中華 状元への道

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2011年 02月 13日

白川静の想像力

白川静 漢字の世界観 (平凡社新書)

松岡 正剛 / 平凡社



知の巨人がさらなる知の巨人を描く。

【口】の付く漢字は多いですが
口ってのは口の形から来てるわけでなく
祝詞を入れる箱なんだそうです。

そこからどんどん漢字が生まれてゆく。
言、告、吉、占...。

白川さんの想像力ってのは半端ない。

甲骨文字をひたすらに写してなぞって思いをめぐらす。
超人には降りてくるのです。

その超人のような想像力は万葉集の解読にも及びます。

東(ひむかし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えて かへり見すれば月かたぶきぬ


柿本人麻呂の「安騎野の冬猟歌」の一首

後の文武天皇である軽皇子と旅したときのこと。

暁に東の空に朝日が燃え立つように昇ったころ
振り返ってみるともう月が沈みかけている。

このシチュエーションにいたる物語を想像するのです。

持統天皇は天武の妃であったが、夫である天武天皇の世を次ぐべく
草壁皇子を皇太子に立てたが天武崩御後、急逝してしまう。

持統天皇は草壁皇子の子である軽皇子に皇統を継がせるべく画策したと。

それが柿本人麻呂をともなった安騎野行き。

「天皇霊の継承と受霊」のためだそうです。
数ある皇位継承権者のうちで選ばれるのは正統性が必要。

安騎野は古代特別な結界であり
曙光がさすときに月がたかむく払暁を狙ってそこに赴いた。

天文台による調査でその日がまさにそれにあたると。
しかも古代祭事が行われた冬至であったといいます。

簡単な短歌のなかに
古代の王権受霊の物語を読み込んでしまう。

松岡正剛氏もびっくりの想像力です。

以上
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by zhuangyuan | 2011-02-13 22:24 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)


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