2015年 05月 02日

Hearts & Minds 絶対正義で不協和音は隠せない 

Hearts snd Minds鑑賞。


ベトナム戦争ドキュメンタリー。
1974年公開当時は日本では上映できなかったそうです。

ベトナム戦争の矛盾や悲劇を描いた映画は数あれど
こんなにも為政者の胡散臭さをビビッドに写したものを知りません。

兵士は国家の建前を信じるしかない。
信じたい。
演じるしかない。
壊れないために。

プロパガンダ映画をつくり国民を鼓舞し、
勇ましい言葉を奏でと絶対正義を語り、
捕虜が帰還したら英雄扱いし、
勝ったと断じ、パレードを行う。

北朝鮮と大差なし。

世相との大きなズレ、
矛盾に気づく兵士、家族
ほころびが見えるほど、空虚に正義を語る。

映画の最後、解放された戦争捕虜たちを慰労するパーティで
ニクソンがスピーチします。

短い言葉に凝縮された矛盾。
空恐ろしい。

Youtubeに作品全部がアップされていましたのでその場面を見てください。
1時間36分過ぎごろにあります。



クリスマス爆撃と呼ばれる絨毯爆撃を敢行したことが難しい決断であり、国民から支持されるかわからなかったとニクソンは語り、続けてこう発言します。

内容抜粋します。
After having met each one of our honored guests this evening, after having talked to them, I think that all of us would like to join in a round of applause for the brave men that took those B-52's in and did the job
今夜栄えある皆様と会って話をして、思いました。B52爆撃機に乗り込み、見事にやり遂げた勇敢な男達を、我々みんなも賞賛したいと。
映画はニクソンのスピーチのあと、爆撃場面にうつります。無差別絨毯爆撃。
二週間で20,000トンぶち込みました。
結局それが戦争終結につながるのですが、何かが変。違和感。胸がざわつく。

映画にはありませんがこのスピーチはこう続きます。
because as all of you know, if they hadn't done it, you wouldn't be here tonight.
なぜなら彼らが爆撃しなければ、貴殿達は今夜ここには来れなかったとみんなが知っているのだから。
そもそも自分たちで無理やり介入して始めた戦争を
終結させたってことは誇れるのか?

戦争は泥沼に入って、予想外に捕虜がたくさん捕らえられて
それを解放すべく、民間人も巻き込んだ圧倒的な爆撃を行うってのは正当化されるのか?

このスピーチに歓声をもって応える元捕虜たちは
この言葉で癒されるのか?

巨大な爆撃機で住民を殺戮して
それを大統領が讃える。

B52がB29だったら?
ハノイが東京だったら?
ニクソンがトルーマンだったら?
感じ方も違うかな?

こんなものの片棒を担ごうとしてないよね。

以上













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by zhuangyuan | 2015-05-02 22:22 | 文化、歴史 | Comments(0)


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