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2010年 05月 03日

日本切腹、中国介錯

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

加藤陽子 / 朝日出版社



この本はオススメです。
日露戦争から第二次世界大戦までの歴史の流れを
東大教授がエリート高校生にやさしく?興味深く講義します。

なんで今どきこんな題名の本がベストセラーになるんだろうかと
不思議におもっておりましたが読んで納得。
近年読んだ戦争本で一番興味深かった。

デリケートな問題にズバッと自らの見方を提示する勇気に感服しました。

世界史のうねりのなかで
日本が、日本人がどうやって戦争へと進んでいったのか。

意外だったのは明治の世から日本はけっこう民主的であったということ。
つまり一般国民の世論が政治に影響を与えていたんです。

選挙や国会があったって
外国からの輸入のまねっこで機能してないんだろうと考えてましたが
時の政治家は国民の意向を気にしながら政治をしていたみたい。

先の大戦時の軍部だって
いまじゃ独裁政権みたいにいわれているけど
当時はやっぱり国民がバックアップしていた。
貧しい民の声を代表していたし、食い扶持にもなっていた。

戦前に軍部のスローガンはこうでした。
「農山漁村の疲弊の救済は最も重要な政策」

既存政党は金持ちの味方でだめなんです。

つまり国民が戦争を選んだんですよね。
けっして一部の軍部の暴走だけでは片付けられない。

そんなこんなでまず朝鮮半島にでて
そのまま中国まで進むわけなんですが
緒戦の好調はともかくずぶずぶにはまり込んで
あげくは南進して、
最後は太平洋までいっちゃってボロ負け。

当時政権が固まってない中国なんかは楽勝だって気分だったんでしょうが
なかなかどうして簡単にはいきません。

それもそのはず、緒戦の負けは戦略だった。
なんてお話もあるそうです。

「日本切腹、中国介錯論」

中国の大学者、胡適が1935年に書いたそうです。

日本は必ず中国に侵略してくる。
中国だけでは勝てない。
アメリカとソ連に応援してもらおう。

でもどうやって?
日本軍を正面から受け止めて2,3年負け続ける。

そして徐々に後退する。
そのうちに日本軍は大動員せざるえなくなり
満洲からも本土に動員される。

するとソ連が機をみて、満洲に攻め入る。

アメリカはというと
中国で膨大に出る犠牲で国際世論におされて出てくる。
もちろん居留民の保護と権益を守るためでてくる。

これを言ったのが1935年なのに注目。
日中戦争(1937)のおきる前ににこんなことが論じられていたのです。

中国恐るべし。
民衆を大量に犠牲にすることを前提にしている。

そしてまんまと乗せられて
そのまんまの結果がでたのです。

そんなときピュアな親中派はどう思っていたのか?

真珠湾攻撃に成功して米英に宣戦布告したことに喝采したのです。

竹内好のことば。

「宣戦の大詔が下った日、日本国民の決意は一つに燃えた。
爽やかな気持ちであった。」

「わが国は東亜建設の美名に隠れて弱いものいじめをするのではないかと
今まで疑ってきたのである。」

「大東亜戦争は見事に支那事変を完遂し、これを世界史上に復活せしめた。」

つまり弱いものいじめでなく
強いもの=アメリカに立ち向かったことで
中国への罪悪感がふっとんで爽やかな気持ちになったのでした。

全部作戦に乗せられてたのだけなのに...。


以上
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by zhuangyuan | 2010-05-03 16:41 | 中国関連DVD、本 | Comments(2)
Commented by Shira at 2010-05-03 17:22 x
こんにちは。
はい、この本は良かったですー。

巻末の参考図書一覧も役に立ちそうです。
Commented by zhuangyuan at 2010-05-04 06:10
Shiraさま どうもどうも。確かに巻末の参考文献は気になります。「日本軍のインテリジェンス」というのはさっそく購入しました。あと「憲法とは何か」も気になっています。


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