2009年 09月 12日

 『南京!南京!』

「状元さん! 『南京!南京!』のDVD手に入ったんですけど観ます?」
と上海出身のお客さん。

もちろん観ます。
観たかったんです。
どんなにひどいものか確認するために。

『南京!南京!』とは今年中国で上映され大ヒットした映画で
いわゆる南京大虐殺をテーマにしています。

一人の青年日本人兵の立場から事件を見たものです。

日本兵の苦悩も描いており、日本人寄りの映画だと批判されたといいます。

鑑賞後の疑問。

どこが?
どこがどう日本人よりなわけ?

確かにこれまでのステレオタイプの日本兵の描きかたと違って
俳優がイケメン君です。
チビでもデブでもメガネでも出っ歯でもない。
ちょび髭もない。

けっこう優しい。
暴力的でない。
賢そうでもある。

苦悩もしている。
でもそれって当たり前でしょ。
誰だって戦争行って戦ってれば苦悩するでしょ。

こうした苦悩を描くことに注目させておき
中立性を保ったような姿勢をとっていると見せかけ
肝心のいわゆる南京大虐殺はそのまま史実として肯定する。

民間人虐殺
婦女暴行頻発
捕虜虐殺
安全区蹂躙
軍主導慰安所設営

なんでこれで中国大衆が怒るんだろうか?
最初不思議に思えましたが
この重要な部分ははなから史実であると信じているわけで
議論の余地はないわけです。
でもいつも不細工で残酷だった日本人のイメージが違うことがゆるせない。

小さな真実を表に出すことで
大きなウソを素通りする意図が見て取れます。

しかもこういう映画を
中国の一線級の監督がイケメン俳優と美人女優で固めて大衆を再洗脳する。
あなおそろしや。

DVDをくれたお客さんにも同じ意見を申し上げました。
もちろん議論はいたしません。
かみ合うわけありませんし、歴史の検証も出来ません。
私は心情的なかった派です。

ちなみにお客さんは
「これは歴史にのこる名作であると絶賛していました。」

南京陥落後も残留兵士が死力をつくして戦ったというのが感動的であったとのこと。
だからこそ安全区で便衣兵を見つけるのにひっちゃきになったと。

確かに当時の国民党軍は幹部は兵隊置いて一目散に逃げ出し
残った軍もほとんど抵抗なしに降参したって思ってました。

こんな批評もネットにありました。
这部电影完全突破了以往种种关于南京惨案的历史著作和文艺作品中的那种对中国人存在的刻意抹杀,对“无能的中国人”的错误描述;为世界观众了解这段历史,提供了一种崭新的视角,也是在南京灾难中,中国人的民族形象的全新书写。

この映画は、従来の南京事件に関する歴史的著作や文芸作品のように中国人の存在を消したり
無能な中国人という間違った描写したりすることを乗り越え
世界の観衆にこの歴史について、斬新な見方や、南京事件でおいての中国民族の新しい
イメージを提供できた。


そういう見方もあるわけね。

ちなみにこの映画でもっとも印象に残ったのは
最後にある日本軍の南京攻略祝勝パレード。

鮮烈な印象を残します。

和太鼓が荘厳と鳴り響き
阿波踊りのように身をかがめ、静かに厳かに声を合わせて粛々と進む。

異民族に占領された。

これを観るだけでも価値がある。
陸川監督侮れず。

以上
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by zhuangyuan | 2009-09-12 18:19 | 中国関連DVD、本 | Comments(7)
Commented by 核心 at 2009-11-06 17:22 x
南京大虐殺は世界的に誤解されています。

中核的な出来事は南京陥落時の城外における大規模な捕虜の殺害です。
父親(栗原利一)のスケッチブックでも7万余人と書かれています。
非戦闘時の7万余人の捕虜の殺害ですから、当然、日本陸軍が軍の組織として行なったものです。
捕虜の多くは蒋介石軍兵士などです。

ただ、中国側の言う30万人説は戦闘時の犠牲者も含めた数として合理的な数です。
昭和12年7月の南京の人口は135万人です。
11月末の人口は50万人で、これに南京防衛軍15万が加わった65万人が日本軍の攻撃に晒されました。

