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中華 状元への道

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2011年 01月 22日

犬を仕留めて喰らふ

先日、早朝勉強会の仲間(先輩?)に本を貸していただきました。

王様の漢方

牛 波 / 講談社



書名の通り、漢方のお話。

いつも失敗ばかりしているあやしげな社長が「中国訪問漢方ツアー」を立ち上げる。

参加したのはダイエット目的のモデルやらEDのヤクザ、性同一性障害の美男子などなど。
北京で中医の大夫にそれぞれが処方してもらい悩みを解決してゆく。

これはシリーズ化したらいくらでも面白いのが書けるんじゃないかな。
漫画もいいな。
映画にはなってるのですが漫画のほうがいろいろ想像力で書けるのでいいかも。
東京都の条例に引っかからないくらいに抑えてね。

中医である李仁がところどころでウンチクを披露してくれるのが興味深い。

こんな話もありました。

犬肉の話。

中国では犬を食べることは有名ですが
ここで出てくるのはその犬を捕まえる人の話。

その名も「坐狗人」(犬に座る男)

この言葉を百度で検索してみますと
この小説が引用したであろう文章がでてきました。

捕まえるなんて表現じゃ収まらない必殺仕事人です。

老北京的狗肉作坊(古きよき北京の犬肉割烹)

まず昼間のうちにどこの家に毛並みの良い犬がいるかを目星をつける。

然后傍晚出门,身披老羊皮袄,趁住户尚未关门,
“坐狗人”先在住户门前丢一块熟马肺,将狗引出

そして夕方、羊の皮を被ってでかける。
家の門が閉まる前に坐狗人は門の前に熟した馬の肺をほおっておき
犬をおびき出す。


馬の肺を持っていくのもいやですね。
でもなんで羊の皮を被るのか。

狗闻香前来,趁其低头吃食之际,
以右手掐狗脖子,左手按住狗后垮,都用反把,用力坐于狗腰,
狗即一声不出,腰断身亡,惨不可言

犬が匂いに誘われて出てくる。
頭をかがめて喰らおうとする正ににその時、
右手で犬の首を絞めつけ
左手で後ろ足を押さえて
反動を付けて力いっぱい犬の腰に座る
犬は吼えることもできない
腰が折れて絶命する
悲惨で言葉にならない。


ここからが更に怖い。

随后将狗的两只前爪搭在肩上,背于身后,上罩羊皮袄,拾起马肺回家,其手段迅捷为常人所不及。

その後、犬の前足をつかみ、肩に担ぎ、背負う
それを羊皮で隠し、馬の肺を拾って帰路につく
その手並みたるや迅速極まりなく常人の及ぶところではない。


そこから皮を剥いで肉と毛皮に分けて
さらには料理しちゃうんですがちょっとグロテスクなのでやめときます。

あとは原文を覗いてみてください。

解放前の中国の下層階級の間では冬の犬肉はたいそう人気があったんですって。

人様のお家で飼われてるのを仕留めるってのが恐ろしいですねえ。

以上

by zhuangyuan | 2011-01-22 16:28 | 中国関連DVD、本


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