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中華 状元への道

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2014年 08月 03日

マレーシアで何語でしゃべる?

マレーシア人の小説家Tash Awさんは英語で小説を書いています。
なぜ英語で書くのか?
マレー語で書くと政治性を帯びてしまうと。

シンポジウムで聞いたこの言葉の意味がいまいち飲み込めませんでした。
マレーシアに行ってみてやっとこの意味がわかったような気がします。

クアラルンプールでは様々な人種が行きかい、様々な言葉が話されてます。
英語、各種中国語も多く話され、インド系も多いのですが公用語はバハサマレーシアのみ。
国民統合の術としてマレー語があります。マレーシアの言語政策
マレーシアから独立したシンガポールがマレー語、華語=普通語、英語、タミル語をともに公用語としているのと対照的です。

クアラルンプールを案内していただいたご夫婦は華人系。
2人の会話を聴いていると中国語に英語が混じってる。マレー語は一切なし。
家庭では何語で?と尋ねてみた。

旦那さんの母語は福建語、奥さんは客家語。
それじゃお互い通じないので主に広東語を使ってるといいます。
二人とも学校はイングリッシュスクールを出たとのことで英語も良く使うと。
マレーシアはいまでも英連邦に属しており英国の影響はつよいです。
もちろんマレー語も学校の授業では使うわけで喋れるのですが
習った言葉って感じで母語という感覚はないのでしょう。

なんでマンダリンじゃなくて広東語なの?と聞くとさらに興味深いお話。
クアラルンプールでは広東語を話す華人人口が多いからだそうです。でもマレーシア全土で広東語というわけではないと。ジョホールバルではマンダリン、ペナンでは福建語がメジャーだと。ジョホールバルはシンガポールの影響で北京語が多く、ペナンは福建華僑が多いといいます。

今回の旅は家族で行きましたが、息子はガイドブックに載っているマレー語を使いたがります。
テレマカシ(ありがとう)、スラマットパギ(おはよう)なんて。

華人のご夫婦にも「テレマカシ」とお礼を言い、お二人も「サマサマ」(どういたしまして)と返してくれるのですが、それは母語としてではない言葉としてなんでしょう。

マレーシアへ行くまでのイメージは経済発展は遂げたものの個性のないのっぺりした国家というもの。
イスラムでまとまり、マレー人優遇で、法律も厳しいと。

でもわずか数日いただけでイメージ一新。
人種のごった煮で活力が溢れてる。
マレー人、華人、インド人に加え、インドネシアやバングラデシュからも出稼ぎが集まり、
観光では中国、韓国人がわんさか。

それに加え中東のアラブ人も沢山訪れるそうです。
目当ては観光と買い物。
同じイスラムとしてハラルフードが食べられる安心感。
お祈り場所だってありますよ。

もちろん日本人だってたくさん。
定年後の第二の人生をマレーシアでなんてお方もかなりいると。
案内してくれたご夫婦のお友達も二人コンドミニアム買って暮らしてると。
英語もほぼどこでも使えるから安心です。
まだまだいけるねマレーシア。

ちなみにマレーシア航空の機内エンターテイメントは国際色ゆたか。
選べる言語はこんなにも
マレー語。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、アラブ語、ヒンディー語、タミル語、マンダリン、広東語、タガログ語、日本語、韓国語

圧巻です。


以上





by zhuangyuan | 2014-08-03 13:28 | 言葉


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