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中華 状元への道

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2017年 09月 20日

中国の異次元バージョンアップにぶっ飛んだ

 毎度中国に来るとその変化のスピードに圧倒されます。今度もまた驚かされました。以前ですと大きなビルが立ったとか高級な車が増えたとか道路がどこまでつながったとか、これまでの先進国が歩んできた道を猛スピードで追いつく感じだったたのに。追い越したと思ったらいつの間にか別の次元に浮上している。そんな感じ。

 まずは空があおい。少し前の黄色がかったどんより曇った空はどこいったのか。上海の空は真っ青でした。もちろん冬の時期にはもっと曇っているらしいのですがそれは北の工業地帯から流れてくるスモッグ。北方の冬は寒いので暖気システム石炭を炊くため空気が汚れるのです。しかし今年は違うでしょう。今年の冬は北京近辺の鉄鋼産業は50%生産調整が通知されています。いま中国政府は一番気にしてるの環境問題です。

 上海ではやたらと電気自動車が増えている。国産車BYDをよく目にしました。これは政府の電気自動車優遇政策のおかげだという。上海では車購入時にナンバーを入手するのにお金がかかる。少なくとも90,000人民元。発行数も限られており希望者が多い場合はオークションになると言う。それが電気自動車なら政府に補助してもらえるので費用がかからない。こうしたドラスティックな政策が素晴らしい。既得権益者に甘い日本と大きく異なる。変革に躊躇は無い。自動車産業においては欧米や日韓に大きく遅れをとっている中国だがこの電気自動車の波で大逆転世界制覇をもくろんでいると言う。イノベーターのジレンマに陥る既得権益者の捨てきれぬ資産を尻目に大戦略で進み出す。お金持ちのマインドも変わっています。環境に気を使うのがかっこいい。去年買ったクルマはテスラだと自慢してくれました。家と会社に充電基地を作ったという。コストかけても環境第一。

  無錫に行くとバイクが多い。でも音が静かなんです。聞いてみると電動スクーターだという。「エンジン付きオートバイ(摩托车)は禁止だよ」と友人がいう。排ガス対策でオートバイ禁止で電動スクーターもしくは電動自転車に。とにかく静か。音がしない。これいいです。もちろん空気にも。重要なのはホンダやヤマハ、スズキがないこと。ベトナムやインドネシアでは道という道にバイクがあふれ日本企業が圧倒的に強い。それがここで走ってるのは中国企業のものばかり。企業間競争が激しいからこれからどんどん品質よくなるんでしょうね。もちろんこれまで中国企業もオートバイを作ってた。でも地球環境のためならやめてもらいます。

今年鉄鋼業界では違法操業企業が一斉に摘発、取り潰された。品質や環境基準を守らない違法に儲ける企業は許さない。一億トンの能力が潰された。たった半年間で。矛盾が一気に解消しつつある。

環境対策はとかくコストアップと見られがちですが、社会全体でみれば古い産業が入れ替わり、さらには環境機器などの産業が立ち上がることになりグレードアップする。

 上海に戻ると歩道の脇には自転車がたくさんおいてある。これは個人のものでなく、シェアリングのため。みんな電動自転車です。永遠無料って書いてある。スマホで登録すればいつでもどこでも乗っていい。乗り捨てもオッケー。
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日本で実家の母が電気自転車を買ったときに試し乗りして胸が高鳴った。世界を変えるかもって。だって燃料いらないし排ガスなしでスイスイとどこまでも。でも高いんだよね。それがただでシェアできるなんて。上海の街では質素な服を来たおばあちゃんがゆっくり静かにカラフルな自転車走らせてる。地下鉄もどんどんできて自宅との往復シェア自転車だって。渋滞も早晩解決かな。

少し郊外に行くとシェア電動自転車提供企業がしのぎを削ってる。一ヶ月の利用料はなんと1人民元。でもこんなので企業は利益出せるのか?もちろんこれでは出ないのですが未来を感じる投資家がお金を出すらしいです。アイデアの未来に資金が集まるプラットフォームもあるのか?

社会インフラという意味では資金だけでなくスマホアプリの普及が大きい。決済もスマホが主流です。AlipayとWechatPayでどこでも払えちゃう。シェア自転車利用もスマホでピッ。タクシーもスマホ。東南アジアやアメリカではUberが主流ですが中国で滴滴打车。ついにUber中国も買収しちゃった。Uberの愛用者である私は中国でも使えると聞きアプリを開く。車なし。買収して骨抜きにしたのかな?残念ながら私は滴滴は登録してません。

国内の移動や宿泊もアプリでチョイチョイってやれば予約できちゃう。私はお客さんに新幹線チケット予約してもらいました。
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日本みたいにJR東日本だとか東海だとか予約のアプリが違うとかややこしいことはない。飛行機だっておんなじアプリ。政府は新しい技術とアイデアを後押しして、その新しい産業の発展を促し、その上で旧来の国有企業に改革を迫っているそうです。時には軋轢を生みながらもやると決めたらドラスティックに素早く。

レストランの注文も決済も食べログみたいなアプリ経由でやっちゃう。カロリー計算もできてたよ。割引もあるからみんな使う。ウェイターもいらないし、領収書も書かなくていいし、税金控除のための経費計算書だってネットでできちゃう。どこで何に金つかってるか補足されてるわけなんで怖いですが便利さには変えがたい。決済に関する信用の問題を解決できる可能性を持っているわけで、ますます交易が活発になされコストがかからず経済効率から考えたら画期的です。マイナンバー制度をアプリが代替しちゃってるようなものだな。利便性を与えて自由を感じさせつつしっかり管理。しかもそれを民間企業にやらせちゃう。ただ者じゃないな習近平。そこには負けてゆく国営企業もあるわけで、そこは既得権益と結びついた守旧派なはずなのにそれをものともしない強権で突っ走る。だんだん想像が膨らんできちゃったんでこのへんでやめとこう。とにかくバージョンアップが速い。どっかの国のなんとかファーストは主役を降りなきゃいけないな。その先はいうに及ばず。

なんかずいぶんと未来の世界に触れちゃったんでついでにリニアモーターカー乗って帰ろっかな。浦東空港までたったの7分。
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以上



by zhuangyuan | 2017-09-20 20:14 | 時事


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