中華 状元への道

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2010年 06月 02日

「音高く流れぬ」 読了

本日は鳩山さんと小沢さんが辞任。
このお二人実は同じ高校を卒業しています。
都立小石川高校。

私、明日会社帰りに小石川高校に参ります。
「現代教育観を読む会」に参加する予定です。

曽祖父がこの高校の前身である府立五中の初代校長でした。
当時、斬新だった自由主義を教育に持ち込み注目されました。

彼が書いた本に「現代教育観」というものがあり
高校OB会などを中心にこの本を読み解いていこうという会が出来たのです。

私は歴史や教育に関するアカデミックな知識などございませんから
オブザーバー的に皆さんの意見を拝聴しています。

はじめの会は数ヶ月前に開催されましたが
そこには小石川高校現校長先生も列席されていました。

自己紹介でこんな話をされていました。

彼女が先生になろうとしたきっかけになったのは
高校時代に当時の先生から渡された小説を読んだことだったと。
荒れる学校での先生と生徒を描いた小説であったそうな。

それを読んで40年、去年またその本に出会ったそうです。

読んでみてびっくり仰天。

街の風景などの描写になにか親近感を
抱きながら読み進めたところ
なんとそのモデルとなっている学校が
自分が校長として運営している小石川の前身、府立5中だったのです。

なんという運命。
当時まったく意識していなかっただろうその学校に
自らが校長として降り立つとは。

でもってその小説で校長先生として描かれているのが
私の曽祖父なのです。


そんな話をきいたからには是非読まなくてはなりません。
ネットで古本検索して見つけました。

「音高く流れぬ」(村上信彦著 全四巻 1958年刊)
私が購入したのは1969年改装版(内容変わらず)です。

題名がいいですね。
なんか誇り高いイメージがします。

内容はといいますと
絶望的な貧乏家庭に生まれ、両親を亡くし
叔父の家に預けられた高校生、清水俊三郎の青春譚。
対する江藤長八校長。(曽祖父の名前は伊藤長七。)

貧困、学問、思想、友人、ケンカ、異性への関心、都会、自然
いろんなものに揉まれながら思想的に目覚めてゆく。

アナーキズム。

大正的自由な雰囲気から徐々に昭和の軍国主義の足音がきこえてきた昭和初期
自由主義をモットーとする高校で当時危険とみなされた思想を主張してゆく。

今の高校生とも私たちの時代ともまったく違った
ピュアで危うい一途な青春。

校長もつらいです。
自由を謳うが下からは突き上げ、
上からも指導が来ていることが伺われます。

時代のうねりに巻き込まれてゆく無力感。
青春を生きる主人公ももがくが
理想に燃える校長ももがく。

これまで曽祖父のなした業績や
唱えていた理想についてはよく見聞してきましたが
その背景を想像することはありませんでした。

明治までの封建体質を大正デモクラシーにのって打破しようと
活動してある程度成果はでたのでしょう。

普通選挙、女性の解放のいっぽうでは
対外進出、軍備拡張、思想統制と時代雰囲気が大きく変化してゆくなかで

上からの規制や締め付け、時代に迎合する周囲や部下たち
理想と現実への妥協のギャップ
自由と放任のバランスになやんでいる姿が映し出されています。

当然ながら私は曽祖父にあったことがありませんが
まるでそこにいるかのように
熱く感じられました。

小説家ってのはすごいな。

以上
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by zhuangyuan | 2010-06-02 21:51 | 文化、歴史 | Comments(0)


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