2011年 10月 16日

鹿が増えすぎて

最近、台風被害で大きな土砂災害が相次いでいますが
この一因として鹿の異常繁殖があるといいます。

鹿が木を食い、朽ちさせ、地盤がゆるむ。
大雨、土砂崩れ。

今年の夏に知床に行きましたがそこでも鹿の繁殖が話題になっていました。
野生の鹿を見れるのは嬉しいのですが
ガイドさんの話を聞いていますと困りものだと。

まず木の皮を食う。
木が朽ちる。

草や木の実を食べる。
他の小動物の餌がなくなる。
小動物がいなくなる。

近年知床五湖付近では鹿の繁殖のかたわら40種類もの小動物が姿を消したと。
つまり餌を求めて鹿のいないところへいっちゃった。

ここで更に困るのは熊の餌もなくなちゃったこと。
熊は雑食です。
なんかサケを食べてるイメージがありますが
森ではドングリだとかキノコを食べてるそうです。

そんなものが少なくなって今年は都市へも餌を探しにでてきます。

食物連鎖ってのは一度崩れると修復がむずかしい。

そこで対策はというとオオカミを放そうかなんて冗談みたいな話もあるとか。

そもそも鹿が繁殖した遠因はオオカミが絶滅したこともあるそうです。

北海道のエゾオオカミが明治期に本土から開拓民が入ると激減し絶滅したといいます。
開拓民がエゾジカを取りまくり餌がへったのもありますが
森が切り開かれ町が出来て、移動が妨げられたことも大きいそうです。

森を駆け巡って餌を求めることができない。
また町で隔てられた森では小さいグループごとに分断され
グループ内での多様性が失われてゆき、疫病などが入ると免疫がない場合すぐに
グループごと死んでしまう。

アイヌだけが住んでいた時代はよかった。
人間の営みの生態系のバランスの中で摂理を理解しながら暮らしていた。

オオカミも神(カムイ)とあがめられていました。
クマもサケもふくろうも皆、神(カムイ)。
自然から与えられるものも、恐れも、人間が関与する節度をして
神の見えざる手にゆだねてる。

それを開拓民が踏みにじる。
このブログでも何度もご紹介した中国小説「狼图腾」の世界です。
モンゴルの草原でも同じことが起こりました。

神なるオオカミ・上

姜 戎 / 講談社



知床で読んだ小説でもアイヌと開拓民の軋轢を描いています。

静かな大地

池澤 夏樹 / 朝日新聞社



文明に惑わされた現代人はエゴのたかまりとなり
万物が営む生態系を破壊してしまう。
節度を知らない。



知床は世界自然遺産に登録されています。
ゆえに自然保護には厳しい規制があります。
生態系保存のために外来種をいれないし、自然物も持ち出せない。

小2の息子が抜け殻を拾おうとしましたが
それも禁じられました。

観光と保全のバランスが難しい。
生態系の保存を人間が恣意的に行うってのは
ちょっとおこがましいんじゃないのかな?

アイヌのように人間も自然の一部として溶け込むってのが正解なのでしょう。

でもそれをするには人間は増えすぎたのでしょう。
鹿以上に。

以上
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by zhuangyuan | 2011-10-16 22:10 | 時事 | Comments(2)
Commented by ケイチー at 2011-10-19 14:49 x
狼を輸入して鹿退治、って聞いたことがあります。
冗談じゃなくて本当に実現に向けて動いている団体があるとか。

外国では成功例があるとのことですが、日本は国土が狭いから条件違うでしょう。

我が家の近くでも、また熊騒動が始まりそうですし。
この先どうしていけばいいんでしょうか・・・・・・・。
Commented by zhuangyuan at 2011-10-20 21:24
ケイチーさま 富山でしたっけ?そちらにまでクマが?


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