否定派の言う20万人は逃げ場の無い貧民の数です。
小平市の警察学校と小平団地を合わせた(昔の警察学校の広さ)10万坪の安全区に押し込められた貧民の数です。

(65連隊のシャーカンおける2千人斬首は父だけが日本側の証人です。名古屋市の河村市長は無知なだけです。「ジョン・ラーベ」は城内での出来事しか書かれていないので日本人には誤解を与えます。)

Commented by zhuangyuan at 2009-11-07 08:41
核心さま 貴重な資料のご紹介ありがとうございます。捕虜にせよ軍人にせよ戦争ですので相当な犠牲者がでたことは事実でしょうけれど議論の前に虐殺の定義をあわせた上でないと意味がないと思います。いずれにせよ敗者はいろいろ言われますし、検証も今となっては不可能です。また国際法も勝者の論理でころころ変わりますから難しいですね。そこで戦争が行われてたくさんの犠牲がでたということを記憶すればいいように思います。
Commented by 核心 at 2009-11-08 13:17 x
「森松俊夫 南京」でグーグルで検索して頂くと、この問題の根の深さが分かります。
2006年にもなって森松氏の手配で父(栗原利一)のスケッチブックが一部破壊されました。
日本政府がこの日本陸軍による大規模な捕虜の殺害を認める可能性はまったくありません。
なぜなら自衛隊、防衛省は南京におけるこの大規模な捕虜の殺害を計画し、指示し、実行した人たちによって作られた組織だからです。
自衛隊の出生の秘密のようなものですね。
あきれた人たちです。
Commented by 核心 at 2009-11-08 13:21 x
この映画は中国共産党が行き過ぎた反日をクールダウンするためのプロパガンダ映画です。

南京大虐殺=蒋介石軍兵士の殺害、では中国国民も納得できないでしょうから。
Commented by zhuangyuan at 2009-11-08 18:18
核心さま 中国の戦争映画は程度の差こそあれすべてプロパガンダだと思いますが、日本人に対するこの程度のシンパシーで反日感情が弱まるのだとすれば逆に怖いです。
Commented by 核心 at 2009-11-14 09:54 x
 「戦史叢書」と大屠殺記念館の差(これは日本側に事情です。)

防衛研究所戦史部が南京を否定するのは、GHQのGSとG2の占領政策の違いから来ています。

以下は「加害と赦し、南京大虐殺と東史郎裁判」の中の吉田裕氏の論文の抜粋です。

防衛研修所戦史室の源流

...この資料整理部の前身は史実調査部、さらには史実部であるが、一貫してその中心的地位にあったのは、元陸軍大佐の服部卓四郎だった。
服部は、タカ派で有名なGHQ参謀第二部(G2)部長の、C.A.ウィロビー少将の援助の下に、周辺に旧日本軍の幕僚将校を集めて「服部グループ」を結成する...

...「実際は各戦域の作戦参謀級の幕僚が、分担執筆し、稲葉正夫(四二期、終戦時陸軍省軍務局軍事課員、中佐)がまとめたもの」であり、服部周辺の旧幕僚将校による合作だった。
そして、「後にこの整理部から多くの人が、貴重な史料とともに戦史室に転用され」、戦史室の中心を、これらの旧幕僚将校が占めるようになったのである。

...戦史室編纂の「戦史叢書」が、旧軍の立場を代弁する弁明史観的性格を色濃く持たざるを得なかった...
Commented by 核心 at 2009-11-15 07:43 x
「戦史叢書」の編著者の一人である森松俊夫氏が2001年に東史郎裁判で勝った方法は以下のようなものです。

まず、東史郎氏に日記の原本を「平和のための京都の戦争展」に貸し出させ、後の裁判の証拠となる部分を抜き取らせ、それから名誉毀損裁判を起こしたのです。
東氏は、展に貸し出したところ証拠となる部分だけ抜き取られたと主張したのですが、受け入れられず最高裁まで行って敗訴しています。

なぜ、このようなことが判明したかというと、森松氏は2006年に父のスケッチブックに手を出して失敗したからです。
私は偶然的に戦史部を大手の顧客とする某社(誰でも知っています)に、アルバム2冊とスケッチブックのCD-R化を発注したところ、両方から写真と地図帳が破り取られました。
被害届は小平警察から牛込署に2通、まわされてます。

この事実から、この問題の根深さをご理解ください。


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