2005年 09月 27日

社会格差 日本 中国 さらに奥

以前中国人実習生の話を書き、頂いたコメントを呼んでいましたら15年前私が大学生だったころのことを思い出しました。

時はバブル絶頂期、学生でもアルバイトは容易に見つかりかなり稼ぎのいいもの沢山ありました。
私はあまり学校に行かずバイトでお金を貯めて休みには海外貧乏旅行に出かけていました。

当時は円高と激安チケット、バブル景気によりバックパッカーにとって非常にいい時期でした。

数あるバイト経験の中に冷却塔清掃というのがありました。
ビルの屋上の冷却塔を掃除するもので汚くなりますがあまりきつくはなく
賃金がいいものでした。(日給一万円)でも後からかなり体に悪いと聞きました。

そこで働いていた方の中に中国人留学生が3人いました。
給料は僕らといっしょです。
上海の方二人、杭州の方一人。
彼らは明るくて日本語もとてもうまく、随分仲良くさせてもらいました。

彼らのうちのリーダー格が当時40歳の背の高いSさん。
彼は上海交通大学卒業後、国の機関で港湾土木の技術者をしていた。
その後日本に留学してバイトしていました。

当時私は中国について知識はありませんでしたが
超優良大学を卒業しても外国で苦労しなければならない身と
休みに海外旅行に行く自分のギャップに違和感を感じました。

さすがに頭のいいSさんは言いました。
「zhuangyuanちゃん、今は日本の経済はすごい好景気だよ。
zhuangyuanちゃんの生きている間に一回あるかないかのチャンスだよ。
だから株買いなさい。」

当時株なんかはヤクザなギャンブラーのするものと考えていた僕はびっくりしました。
彼は昼休みになると日経新聞を読み、公衆電話で証券会社に電話して売買してました。

彼は自分の経歴にプライドがあるのかこんなことも言いました。
「zhuangyuanちゃん、こんなバイトやっちゃダメだよ。頭悪くなっちゃうよ。」

そしてよく日本人従業員の人たちと口ゲンカしていました。
日本人は「中国人は働かない」と悪口をいい、
彼らはこの仕事自体をバカにしていました。
お互いにお互いをさげすみ嫌な感じでした。

たしかにSさんはサボリ上手でした。
でも私はいっしょにサボらせてもらってラッキーでした。

またある時は大きなビルの清掃の際、別の会社と合同で仕事をしたことがありました。
その別の会社にはやはり中国の方が何人かいました。

その時Sさんは言いました。
「zhuangyuanちゃん、あいつら見ちゃだめだよ。あれは中国の田舎から
密入国してきたやつらだから。」

同じ国の仲間に対してもそんなことを言うのかとびっくりしました。

日本と中国と更にその地方とのギャップ。
自らの経歴へのプライドと現在の自分とのギャップ。
また職業自体とそこで働く人へのさげすみ。

いろんな複雑な思いを抱えつつ全部それを口で表すSさん。
これも日中の文化の差なのかと思った覚えがあります。

日本だとそのように思っている人がいてもあまり口には出さない。

中国では結構ストレートに表現します。
北京にいるとき感じました。

北京大学の先生がいいました。
「北京で掃除している人は北京人ではありません。」
「レストランの服務員も北京人ではありません。」
「都是外地人(みんな外から来た人=田舎物)」

10月号の雑誌「聴く中国語」にもこんなネット小説が紹介されていました。

人力車の運転手になりたいと言う息子を翻意させようと
父親が息子と一緒に人力車に乗り、運転手をこき使う話。
結論としては職業を差別し、こき使うような人はお金があっても下等な人間だというオチです。

こういう話も日本ではありえないでしょう。
実際はどうかは別にして社会一般的に職業に貴賎はないことになっています。

以上
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by zhuangyuan | 2005-09-27 22:47 | 時事 | Comments(7)
Commented by tianshu at 2005-09-29 00:18 x
こんにちは tianshuです。

例のSさんの時代、大学に入っただけでも、世界が手にi入れたという気分になるでしょうと思っています。
それに、都市出身のSさんは、国から与えられた優越感を身につけてしまって、そういう言論をするのははちっとも可笑しくはないと私は思います。

49年からの何十年、中国政府は、農村地帯を犠牲にして、都市で工業を発展させてきました(配給制なので、商業は言わなかった)。20世紀80年代になった時でも、8億人もいた農民たちは、まだろくな学校、医院、図書館もなかった地方で生活していました。今でもね。
  私は生徒さんにこういう話をしたことがありますーー「私の小さい頃、農家には戸籍は無かったのです。人口の単位は村で計算され、私は奴隷でした。」
このような話は今は気軽にできますが、二十年前でしたら、牢屋に入れられる恐れがあると思います。
農業を軽く見ていた共産党は、今その過ちを救うために、一部の農村地帯で、税金免除制度を行っています。
Commented by tianshu at 2005-09-29 00:19 x
(続き)ただの経済面の政策ではなく、政治面の決断でもあると考えていますが、もう手遅れではないかとも思っています。

中国を読みとりたい外国人たちは、中国の現代史をきちんと読まなければならないと思います。49年からの中国歴史は、今の中国人の運命を決めました。特に農村地帯の人々です。
今日はちょっと飲み過ぎて、自分の言いたいことを十分表現できないと思って、この辺で失礼します。
またお邪魔しますので宜しくお願いします。
Commented by zhuangyuan at 2005-09-29 07:09
実際に経験されている方の発言は重みがあります。tianshu様はそういった環境をどのように乗り切り、今に至るのでしょうか?私の知人(63歳)も中国の田舎から出てきて成功した方がいますが貧乏でも努力すれば成功できる道があるとおしゃっていました。また現代中国史についての知るためのよい本がありましたら紹介してください。
Commented at 2005-09-29 23:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tianshu at 2005-09-29 23:35
63歳の田舎出身の知人は、宝物と言っても過言ではないですよね?

「そう言った環境」を乗り越えることはそんなに難しくはないと思っています。「そういった思考方法」などを乗り越えるのは大変なことでしょうね。
何回も「脱皮」したら違う世界に生き残られるかということです。

中国では、こんな言葉がありますーーー「当代人不写当代史」。
今そんな良い本はなかなかないようです。
罪の多い歴史は、書かせてくれることもないかもしれませんね。

毎日の「柴米油塩」から、こんな重い話題に投げられ、目眩をしてしまいます。
今日は逃げさせていただきます。
Commented by ケイチー at 2005-10-02 07:06 x
こんにちは。
その後、Sさんはどうされたのでしょうか。
また、おすすめの株は買われたのですか?
Commented by zhuangyuan at 2005-10-02 07:14
Sさんは私が大学を卒業するころそのバイトしてた会社に就職するとの話をしていました。ただその後は会っていません。株はお金がありませんでしたので
買えませんでした。でも89年に買ってれば誰でも儲けられたのでしょう。やめどきが難しいでしょうけど。


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