20:41
ハラキリさま
好ましくはないのですが現実ですね。自分はうらやましく思います。

ネットは時間も空間も越え国境も関係無いですからわくわくしてきます。
このブログも世界の中華圏とネットワークできればいいなと思ってます。



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