中華 状元への道

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2010年 10月 24日

「はさみ」って何するもの?

日本語から学ぶ中国語・中国語から学ぶ日本語

王 浩智 / 東京図書



すべての中国語学習者にオススメしたい一冊です。

以前からこの本の存在は知っていましたが
日本語から学ぶってのが好きでないので食わず嫌いをしておりました。
外国語を学ぶ場合は外国語をそのまま受け容れたほうがいいと考えてたからです。
日本語と中国語は似ているだけに日本語から学ぶと
日本語チックな中国語になってしまうと。

でもこの本は違う。
言語の単語だとか文法だとかそんな瑣末なことを書いてあるのでなく
中国人の考え方、日本人の考え方といったもっと大きな視点から
言語を読み解いてくれるのです。

読み物として面白い。

ためしに目次をひいてみます。

第一章 言葉と対象
 第二節 空間感覚

第二章 言葉と言葉
 第三節 文の連鎖
  1.時系列の中国語 時間をねじる日本語

第三章 言葉と発信者と受信者と
 第一節 言語に期待するもの、しないもの


どうでしょう気になりだしたでしょう?

でもこれだけではチンプンカンプン(=听不懂看不懂)でしょう。

例えば空間感覚、

「茶碗蒸し」という日本語を中国語で言うと?

蒸鸡蛋羹=玉子をプリン状にしたもの

つまり日本語は入れ物だけに注目しており
中国語は中身を注目している。

そんな例をいくつも挙げてくれます。

土瓶蒸し=陶壶炖菜(土瓶で煮込んだ料理)
鉄板焼き=用铁板煎肉(鉄板で焼いた肉)

確かに言われてみれば
日本語だって字をそのまま見ればなんのことやらわからない。

茶碗や土瓶は食いませんから。

でも文化背景で共有している。茶碗蒸しっていったらこういうもんだと。



こんな例がたくさん載ってます。

私が感心したのはこれ。

「採血」

中国語では验血という。

採血ってのは血を採るだけ。

これじゃなんにもならない。

やっぱり検査しないといけません。
だから验血。
なるほど。

日本語は物事の始まりに重きを置くんですって。


例えば「はさみ」

中国語では剪刀。

日本語は「はさむ」だけでまだ切っていない。

中国語は切る刀。

こっちのほうが理にかなっているように思える。

同じ漢字の国でありながらこれほどの文化の違いがある。

語学って奥深い。


以上
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by zhuangyuan | 2010-10-24 20:30 | 学習 | Comments(2)
Commented by Marie at 2010-10-29 12:24 x
この本はほんとに、目からウロコぼろぼろ本ですね!!!
Commented by zhuangyuan at 2010-10-30 16:52
Marie様 語学を学ぶ楽しさを満喫させてくれます。


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