人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中華 状元への道

zhuangyuan.exblog.jp
ブログトップ
2005年 11月 27日

中国農村 貧困と教育

先日ある中国語の先生に言われました。
「あなたのブログは良く書けていることもあるがなぜ中国の遅れた一面ばかり書くのか?
あなたは中国によく行くのだし中国の友人も多いのでしょ。もっと中国のすばらしい(美好)一面を書くべきだ。あなたは中国が好きではないでしょ。」と。

私は中国が好きです。かなりはまってます。ただいろんな側面を知りたいのです。

そんなことから昨日と連続して貧困関連の記事を書くのは憚れますが思い切って書きます。
なぜなら書きたいときに書くのが一番だから。

先日読んだ軽いビジネス本「2分以内で仕事は決断しなさい」吉越浩一郎著(この人天使のブラのトリンプの社長です。)にも書いてあった。

曰く「仕事は発生した時が一番面白い。先延ばしにすると次第に興味が薄れ、主体的な仕事がやらなくてはならない仕事に変わる」

ほんとにそうだと思う。
気に入ったのでノートに書いちゃいました。

ブログでも書きたいと思った時に書かないと興味が薄れ
義務感だけが残る。

というわけで本日の話題。

ショッキングな記事を読みましたのでご紹介します。
西部農村地区の代用教員の話です。
代课教师艰辛执着震动人心(代用教員の苦しみの中の執着に心が震える。)

代用教員というと张艺谋の一个也不能少(邦題 あの子を探して)のあの女の子を思い出しますが農村の学校はおそらく今もあのような感じでしょう。

甘肃省のある県には代用教員が600人いるとのことですが彼らうちの70%の月給が
なんと40元(560円)。時給じゃないですよひと月ですよ。私がはじめてアルバイトした高校時代1986年当時デニーズの調理補助でさえ時給550円でした。

なぜこんなことになるかというと基本的に存在が許されていないから。
1985年开始,教育部为提高基础教育的师资质量,在全国一刀切不允许再出现民办教师。但不少农村因贫困招不到公办老师或公办老师不愿去,所以这些空缺仍需临时教师来填补,他们转而被称为“代课教师”。

1985年から教育部は基礎教育の教師水準の向上のため、全国で民営教師を出現させないことにした。しかし多くの農村では貧困ゆえに公認の教師を呼べず、また公認の教師が来たがらないために欠員を臨時教師で埋めている。彼らを代用教師と呼ぶ。


公認教師は1800元(約25000円)くらいもらうらしい。これも安いですけど。それはさておき。
“走进任何一个村子,假如村子里有代课教师,那他准是村子里最穷的人。”どの村に行っても、もし代用教員がいるならその彼は村で最も貧しい人だ。


ただ彼らは真面目に働き、自らの仕事にも誇りを持っている。
しかしその月給では凄まじい貧困生活しか送れない。
娘に服喪買ってあげられない。
“已经十多年没有给两个孩子买过哪怕是一件新衣了。”李建新含着泪说。他记得只在女儿5岁时花5元给她买过一条裙子,在儿子6岁时花3元给他买过一顶军帽,此后他们的衣服都是希望工程捐助的旧衣服

もう10年も二人の子供に服の一枚も買ってあげられない。李建は涙をためて語った。彼は娘が五歳の時5元でスカートを買い、息子が六歳の時3元で軍帽を買ったのを覚えているだけだ。その後は希望プロジェクトの寄付の古着で過ごしている。


不少青年代课教师,连老婆也讨不起。多くの青年代用教師は結婚もできない。
結婚時の結納金が払えないのです。

こんな現状が何で放っておかれるのかというと
やはり貧困なのです。
甘肃有些贫困县的教育经费支出已占到财政总支出的80%。就是说,这类县只要给老师发发工资,其他所有的公共事业就都将做不了。

甘肃のこれらの貧困の県は教育費支出が財政支出の80%を占める。要するにこれらの県では教師に給料を払ったら、他の公共事業はなにも出来ない。


ゆえに正規の教師を減らし、代用教員を利用する。

それにしても安すぎる。それでも何十年も勤めてしまう。
知識とはなんなのか。

やはり国が援助すべきでしょう。
8000億ドル近くも外貨準備があるのですから有効に使わないと。
義務教育の普及も大切ですがその急速発展による歪み出ています。

以上

by zhuangyuan | 2005-11-27 22:54 | 時事


<< 中国語学習 温故知新      貧困と人身売買 >>