中華 状元への道

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2016年 01月 16日

生涯ベスト級の小説「狼图腾」が映画になった

映画「狼图腾」




日本で公開はいつなのよと待っていましたが
ひっそりと公開されてましたので危うく見逃すところでした。

邦題「神なるオオカミ」
小説の邦題と同じですね。

私は原文で読んだため、ゆっくり丹念に読みました。
読書人生のトップテンに間違いなく入る名作です。
完全に私のツボにはまりました。

中国語ブロガーさんたちとのウェブ読書会にも参加しました。
当時の私の投稿はこちら。
いい場面でしたので力をいれて書いてます。

文革時代に北京の知青がモンゴルに送られる。
草原では人間の活動も大自然の摂理の一部。
神が支配する草原で君臨するのは狼。
人々は生活の糧である牧羊を狼から守るのですが
敵でありながらも畏れを抱き崇拝の対象でもあるんです。
戦いつつも神の決めた絶妙なバランスを保つ。
これが草原で暮らす掟。

長老が率いる遊牧集団に若者2人が預けられる。
毛沢東の政策で知識分子が田舎に出向き農民や遊牧民として労働をさせるというもの。

つまりこのころ中央の意思が草原にまで届いている。
社会主義体制は神を否定し、エリートたちが計画をたて生産を行う。
神の摂理は気にしない。生産、生産、拡大生産。科学万能主義が草原まで達する。

青年たちは大自然の生活になじみ、草原とともに生きたいと思う。
しかし彼らの思想も都会育ちのもの。良かれと思いつつも草原の掟から少しずつずれてゆく。狼の子をこっそり飼っちゃうとかね。

小説ではとにかく自然の描写が圧倒的で、その中で生きる人間を含めた動物たちが翻弄されつつも、歴史の知恵で自然と折り合いをつけてゆく姿が描かれます。

これって映像化できるの?

映画化は嬉しいのですが、狼と馬の群れの戦いだとか、ブリザードの中の狼だとか、餌付けされて野生を失いつつもがく狼の子だとか、うまく表現できるにだろうか?CG使い過ぎて興ざめにならないだろうか?そもそも狼そんなたくさんいるの?

そんな心配は取り越し苦労でしたよ。
モンゴルの大自然も、獰猛な狼も、大迫力の戦闘場面も、
鎖に繋がれた小狼も。期待にたがわぬ映像でした。
小説の映画の権利を買ってから8年かけて動物を撮るのにふさわしい監督を探したというだけのことはある。

この動画に撮影秘話が出ています。映画みてからのほうがいいかもしれませんが。



俳優たちの演技も素晴らしい。
特に中央から派遣された生産隊主任の小役人演技が秀逸。
命令だからと言って自然の掟に背き、失敗したらスケープゴート探し。
上級のために生産あげます。短期間に。

これって60年代の話ですが、こうして自然は破壊されてきた。
計画達成のため、生産拡大のため。
それが改革開放以降は市場経済でさらに拍車がかかって、モンゴルの草原ばかりか地球まで破壊しかねない勢い。そろそろ経済成長至上主義をやめないといけない。
自然の掟に逆らうといつか報いを受ける。

モンゴルの風景にひたるだけでも観る価値あり。


以上

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by zhuangyuan | 2016-01-16 22:16 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)


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