中華 状元への道

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2009年 10月 25日

科学者の夢

731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く (新潮文庫)

青木 冨貴子 / 新潮社



731。

読みたくないけどちょっと知りたい。
怖いもの見たさで読了。

七五三ではないですよ。

満洲にあったいわゆる細菌戦部隊、731部隊のことです。
正式には関東軍給水防疫部。

悪魔の飽食 新版―日本細菌戦部隊の恐怖の実像! (角川文庫 も 3-11)

森村 誠一 / 角川グループパブリッシング



悪魔の飽食で一気に世に知られるようになりましたが
その後はウソだホントだといろいろ騒がれております。

なにしろ戦争に負けるとすぐにハルビン近くにあった研究所を燃やして破壊して
資料もほとんど焼いてしまい所員も全て撤退。
電撃的に撤退。ソ連攻め入った8/17にはもういなかったと。

そこにあったのは
ネズミ、リス、ウサギ、モルモットなど実験用生物が走り回り
病気の牛や山羊、羊が徘徊し
数百匹のサルもうろついていたとのこと。

おそろしや。

よって真実は誰にもわからない。
すべては隊長石井四郎の頭の中。


今回のこの本は
その隊長石井四郎が戦犯とならずにGHQから免責されたことを
新発見の自筆ノートをもとに暴きだしています。

東京裁判の正当性はともかくとして
「人道に対する罪」だとか「平和に対する罪」とかいうのであれば
彼をまっさきに戦犯にすべきでしょうが
結局政治なんてものはきれいごとでは済まずに裏には「高度な判断」が存在し
巨悪は生きぬくわけです。

細菌戦なんていうといまいちイメージがわきませんので
どうしてそうまでもしてGHQやらソ連やらが731部隊のデータを欲しがったのからわかりません。

アメリカだってソ連だって当時の大日本帝国より国力があったわけですし
原爆造れる金と技術があったら細菌兵器なんてわけないでしょ。
それがどうしてそんなに欲しがるの?
石井四郎ってそんなに天才なの?

この本読んでるとそうでもなさそう。
ほら吹きの政治屋でバイタリティはすごいけどそんな優秀な科学者のイメージはない。

とすればやっぱり
彼らが欲しかったデータはマルタの実験データしかないのではないでしょうか?

マルタつまり人体=生体の実験です。

実際にどれだけの規模で行われたかはわかりませんし
証言はされてますが証拠はどれだけあるかはわかりません。

でもこれがあったからこそ
石井のデータも重宝されたんでしょう。

米ソの大国も生体実験を大々的にやってデータ集めることはできなかったでしょうから。
本当の効果はやっぱり実際に使ってみなきゃわからない。

どんだけの病原菌でどれだけ効果があるか?
最小のコストで最大に効果を挙げるには?
制御するにはどうするか?

生体実験って科学者の永遠の夢なんでしょうね。
「人類発展のための礎にするために」なんて自分で理由つけて。

これをやった人のデータがあったら
それが戦犯であろうとなんだろうと欲しくて欲しくてたまらない。

科学者でなくとも
生粋の軍人であるマッカーサーも未来の兵器である細菌兵器の魅力にとりつかれていたと。

「ルーテナント・ジェネラル・イシイはどこか?」

これがマッカーサーが厚木に降り立って初めて発した言葉であるとのこと。

以上
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by zhuangyuan | 2009-10-25 10:43 | 中国関連DVD、本 | Comments(0)


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